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僕が誰かを嫌いな理由(わけ)
013. 瑠維さんってどんな人?!
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お祖父様の家で過ごしていて気がついた。
瑠維さんってどんな人?!
僕が瑠維さんはお祖父様の会社で顧問弁護士しているってことだけ。
元々僕の母さんと幼馴染みだって言ってたけど…。
それ以上のことは何も知らない。
瀧野瀬のお祖父様の家で一週間くらい経ったら瑠維さんのことが気になった。
平日なのに瀧野瀬の家に瑠維さんが居ることが不思議だった。
「瑠維さん、どうして瑠維さんはお祖父様の家に居るんですか?前に話した時瑠維さんは母さんの幼馴染みで家がお隣ですよね」
「うん、僕は亜月君のお祖父様会社で仕事をしていて、今は都合上瀧野瀬の家に居候している」
「居候…?」
納得できたようなできないような瑠維さんの答えだった。
「瑠維さんって結婚しないのですか?」
僕が何となく疑問に思っていたことをふと口にした。
瑠維さんは見た目が高校生の少年のような顔立ちで身長も高くとても三十八歳に見えない。
スーツを着ていても高校の制服に見えてしまうくらいの童顔だ。
「うーん、結婚かぁ…。まぁちょっとだけいろいろとあってね…。そのうち亜月君に話さなければならないかもしれないけれどまた改めて…」
何となく瑠維さんにはぐらかせた…ような気がする。
そのうち話してくれるならまぁ、いいか。
「そ、それじゃぁ瑠維さんの家族は?」
「ふふ、僕のこと知りたいの?!嬉しいなぁ」
それまでの瑠維さんと違ってものすごく目をキラキラと輝かせてきた。
僕は今までにそういう瑠維さんのそんな顔を見たことがなかった。
いつも真面目な顔しか見ていなかったから。
僕は照れてしまった。
「ごめん、ごめん。亜月君がいろいろなことに興味を持ったから嬉しくて」
瑠維さんはニコニコ笑って僕の顔を見ていた。
「僕の家族は父と母と兄貴が一人。兄貴の奥さんと子供が二人。今は隣の家に住んでいるよ。後は双子の姉の琉奏が旦那さんと子供二人、隣の県に住んでいるよ」
「ふーん、瑠維さんだけ一人なんだ…」
「うっ…亜月君が冷たい…。美桜そっくりな顔で冷めた顔で冷めた瞳で見られると僕は泣いちゃうよ?!」
瑠維さんは手で顔を覆いながら泣き真似をして見せた。
「えっ?!」
僕は瑠維さんのそんな姿に驚いて少し戸惑いオロオロしてしまった。
その様子を指の隙間から覗き見る瑠維さんだった。
「その仕草は美桜そっくりだ」
泣き真似をしていたはずの瑠維さんが顔から手をはずし、僕の顔をじっくりと見つめていた。
懐かしいものでも眺める様に目を細め、遠い記憶にある思い出を思い出すかのような顔をして僕を見つめていた。
母さんのことを知る人たちは皆、僕の顔を見ると必ずそういう顔になる。
けれどそれは嫌だと思わない。
少しだけ僕じゃない誰かを思って僕を見ることにムカついたこともあったけど、僕が大人になれば男らしい顔になると思っているのでみんなの態度もそのうち見なくなると思っている。
それにそんな顔しながら母さんの話を聞けるので僕も昔話をする皆をじっと見てしまう。
結局、瑠維さんてどんな人なのかってことはこれ以上のことは教えてもらえなかったし、上手にはぐらかされてしまった気がする。
瑠維さんってどんな人?!
僕が瑠維さんはお祖父様の会社で顧問弁護士しているってことだけ。
元々僕の母さんと幼馴染みだって言ってたけど…。
それ以上のことは何も知らない。
瀧野瀬のお祖父様の家で一週間くらい経ったら瑠維さんのことが気になった。
平日なのに瀧野瀬の家に瑠維さんが居ることが不思議だった。
「瑠維さん、どうして瑠維さんはお祖父様の家に居るんですか?前に話した時瑠維さんは母さんの幼馴染みで家がお隣ですよね」
「うん、僕は亜月君のお祖父様会社で仕事をしていて、今は都合上瀧野瀬の家に居候している」
「居候…?」
納得できたようなできないような瑠維さんの答えだった。
「瑠維さんって結婚しないのですか?」
僕が何となく疑問に思っていたことをふと口にした。
瑠維さんは見た目が高校生の少年のような顔立ちで身長も高くとても三十八歳に見えない。
スーツを着ていても高校の制服に見えてしまうくらいの童顔だ。
「うーん、結婚かぁ…。まぁちょっとだけいろいろとあってね…。そのうち亜月君に話さなければならないかもしれないけれどまた改めて…」
何となく瑠維さんにはぐらかせた…ような気がする。
そのうち話してくれるならまぁ、いいか。
「そ、それじゃぁ瑠維さんの家族は?」
「ふふ、僕のこと知りたいの?!嬉しいなぁ」
それまでの瑠維さんと違ってものすごく目をキラキラと輝かせてきた。
僕は今までにそういう瑠維さんのそんな顔を見たことがなかった。
いつも真面目な顔しか見ていなかったから。
僕は照れてしまった。
「ごめん、ごめん。亜月君がいろいろなことに興味を持ったから嬉しくて」
瑠維さんはニコニコ笑って僕の顔を見ていた。
「僕の家族は父と母と兄貴が一人。兄貴の奥さんと子供が二人。今は隣の家に住んでいるよ。後は双子の姉の琉奏が旦那さんと子供二人、隣の県に住んでいるよ」
「ふーん、瑠維さんだけ一人なんだ…」
「うっ…亜月君が冷たい…。美桜そっくりな顔で冷めた顔で冷めた瞳で見られると僕は泣いちゃうよ?!」
瑠維さんは手で顔を覆いながら泣き真似をして見せた。
「えっ?!」
僕は瑠維さんのそんな姿に驚いて少し戸惑いオロオロしてしまった。
その様子を指の隙間から覗き見る瑠維さんだった。
「その仕草は美桜そっくりだ」
泣き真似をしていたはずの瑠維さんが顔から手をはずし、僕の顔をじっくりと見つめていた。
懐かしいものでも眺める様に目を細め、遠い記憶にある思い出を思い出すかのような顔をして僕を見つめていた。
母さんのことを知る人たちは皆、僕の顔を見ると必ずそういう顔になる。
けれどそれは嫌だと思わない。
少しだけ僕じゃない誰かを思って僕を見ることにムカついたこともあったけど、僕が大人になれば男らしい顔になると思っているのでみんなの態度もそのうち見なくなると思っている。
それにそんな顔しながら母さんの話を聞けるので僕も昔話をする皆をじっと見てしまう。
結局、瑠維さんてどんな人なのかってことはこれ以上のことは教えてもらえなかったし、上手にはぐらかされてしまった気がする。
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