135 / 169
第二章 バルバディア聖教国モンサラント・ダンジョン
2-47 サービス特典
しおりを挟む
「お、マジなのかい」
「アレヲミヨ」
そして、何故か今回は演出までグレードアップしていて、どこからかドラムの音がステレオで流れてきて、そこに白い布をかけられていた物にスポットライトが当てられている。
そして勿体をつけながら賞品から布が取り払われた。
それは見事な鎧であった。
フルプレートのようなゴツイ物ではなく、見かけはそうたいした物には見えないのだが、おそらく俺の動きをあまり疎外しないような、自動で体にフィットする感じの逸品なのだ。
今のターワンが使っているのと同じような物だろう。
人間が着込む物だから、さらに手がかかっているはずだ。
それでいて見事な防御力を発揮する、『コンロンの盟主』謹製の品なのだろう。
やはりここに現れる盟主が用意してくれていたものなのらしい。
前回はドラゴナイトも初めて呼ばれたらしく、なんか不慣れな様子だったが、今回はまるで芝居小屋の司会者みたいに手慣れているみたいな感じだ。
しかし、この鎧は是非とも手に入れたいものだな。
更にここからグレードアップするというのか。
ただし、ここの番人のやる事だから、すんなりいくとはとても思えない。
「ショウヒンハ、【シレンノナイヨウニヨッテ】グレードアップスル」
それを聞いて俺は大爆笑した。
やっぱり、そうきましたか。
あんたのやる事なんか最初からわかっていたぜ。
「そいつは確かにな。
実に理に叶っている。
いいぜ、望むところだ」
「サスガハ、ワレガミコンダオトコダケアル。
マスマスキニイッタ。
デハモウヒトツオマケデ、グレードアップノチャンスヲ、プラスデツケテヤロウ。
タダシ、キビシイゾ。
ギブアップスレバ、スベテガキエル」
「構わないよ、ありがたい話だね。
話を聞こうじゃないか」
ノーリスクのギブアップ制度は顕在か。
相変わらずの大サービスぶりだな、コンロンのドラゴ導師よ。
「ダイイチノショウヒンハ、フツウノコース。
タダノマホウノヨロイダ。
テキノマホウヲ10パーセントハネカエス。
ブツリコウゲキニハ、マホウデカナリタイセイヲアゲテイル。
ソウチャクシャノウゴキモ、キョクリョクソガイシナイ」
「ふむ、それでも結構いい鎧じゃないか」
「ダガ、コレハショセン、リピーターヘノサービスコースニスギナイ。
キサマノヨウナ、ツワモノニトッテハ、ハジイガイノナニモノデモナイコースダ」
「へえ、それはまた嬉しい評価だな。
それでそいつからのからのグレードアップの条件と、その賞品は?」
またしてもドラムの音が鳴り響き、今度は銀の布がかけられていた。
さらにスポットライトの灯りが眩しく映えていた。
「コレガ、ダイニノコース、ミスリルノマホウヨロイ。
マホウコウゲキヲ50パーセント、ハネカエス。
ブツリコウゲキモ、オリハルコンニヨル、コウゲキニサエタエル、キョウカバンナノダ。
タダシ、コノシレンニオイテ、ブキノシヨウハ、イッサイゲンキンダ。
ココマデガ、イノチアッテノモノダネコースヨ」
こいつも対応が手慣れてきたものか、口上にも趣味が入ってきている気がするな。
素手でゴロマキか、コース的には先輩好みだね。
あるいはマロウスかリナあたり?
「ソシテ、サイゴノシレンノショウヒンハ、コレダ!」
今度はドラムが増量の四個での登場で、金色に輝く布が、これでもかというくらいに照らされていた。
俺の仲間達が、全員お座りで楽しそうにそれを見ている。
もう彼らの中では、俺がどのコースに行くかなんて、最初から決まっているのだ。
そして俺自身もその期待を裏切るつもりなど毛頭ない。
「コレコソハ、ゲンザイノテモチノナカデ、サイコウノボウグ。
オリハルコンノ、マホウヨロイ」
へえ、『防具の中で』か。
それならあと最低でも、もう一回くらいはここへ来なくちゃなあ。
「ソシテ、コレコソハ、マホウボウギョ100パーセントニシテ、ソノマリョクヲキュウシュウシ、ボウギョリョクヲ、ゾウキョウスル。
サラニ、ブツリボウギョハサイコウニシテ、ショウゲキモキュウシュウシテ、ボウギョヲアゲテクレル」
おう、こいつはまたサービス満点だな。
「ソノウエ、ジドウシュウフクシ、カラダノカイフクキノウモアリ。
シュウノウキノウデコンパクトニシテ、ピンチノサイニハ、ジドウテンカイマデスル、キノウツキダ。
オマケニ、ホカノヨロイモゼンブツケテ、イマナラマトメテイタダケル、ダイチャンス。
サア、オクサンヤスイヨ」
なんだか、露天市場の叩き売りの口上みたいになってきたな。
でも確かに凄いサービスだな。
これは明らかに盟主様が、勇者とは名ばかりのこの俺に邪神と対決させようとしているとしか思えん。
聖女から見て勇者とは何か。
それは【絶対に倒せない邪神を封印する時間を稼ぐための肉壁】に他ならない。
この盟主、なんという鬼畜だ。
だんだん、こいつの正体がわかってきたような気がするのは俺だけだろうか。
「そんな物は貰いに行くのに決まっておろうがあ」
ここでこの鎧を貰っておかないと、今の装備のまま邪神と対決とか十分にありえるのだ。
いくらなんでも、そんなの嫌すぎるだろうが~。
「ヨクゾイッタ。
ウワノセノジョウケンハコウダ。
ブキハモタズ、スデデワレサンニンマエヲ、ミゴトニタオシテミセヨ」
「アレヲミヨ」
そして、何故か今回は演出までグレードアップしていて、どこからかドラムの音がステレオで流れてきて、そこに白い布をかけられていた物にスポットライトが当てられている。
そして勿体をつけながら賞品から布が取り払われた。
それは見事な鎧であった。
フルプレートのようなゴツイ物ではなく、見かけはそうたいした物には見えないのだが、おそらく俺の動きをあまり疎外しないような、自動で体にフィットする感じの逸品なのだ。
今のターワンが使っているのと同じような物だろう。
人間が着込む物だから、さらに手がかかっているはずだ。
それでいて見事な防御力を発揮する、『コンロンの盟主』謹製の品なのだろう。
やはりここに現れる盟主が用意してくれていたものなのらしい。
前回はドラゴナイトも初めて呼ばれたらしく、なんか不慣れな様子だったが、今回はまるで芝居小屋の司会者みたいに手慣れているみたいな感じだ。
しかし、この鎧は是非とも手に入れたいものだな。
更にここからグレードアップするというのか。
ただし、ここの番人のやる事だから、すんなりいくとはとても思えない。
「ショウヒンハ、【シレンノナイヨウニヨッテ】グレードアップスル」
それを聞いて俺は大爆笑した。
やっぱり、そうきましたか。
あんたのやる事なんか最初からわかっていたぜ。
「そいつは確かにな。
実に理に叶っている。
いいぜ、望むところだ」
「サスガハ、ワレガミコンダオトコダケアル。
マスマスキニイッタ。
デハモウヒトツオマケデ、グレードアップノチャンスヲ、プラスデツケテヤロウ。
タダシ、キビシイゾ。
ギブアップスレバ、スベテガキエル」
「構わないよ、ありがたい話だね。
話を聞こうじゃないか」
ノーリスクのギブアップ制度は顕在か。
相変わらずの大サービスぶりだな、コンロンのドラゴ導師よ。
「ダイイチノショウヒンハ、フツウノコース。
タダノマホウノヨロイダ。
テキノマホウヲ10パーセントハネカエス。
ブツリコウゲキニハ、マホウデカナリタイセイヲアゲテイル。
ソウチャクシャノウゴキモ、キョクリョクソガイシナイ」
「ふむ、それでも結構いい鎧じゃないか」
「ダガ、コレハショセン、リピーターヘノサービスコースニスギナイ。
キサマノヨウナ、ツワモノニトッテハ、ハジイガイノナニモノデモナイコースダ」
「へえ、それはまた嬉しい評価だな。
それでそいつからのからのグレードアップの条件と、その賞品は?」
またしてもドラムの音が鳴り響き、今度は銀の布がかけられていた。
さらにスポットライトの灯りが眩しく映えていた。
「コレガ、ダイニノコース、ミスリルノマホウヨロイ。
マホウコウゲキヲ50パーセント、ハネカエス。
ブツリコウゲキモ、オリハルコンニヨル、コウゲキニサエタエル、キョウカバンナノダ。
タダシ、コノシレンニオイテ、ブキノシヨウハ、イッサイゲンキンダ。
ココマデガ、イノチアッテノモノダネコースヨ」
こいつも対応が手慣れてきたものか、口上にも趣味が入ってきている気がするな。
素手でゴロマキか、コース的には先輩好みだね。
あるいはマロウスかリナあたり?
「ソシテ、サイゴノシレンノショウヒンハ、コレダ!」
今度はドラムが増量の四個での登場で、金色に輝く布が、これでもかというくらいに照らされていた。
俺の仲間達が、全員お座りで楽しそうにそれを見ている。
もう彼らの中では、俺がどのコースに行くかなんて、最初から決まっているのだ。
そして俺自身もその期待を裏切るつもりなど毛頭ない。
「コレコソハ、ゲンザイノテモチノナカデ、サイコウノボウグ。
オリハルコンノ、マホウヨロイ」
へえ、『防具の中で』か。
それならあと最低でも、もう一回くらいはここへ来なくちゃなあ。
「ソシテ、コレコソハ、マホウボウギョ100パーセントニシテ、ソノマリョクヲキュウシュウシ、ボウギョリョクヲ、ゾウキョウスル。
サラニ、ブツリボウギョハサイコウニシテ、ショウゲキモキュウシュウシテ、ボウギョヲアゲテクレル」
おう、こいつはまたサービス満点だな。
「ソノウエ、ジドウシュウフクシ、カラダノカイフクキノウモアリ。
シュウノウキノウデコンパクトニシテ、ピンチノサイニハ、ジドウテンカイマデスル、キノウツキダ。
オマケニ、ホカノヨロイモゼンブツケテ、イマナラマトメテイタダケル、ダイチャンス。
サア、オクサンヤスイヨ」
なんだか、露天市場の叩き売りの口上みたいになってきたな。
でも確かに凄いサービスだな。
これは明らかに盟主様が、勇者とは名ばかりのこの俺に邪神と対決させようとしているとしか思えん。
聖女から見て勇者とは何か。
それは【絶対に倒せない邪神を封印する時間を稼ぐための肉壁】に他ならない。
この盟主、なんという鬼畜だ。
だんだん、こいつの正体がわかってきたような気がするのは俺だけだろうか。
「そんな物は貰いに行くのに決まっておろうがあ」
ここでこの鎧を貰っておかないと、今の装備のまま邪神と対決とか十分にありえるのだ。
いくらなんでも、そんなの嫌すぎるだろうが~。
「ヨクゾイッタ。
ウワノセノジョウケンハコウダ。
ブキハモタズ、スデデワレサンニンマエヲ、ミゴトニタオシテミセヨ」
0
あなたにおすすめの小説
勤続5年。1日15時間勤務。業務内容:戦闘ログ解析の俺。気づけばダンジョン配信界のスターになってました
厳座励主(ごんざれす)
ファンタジー
ダンジョン出現から六年。攻略をライブ配信し投げ銭を稼ぐストリーマーは、いまや新時代のヒーローだ。その舞台裏、ひたすらモンスターの戦闘映像を解析する男が一人。百万件を超える戦闘ログを叩き込んだ頭脳は、彼が偶然カメラを握った瞬間に覚醒する。
敵の挙動を完全に読み切る彼の視点は、まさに戦場の未来を映す神の映像。
配信は熱狂の渦に包まれ、世界のトップストリーマーから専属オファーが殺到する。
常人離れした読みを手にした無名の裏方は、再びダンジョンへ舞い戻る。
誰も死なせないために。
そして、封じた過去の記憶と向き合うために。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる