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馬車から降り立つと、すぐさま御者が手を差し出してきた。以前乗ったときよりは、なれました。通された場所は、女官長のお部屋でした。預かったとは言え、女性を客人として預かることが出来ない。なので、メイドさんとして働くことになりました。クラフトは、厩舎で動物のお世話をするみたいです。そっちが良いです。・・・早速、部屋に案内されました。働く時間は、朝早くと夜遅くの2交代で、休憩と夜勤も全て交代で行われます。
リーンハルト様には、敬意を持って接するように話されました。全て、はいで答えるようにと、言われました。理不尽です。服は 持って来させますから、それまでは部屋を片付けて置くよう言い付かりました。

この部屋汚いのですが、多分私が来ると聞いて慌てて部屋を作ったみたいだ。

「クラフト?あんな感じなの?貴族に仕えるって?」聞くと。ため息をはかれた。

「ネイドは、貴族で気さくニャ。でも、王族の血を引いてる、リーンハルト様 テオバルト様には、口の利き方に気をつけるニャ。今までは、許して貰っていたが、これからは前と同じでは駄目ニャ。仕えるんだからニャ。王族に不敬を働いたら即刻、死ニャ」「ええーー。そんなことで?」

「スズネは知らないだろうから話すニャ。貴族は 身分を大事にするニャ。今スズネは、テオバルト様の番かも知れないだけニャ。平民の扱いニャ。この屋敷で一番低い身分ニャよ。気をつけるニャ。分かったら。部屋をかたづけるニャ」了解です。部屋を綺麗になるイメージで、家庭 家事魔法を使う。あっという間に、ピカピカよ。

クラフトが、口をあんぐり開けている?「スズネ。凄いニャ。こんな魔法見たことないニャ。メイドになれるニャ」ふふふ。うれしくって笑顔になる。クラフトがいてくれて、ホッとしたな。異世界、今まではいい人に恵まれてたんだな。納得です。クラフトを ギュッと抱きしめる。クラフトが焦っているが、かまわず抱きしめる。

「クラフトが、大好きだよ」・・・・すると、バキと音が鳴ったので、その方向を見てみると、リーンハルト様がドアを壊していた。クラフトを見てみると、固まっていた。何だ、ドア壊して良いのか?「リーンハルト様?お世話になります」とクラフトを抱きしめたまま挨拶をする。

リーンハルト様と執事に連れられて、リーンハルト様の執務室に移動することになった。クラフトは(命が危ないニャ。禿げの方が・・・)とブツブツ話している?私は、鞄を持っていく。執務室に通され、執事と女官長がいた。
「執事のマルクです。」「メイド長のモニカと申します。」と挨拶されたので。「スズネ・トウドウと申します」と挨拶する。
大きい机をはさみ目の前に、リーンハルト様 横に執事。3人の目が一斉に注がれる、圧迫面接です。

「スズネ様。当屋敷では、あなた様を客人としては扱えません。ご理解いただきます。」うなずく。

「貴方には、メイドの心得を学んでいただきます。よろしいですね。」「はい。畏まりました。」とお辞儀をする。
クラフトもお辞儀をしている。
「部屋に案内さします。良いですね。」「畏まりました。」背筋を伸ばし返事をする。部屋を退出するよう、言われているが、今話さないともう話す機会が無いだろう。「発言よろしいでしょうか?」と聞いてから発言させていただく許可を取る。恐ろしいくらい3人とも顔色 読めないな・・・・

リーンハルト様がうなずかれたので。「リーンハルト様。商品が出来上がりましたが、確認はいつ頃されますでしょうか?」すると、目で合図したのか、お辞儀をしメイド長は部屋を退出していった。
リーンハルト様が立ち上がり、ソファに移動し座るように話された。
執事が目の前に来て、受け取る姿勢をされたので、そのまま執事に渡し着席する。人形は、作っていた私が手放したくないほどに、凝った一品に仕上げました。目の色は緑なので、髪は青緑のグラデーションになっている。下に行くほど濃い青緑になって変化をつけている。試作品より時間がかかったし、より良いできあがりになっている。特に髪のグラデーションは、時間がかかった。これも 染めたのも私なのですが、糸の染め粉買ってきて置いて良かったです。

裁縫 本当に楽しかったので、この国を出たら田舎に家を買い。裁縫で生計立てたいな・・・・・物思いにふけっていると、3人とも息をのんでいる。

「驚いた。此所までの仕上がりとは・・前の人形は、黒一色だったのに。」
「あれは、私に似せて、作りましたので、黒一色にしました。この人形は、良い材料がありましたから、ここまで出来上がりました。後 気に入らない所は、ございませんか?今ならまだ手直ししても、お時間がありますので、大丈夫だと思います。」
「いや。十分な出来だ。箱もすぐに用意させよう。」執事がうなずいている。

「リーンハルト様遅くなりましたが、糸と布のお礼です。こちらもどうぞ?」ドラゴンの編みぐるみを出す。手のひらサイズだが、銀と赤が混じってる。これには、リーンハルト様と執事も驚きの声が出た。
「これは 俺か?」「以前。テオバルト様のドラゴン姿を拝見いたしましたので、それでお礼に作ってみたのですが?気分を害されましたら、申し訳ありません。」いらないなら返して、作っていくうちに、プレゼントには惜しい品です。

「いや。ありがとう。うれしい贈り物だ」ちょっと残念です。
「あの?テオバルト様にもお渡しいただけますか?」もう一体のドラゴンも出す。
「これもまた、凄い一品ですな」と執事が感心してる。「あの、このぬいぐるみは、まだ内緒でお願いいたします。ヴィア様の誕生日後に発表されますので、申し訳ありません」執事がうなずき「心得ております」とお辞儀をしてくれた。


部屋がノックされ、メイド長が現れた、私の部屋の用意が出来たので、案内役をしてくださるそうだ。リーンハルト様にお礼を言い、その場から退出する。






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