異世界ボタンのその先に・・・・・

アンドーナツ

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畑の作物を作りながら、何とか1年2年と過ごしました。

畑の作物もリピーターが、増え。「ここの野菜は、甘いからね。」と結構な量を買って行ってくれる人達が増えました。とてもうれしい事で、私もやっとこの町にも慣れてきました。もうすぐ、パメラさんが買いに来てくれる時間です。果物と野菜を、少し横に置いておきます。慌ててパメラさんが、買いに来ます。パメラさんに番が、できました。その番さんが、ここの野菜を気にいってくれてパメラさんも常連さんなのです。

「かぼちゃ残ってますか?」と聞かれ笑ってしまいます。「慌てて来ないで、大丈夫です。残してます。転んだら危ないですよ。」と、注意します。パメラさんは、笑いますが、心配です。「もうすぐ 大会から。ゼストさんが、帰って来ますね。」と話すと、「帰ってきたら、美味しい物を食べて欲しいので、ここは1週間に1回しか開かないので・・」と残念そうに話された。「そう言う話ならば、お届けしますよ。」パメラさんが、「今でも、私の為に取り置きしていただいてるのに、これ以上は迷惑かけれません。」と笑顔で断られた。手を振って帰って行かれた。すると、「三日後帰ったら。お祝いパーティするから、皆1品持ちよりだよ。」とサラさんに話される。うなずいておく。三日後の ゼストさんが、帰って来たらパーティだ。ドワーフで この町から、大会に選ばれるのは、なん千年ぶりらしく。皆お祭り騒ぎだ。

三日後、ゼストさんの凱旋祭りだ。大会では、結構な人数の中で真ん中の成績だったらしい。皆さんゼストさんの肩をばんばん叩いている。 

良くやった。町の誇りだ。とかで、女性陣は、パメラさんにお疲れ様と話し合っている。
宴もたけなわになってきたときに、優勝者の話しから褒美の話になった。

ゼストさんが、「優勝者の戦いが凄かった。リーンハルト様なのだが、最初の威圧で圧倒された。儂なんか動けんかったわ。だが相手も凄い威圧で応戦しての、剣と魔法でその後は、間合いを取るのにお互いせめぎ合いじゃ。そして最初にリーンハルト様の懐に入ったと思ったら、剣ではじかれてな。後は剣と魔法での攻防だ。だが、リーンハルト様の、模擬剣が折れてしまっての、そしたら拳の殴り合いじゃ。結局は二人同時に拳が決まった。だが拳を耐えたのがリーンハルト様じゃ。そこで優勝じゃ。あれは見た者じゃないと、わからんわ。」とうなずいていた。


(リーンハルト様。優勝したんだ。今 幸せ?だよね)と少し寂しくなる。ぼんやりそのお話を聞いていると、町の者達が「「「褒美は何じゃった?優勝者は 王に願いを叶えて貰えるのだろう。」」」皆さん目がきらきら輝いて見える。
「褒美か。そうじゃな。褒美は我ら参加者や会場の者にも、願っておったよ。」皆驚いた顔をしている。
そこにサラさんが「リーンハルト様は強欲じゃな。手には、はいらん物は無いはずなのにの・・・」と首を振ってた。

ゼストさんが話す「リーンハルト様の褒美はな伝言じゃ。我が番 スズネ。我は其方が帰ってくるのを、ドラッヘンで心から待っている。リーンハルト・バッシュ・テムコ・ボルトじゃ。それは 優雅な礼であり。真意な願いじゃったわ。馬鹿な奴と思うじゃろうが、番を奪われ身が引き裂かれる思いじゃろう。この2年 血反吐も吐いたのだろうな。それでも副官として 全ての政務をこなしておったそうじゃ。腐ることも無く 狂うこともなくじゃ・・・・儂ならと考えるわ。この伝言は、皆にも伝えて欲しい。かの方の番の方に どこかで届くようにとな。その願いが褒美じゃ。」皆が息をのんだ・・それほど番がいなくなるのが、つらいのが分かるのだろう。

私はその場を立っていられなくなった。目の前が真っ暗になり、気がつくと泣いていた。(だって、番は?あの番の方は?絆を結んでると、話していた。私が邪魔していた。なぜ?私が番なの、だって横から・・・)とどうして良いか分からなかった。

サラさんがその様子に気がついて 会場の外に私を連れ出した。「アンタが。訳ありなのは分かっていたよ。聞いても良いかね」と背中をさすりながら、優しく諭された。
「話しが長くなりますが、それでも良いですか?」優しくうなずかれた。私の本当の名前を話し。テオバルト様のこと、それを守るための嘘の番申し込みだったこと、風の魔法で周りを傷つけてしまったことなど・・・絆など私には無いことも、全て話した。

それを聞きサラさんがため息をはかれた「あんたの話は分かったよ。でどうするんだい。また逃げるのかい?竜人族嫌ほとんどの獣人にとって、番がいないのは狂ってしまうほどつらいのさ。それを2年あんたの帰りを、ただ待ってくれてるんだ。逃げずに、向かい合ってごらんさ。優勝して各国に番に逃げられた。レッテルを貼られても、あんたに帰ってきて欲しいのさ。なら、若返ったくらい何てこと無いさ。」と話され、両肩を叩かれた。

うなずき少しの間考えさせて貰う。冒険者ギルドでも、上位ランクに私の捜索を依頼してたそうだ。依頼名は ダドさんネイドさんだったが・・・・リーンハルト様は、ずっと待っててくれるつもりだったんだろうか?
サラさんには、考えすぎても良い案が浮かばないからね。と念押しされた。ただ好きか嫌いか。会いたいか、会いたくないか、で考えなと、教えて貰った。

私は・・・貴方に会いたい。貴方が好き。ただただ、簡単な事だった。サラさんに頭を下げて、その場を後にする。明日 畑の管理をしてくれる方と、ここに私がいることを伝えて貰う。そして、その手配を終えたら、りんとクラフトに謝罪し 彼にも会いにドラッヘンに向かおう。

逃げないで貴方に聞きに行こう、あの後何があったのか・・












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