異世界ボタンのその先に・・・・・

アンドーナツ

文字の大きさ
84 / 96

83

しおりを挟む
ーーーーーテオバルトーーーリーンハルトーーー

隣の部屋に移ると、メイド達がすでにお茶の用意をしていた。

老医師が「リーンハルト様。蜜月をお邪魔してしまい申し訳ありません。」とお辞儀をしてきた。

ソファに座り、老医師に座るように托し「嫌みか?スズネは、どうしてあんなに熱が出る?」と聞く。

すると医師が、顎のひげに手を伸ばし考えるそぶりを見せてくる。
「番様は、サリューでしたな。寿命合わせや体の作り替えに、サリューの弱者故の・・・・体力がついてこなかったのでしょう。それに魔力も早急に、強者と言われるお二人の魔力が体に入り、耐えられなかった。そして、何よりも、お二人の体力に、弱者がついてこられなかったのも、一つの原因かと思いますが?」と茶を飲み睨まれる。

息をのむ、早急に事を進めたのは、テオバルトが入ってきたのもある。スズネの体力が無いのも分かっていたが、俺たちに無理矢理ついてこさせようとしたのも・・・・早急すぎたのか。一刻も早くと思ったのが、仇になった。ため息をつき、目の前の男に「熱はいつまで出る?番にどうしたら良い?教えて貰えないだろうか?」と頭を下げる。

医師は面白そうな物を見たように、目を見開き「ホホホ。長年待った。至宝は違いますな。あの、リーンハルト様が、私に頭を下げるとは。ホホホホ」と目を細めてきた。

この腹黒医師め。テオバルトもなぜこの医者を呼んだ?目の前の医師に、優雅に微笑む。これ以上の無駄話は聞きたくない。「申し訳ないが、早く番の元に戻りたいのだが?」と笑顔で聞く。

医師は、その光景を楽しそうに、受け流す。「ホホホ。番の事ですと、リーンハルト様も形無しですな?熱は薬が効き始めると、下がります。お二人が、濃い魔力を譲渡なさったので。お二人の魔力が、番様の体内で反発してるのでしょう?ならば番様にその魔力を体内で循環させてあげると良い。良いですか?ゆっくり、循環をして差し上げるのですぞ。幼き頃の魔力循環ですぞ。間違っても、内に注ぎ込んではいけません?後はゆっくり、休ませるのですぞ。また、後日番様が起きられましたら、来ます。それまでは、よいですな。」と話し、部屋から出て行く。

部屋から出て行く医師を見送り、スズネのいる部屋に移動する。

部屋に入り寝室に顔を出すと、熱で魘されていた時とは違い、少しずつ呼吸が落ち着いてきている。

薬のおかげか?スズネの頬に手を触れ、横にいる、テオバルトに目配せをする。

テオバルトが、ゆっくりスズネの横から名残惜しげに、起き上がる。

隣の部屋に行き、医師の言葉をテオバルトに伝える。
目を閉じて聞いているテオバルトが「魔力循環か・・・・・」と自分の手を見つめる。

「かなり、慎重さが必要になるな。」溜息がでる。

魔力循環は、魔力の初歩だ。体に魔力を巡らせ、魔法を使うためにも必要な循環だ。

いずれ番を迎えたときに必要、子に魔力を与える為の魔力譲渡をし、番の魔力と合わせ循環させる。

俺もテオバルトも、魔力循環と譲渡は数える程しかしたことがない。子供の頃から、自分で当たり前のように出来た循環を、まさか番が弱者とも思わず・・必要性が無いと、思っていた。強者同士ならば、痛みがあっても耐えられる。

それに、俺の魔力に近いのは、幼き頃身近にいた、テオバルトぐらいだったのもある。

相性が悪いと魔力循環は、反発力が働き弱者に痛みが伴う。昔 訓練でテオバルトと循環した時は、俺に激痛が走った。それが屈辱で、魔力を必死に上げたがな。

その後は、テオバルトに激痛が走っていたな。それでお互い、循環も譲渡も止めたんだった。


少し考えて、スズネに近づく。手を握りゆっくり慎重に、眠ってるスズネの為、俺達とスズネの魔力をスズネの体内で循環させる。

スズネから、俺にゆっくり慎重に魔力をもらい受ける。

すると、流れがある場所に、集まる。

その場所に驚き、口角が上がる。テオバルトも気がついたみたいだ。

テオバルトが「蜜月終了だ。すぐに、全ての手配をしないとな?」と笑みがこぼれた。


「ああ。それに、魔力循環は番とは、こんなに安心でき心地よい。」ともう片方の手で、スズネの頬を撫でる。

少しずつ、ゆっくり循環させると、スズネも眠りながらゆっくり体の魔力を巡らせ始めた。スズネの体内で、3人の魔力が合わさる。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーレムです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

オマケなのに溺愛されてます

浅葱
恋愛
聖女召喚に巻き込まれ、異世界トリップしてしまった平凡OLが 異世界にて一目惚れされたり、溺愛されるお話

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。

木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。 なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。 普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。 それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。 そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

蝋梅
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

転生先のご飯がディストピア飯だった件〜逆ハーレムはいらないから美味しいご飯ください

木野葛
恋愛
食事のあまりの不味さに前世を思い出した私。 水洗トイレにシステムキッチン。テレビもラジオもスマホある日本。異世界転生じゃなかったわ。 と、思っていたらなんか可笑しいぞ? なんか視線の先には、男性ばかり。 そう、ここは男女比8:2の滅び間近な世界だったのです。 人口減少によって様々なことが効率化された世界。その一環による食事の効率化。 料理とは非効率的な家事であり、非効率的な栄養摂取方法になっていた…。 お、美味しいご飯が食べたい…! え、そんなことより、恋でもして子ども産め? うるせぇ!そんなことより美味しいご飯だ!!!

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

処理中です...