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第3章 モルモット村
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川を越え、さらに山道を抜けた先に、やがて小さな集落が見えてきた。
木の柵に囲まれた穏やかな村。煙突からは白い煙がのぼり、石畳の道をモルモットたちが行き交っている。
「……ここが、モルモット村か」
ポンが立ち止まり、目を細めた。
マメの顔には安堵が浮かんでいる。
「すごい……!灯りが、あったかい……」
村の入り口で、二匹のモルモットが出迎えた。
丸々とした体に愛嬌のある顔。兄のちょこたと、弟のゆきみだった。
「おや、旅人さん?この辺りは道も険しいのに、よく来たね!」
「疲れてるだろう?宿なら僕らの民宿が空いてるよ」
二匹は人懐っこく笑い、三匹を宿へと案内した。宿に着くとそこの看板娘のこむぎが暖かく迎えてくれた。
「ゆっくり身体を休めてくつろいでいってください!」
中は木の温もりに包まれた空間で、柔らかな藁の寝床と温かい湯気の立つ食事が用意されていた。
「こんなに……久しぶりだ……」
マメは湯気を見ただけで、涙がこぼれそうになった。
ポンは静かに箸を取り、ミクは微笑んで「いただきます」と口にした。
その夜、三匹は久々に心からの休息を得た。
ちょこたとゆきみの優しい声、村人たちの穏やかな笑顔。
嵐のような旅路の中で、一時だけ訪れた安らぎの時間だった。
……だが
ポンたちは偶然、衝撃の光景を目撃することになる。
翌朝、マメはちょこたとゆきみの宿を出て、ポンとミクとともに村の外れを歩いていた。
陽の光を浴びて、麦畑が揺れ、子供たちの笑い声が遠くに響く。
平和そのものの光景――のはずだった。
「……兄ちゃん」
ミクの声が低くなる。
ポンはすぐに気づき、歩みを止めた。
林の陰に、二つの影が立っていた。
一方は耳の長い兎――かつての宿敵の一族の残党。
もう一方は、黒く細長い体をした獣。鋭い目を光らせたイタチ。
「間違いないな……」
ポンの声に、マメは息を呑む。
「どうして……イタチ一族なんかと……」
兎は周囲を警戒しながら、小声でイタチに語りかけていた。
「奴らの動きはどうだ」
「谷を出た。あの三匹……すぐに見つかるさ」
「ならば、計画通りだ。村も……」
そこまで聞いたところで、ポンはマメの口を押さえ、静かに合図を送った。
「今は動くな。気づかれるな」
冷たい風が林を揺らす。
その音に紛れて、残党たちはさらに奥へと消えていった。
三匹はしばらく息を殺し、影が見えなくなってからようやく顔を見合わせた。
マメの瞳には恐怖と混じって、怒りの光が宿っていた。
「……あいつら、村を狙ってる……!」
ポンは頷き、拳を握った。
「ここでの休息は終わりだ。――本当の戦いが始まる」
木の柵に囲まれた穏やかな村。煙突からは白い煙がのぼり、石畳の道をモルモットたちが行き交っている。
「……ここが、モルモット村か」
ポンが立ち止まり、目を細めた。
マメの顔には安堵が浮かんでいる。
「すごい……!灯りが、あったかい……」
村の入り口で、二匹のモルモットが出迎えた。
丸々とした体に愛嬌のある顔。兄のちょこたと、弟のゆきみだった。
「おや、旅人さん?この辺りは道も険しいのに、よく来たね!」
「疲れてるだろう?宿なら僕らの民宿が空いてるよ」
二匹は人懐っこく笑い、三匹を宿へと案内した。宿に着くとそこの看板娘のこむぎが暖かく迎えてくれた。
「ゆっくり身体を休めてくつろいでいってください!」
中は木の温もりに包まれた空間で、柔らかな藁の寝床と温かい湯気の立つ食事が用意されていた。
「こんなに……久しぶりだ……」
マメは湯気を見ただけで、涙がこぼれそうになった。
ポンは静かに箸を取り、ミクは微笑んで「いただきます」と口にした。
その夜、三匹は久々に心からの休息を得た。
ちょこたとゆきみの優しい声、村人たちの穏やかな笑顔。
嵐のような旅路の中で、一時だけ訪れた安らぎの時間だった。
……だが
ポンたちは偶然、衝撃の光景を目撃することになる。
翌朝、マメはちょこたとゆきみの宿を出て、ポンとミクとともに村の外れを歩いていた。
陽の光を浴びて、麦畑が揺れ、子供たちの笑い声が遠くに響く。
平和そのものの光景――のはずだった。
「……兄ちゃん」
ミクの声が低くなる。
ポンはすぐに気づき、歩みを止めた。
林の陰に、二つの影が立っていた。
一方は耳の長い兎――かつての宿敵の一族の残党。
もう一方は、黒く細長い体をした獣。鋭い目を光らせたイタチ。
「間違いないな……」
ポンの声に、マメは息を呑む。
「どうして……イタチ一族なんかと……」
兎は周囲を警戒しながら、小声でイタチに語りかけていた。
「奴らの動きはどうだ」
「谷を出た。あの三匹……すぐに見つかるさ」
「ならば、計画通りだ。村も……」
そこまで聞いたところで、ポンはマメの口を押さえ、静かに合図を送った。
「今は動くな。気づかれるな」
冷たい風が林を揺らす。
その音に紛れて、残党たちはさらに奥へと消えていった。
三匹はしばらく息を殺し、影が見えなくなってからようやく顔を見合わせた。
マメの瞳には恐怖と混じって、怒りの光が宿っていた。
「……あいつら、村を狙ってる……!」
ポンは頷き、拳を握った。
「ここでの休息は終わりだ。――本当の戦いが始まる」
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(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
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