双甲伝2-SOUKOUDEN2-
甲羅谷には、久しぶりに静かな朝が訪れていた。
風に揺れる草の匂い、光を反射して輝く水面――あの日の戦いの痕跡は、谷のあちこちにまだ残っていたが、兄弟の目には、確かに平穏が戻ったかのように映った。
ポンは深呼吸をひとつ、硬くなった肩をほぐす。
「……こんな日が、ずっと続けばいいのに」
弟のミクは、兄の背中をそっと見つめながらも、目にわずかな影を宿す。
過ぎ去った日々の傷は、まだ完全には癒えていなかった。
そんな谷に、遠い村からの足音が近づいていた。
小さな甲羅に、まだ幼さの残るカメ――マメ。
彼の目は不安と期待で揺れていた。
「お願い…助けてください」
その声は、兄弟の心に、新たな戦いの予感を告げる鐘となった。
谷の奥深くで、再び物語が動き始める――
双甲伝の新たな章が、今、幕を開ける。
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ポンは深呼吸をひとつ、硬くなった肩をほぐす。
「……こんな日が、ずっと続けばいいのに」
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