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第八章「斬月の誓い、そして出会い」
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瓦礫の奥、静寂が満ちていた。
重く崩れた岩の隙間に、かすかに光る甲羅。その主の名はポン。
大槌に吹き飛ばされ、仲間たちと引き離され――そして今、動かない。
「ポン……ポン……っ!」
ユエの声が、幾度も名を呼んだ。ミクは歯を食いしばりながら、その場に立ち尽くしていた。
瓦礫を動かそうとするも、手が震えて動かない。
「ミク、時間がない。奴らが戻ってくる」
ユエの言葉に、ミクは拳を握る。
「兄ちゃんを置いて……行けって言うのかよ!」
そのとき、岩の影から――
カツン……カツン……と、足音が響いた。
「……その判断を下すのは、早すぎるぜ」
灰を踏みしめて現れたのは、一人の獣――カメのようで、カメではない。
その甲羅は片側が割れており、そこに――月の紋が刻まれていた。
「……誰だ……?」
ミクが甲羅を構える。
「“斬月(ざんげつ)”と呼ばれていた者さ。昔は、な」
その眼差しは鋭くも、どこか懐かしい香りを漂わせていた。
「……あんたも、“甲羅の剣術”を?」
斬月は、ポンの甲羅に目を落とした。
「――あの型は、“父の型”だ。そうか、お前たちが……」
月の光が差し込む。斬月の瞳の奥に、かつての仲間の影が揺れた。
「この子を預かろう。まだ、終わっていない」
そして、斬月はそっとポンの身体に手を添え、呼吸を確かめた。
「生きてる。だが――“刃”の誓いが、試されるぞ」
ミクの拳がふるえ、ユエは言葉を呑んだ。
「“甲羅を剣に変える”には、何かを失わなければならない……
お前たちは、それを覚悟できているか?」
静かな問いかけだった。
ミクはポンの甲羅に触れ、血の滲んだ掌を見下ろす。
「失いたくなんてない。でも――
何も守れないなら、俺たちの“甲羅”に意味はない!」
斬月は笑った。わずかに、寂しげに。
「その言葉、あいつにそっくりだ。……」
月が、雲間からこぼれた。
ポンの甲羅が、再び光を帯びはじめる。
「……兄ちゃん……!」
かすかに動く指。
生きている。
兄はまだ――刃を握っている
重く崩れた岩の隙間に、かすかに光る甲羅。その主の名はポン。
大槌に吹き飛ばされ、仲間たちと引き離され――そして今、動かない。
「ポン……ポン……っ!」
ユエの声が、幾度も名を呼んだ。ミクは歯を食いしばりながら、その場に立ち尽くしていた。
瓦礫を動かそうとするも、手が震えて動かない。
「ミク、時間がない。奴らが戻ってくる」
ユエの言葉に、ミクは拳を握る。
「兄ちゃんを置いて……行けって言うのかよ!」
そのとき、岩の影から――
カツン……カツン……と、足音が響いた。
「……その判断を下すのは、早すぎるぜ」
灰を踏みしめて現れたのは、一人の獣――カメのようで、カメではない。
その甲羅は片側が割れており、そこに――月の紋が刻まれていた。
「……誰だ……?」
ミクが甲羅を構える。
「“斬月(ざんげつ)”と呼ばれていた者さ。昔は、な」
その眼差しは鋭くも、どこか懐かしい香りを漂わせていた。
「……あんたも、“甲羅の剣術”を?」
斬月は、ポンの甲羅に目を落とした。
「――あの型は、“父の型”だ。そうか、お前たちが……」
月の光が差し込む。斬月の瞳の奥に、かつての仲間の影が揺れた。
「この子を預かろう。まだ、終わっていない」
そして、斬月はそっとポンの身体に手を添え、呼吸を確かめた。
「生きてる。だが――“刃”の誓いが、試されるぞ」
ミクの拳がふるえ、ユエは言葉を呑んだ。
「“甲羅を剣に変える”には、何かを失わなければならない……
お前たちは、それを覚悟できているか?」
静かな問いかけだった。
ミクはポンの甲羅に触れ、血の滲んだ掌を見下ろす。
「失いたくなんてない。でも――
何も守れないなら、俺たちの“甲羅”に意味はない!」
斬月は笑った。わずかに、寂しげに。
「その言葉、あいつにそっくりだ。……」
月が、雲間からこぼれた。
ポンの甲羅が、再び光を帯びはじめる。
「……兄ちゃん……!」
かすかに動く指。
生きている。
兄はまだ――刃を握っている
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