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ハナツオモイの章
5.神の力
しおりを挟む蓮也・ヘティス一行は竜狩りのパーティと出会い、助成することとなった。
ヘティスは囮役としてミッションを遂行することとなってしまった。
蓮也の指令通り、ヘティスは恐る恐る、ポイズンドラゴンの右翼方向に回り込もうとする。ポインズンドラゴンはヘティスに気づき、接近しようとする。
ヘパイトス
「有害物質を感知しました。危険です」
ヘティス
「知ってるわよ、そんなの!」
蓮也
「ヘティス、そこで停止せよ!身を低くして防御態勢をとれ!目を閉じ、息を止めよ!」
ヘティス
(言われなくても、もうしているわよ!ガスマスクもしてるし!それに、こっちはか弱い乙女よ!怖くて何もできないんだから!もー、どうなっても知らない!)
蓮也
「さて、このドラゴンはレベルが高い。俺も本気でやらないといけないな」
蓮也は目を閉じ、息をゆっくりと吐くとともに瞑想状態に入る。
そして、蓮也の額のアジュナーチャクラが輝き、身体から青白く輝くオーラが螺旋状に立ち上がる。
蓮也
「潜在運動系・・・解放!」
「クンダリニー・・・覚醒!!」
装着していた鎧が一瞬で外れ、内側に眠っていた潜在性エネルギーが解放される。
蓮也
「オーム・ウィンド・スヴァーハー・・・」
蓮也が目を開けた瞬間、どこからともなく光の風が吹き、その風に乗って舞い上がる。
そして、ポイズンドラゴンの頸部の高さまで蓮也は跳躍する。
「伊耶那岐神伝流奥義・・・」
「光華乱舞!!」
蓮也からオーラが更に解放され、剣を片手にて素早く水平に三回連続で薙ぎ払う。
薙ぎ払った風圧と放ったオーラが融合し、光を放ち、爆音を立てながら超音速で衝撃波が放たれる。
その衝撃波の二つはポイズンドラゴンの頸部の左右を削り、最後の衝撃波が、その頸部の真ん中を捉え、一瞬で真っ二つにした。
轟音でびっくりしたヘティスは思わず目を開けると、オーラを放つ蓮也と、真っ二つに倒れているドラゴンを見て、更に驚いた。
ヘティス
(蓮也が光を放っている・・・!ナニコレ、まるでアニメの世界だわ・・・!)
プロキオン
(ボクたちが全然歯が立たなかったポイズンドラゴンを一瞬で・・・。そして、今までに感じたこともないような強いオーラ・・・)
遠くから指揮をとりつつ見ていたプロキオンも驚愕していた。
蓮也
「一体は撃破した。これより指揮は再び私が取る」
プロキオン
「了解しました!しかし、今のは一体何なのですか?」
蓮也
「これが神の力を引き継ぐ者の力だ」
プロキオン
「神の力・・・」
プロキオンの指揮では、魔法の足止めとプロテクションのタイミングが的確ではないため、ディフェンダーの負担が大きかった。そこを蓮也が指揮を執り修正する。これはプロキオンがファイターのみの経験と能力しかないためでもあった。的確な指揮を執るには、一定レベルのオールマイティな能力と経験が必要なのである。
プロキオン
(凄い、見事な指揮だ・・・。無駄がない。一体、この人は・・・)
防御陣形が整ったところで、いよいよ蓮也自らがアタッカーとして攻撃を開始する。
アイアンドラゴンがディフェンダーに気をとられている隙に、側面から首筋に向かって剣で一撃を浴びせる。
「キーン!!」
物凄い金属音が鳴り響く。
蓮也
「・・・物理攻撃は効かないのか」
「ドラゴンは胴体よりも首の方が細いため弱く、背面の鱗よりも前面の方が弱い。その弱いところにクリティカルヒットしたはずだが」
プロキオン
「どうしましょうか」
蓮也
「まあ、攻撃が通じないが、相手の攻撃も今の陣形で処理できる」
「つまり、勝ちもできないが負けもしない状態だ」
「身体エネルギーと精神エネルギーがまだあるうちに考えればいい」
この時、蓮也は自身の教育係であったウィザードナイト・ゼイソンの言葉を思い出していた。
ゼイソン
「もし硬い敵に出会ったら氷結し、すぐに加熱するのです」
「そうすれば、どのような硬い物質も粉砕することが可能となります」
「これが秘技“紅爐一点雪 (こうろいってんのゆき)”なのです」
蓮也
「爺、俺は氷結魔法は苦手だ。だから、氷結魔法は誰かにやってもらえばいい」
ゼイソン
「まあ、それもよいですのぅ。ほっほっほ」
通常、魔法の属性は一つの習得が精一杯である。しかし、このゼイソンという老魔法剣士はいくつもの魔法を習得しつつ、剣術も一流の腕を持っている。
蓮也
(爺、生きていてくれ)
王国が滅亡し、ゼイソンの所在は不明であるが、王国随一の達人であるから生き残っている可能性もある、そのように蓮也は考えていた。
蓮也
「ヘティス、あのドラゴンの装甲の弱い部分をゴーレムに聞いてくれ」
ヘティス
「ヘパはゴーレムじゃないんだけどなぁ・・・しょーがない、調べてあげるわ!」
「ねぇ、ヘパ」
「あのドラゴンの硬度の低いところを教えて」
ヘパイトス
「了解。画像解析に入ります。しばらくお待ちください・・・」
「解析終了」
「頸椎と胸椎の間の位置の硬度が28%程弱くなっています」
ヘティス
「一応、私もスマートグラスで確認してみるわ」
ヘティスはスマートポシェットからスマートグラスを取り出し装着した。
ヘティス
「非ヒューマンレーティングの危険指数5000ポイント・・・。こんな危険な動物、ネットでも見たことないわ・・・。えーと、硬度が弱い部分や、ちょうどあの溝になっている部分なのね」
ヘティス
「蓮也、硬度の低い部分は、首と胸の間くらいよ。少し溝みたいに見えるんだけど、多分、あそこなんだと思うの」
蓮也
「わかった、そのようにしよう」
「引き続き、ディフェンダーは防御に徹しつつ誘引せよ。プリーストはプロテクションを継続。削られたらヒーリングに切り替え、その時にプロキオンはサブディフェンダーに回って、メインディフェンダーをサポートせよ」
プロキオン
「なるほど、了解です!」
蓮也
「メイジは冷気魔法を首と胸の間の溝に集中させよ」
ミラク
「わかったぴょんw」
蓮也
「冷気で低温状態にし、火炎魔法で急激に高温にし、鉄の鱗が脆くなったところを物理攻撃を加えればよいと思われる」
ミラク
「あの~、私ですね、冷気魔法しかできないのっ。火炎魔法は無理・・・^^;」
蓮也
「俺が、その火炎魔法で攻撃する」
ミラク
「お兄さん、さっき風魔法も使っていたし、指揮官もアタッカーも出来るし、一体何者なの~?^^;;」
蓮也
「神の力を受け継ぐものだ」
ミラク
「神~?え~っ^^;;;」
ミラクがアイアンドラゴンの頸部と胸部の境目の溝に冷気魔法を集中させる。
蓮也は精神エネルギーを剣に集中させる。
蓮也
「エンチャント、ファイヤー」
剣に真紅の炎が立ち昇る。
「風よ、吹き抜けよ。炎よ、迸れ!」
風魔法により、炎は更に激しく燃え上がる。
そして、蓮也は再び、その風に乗って舞い上がる。
蓮也
「秘技・紅爐一点雪 (こうろいってんのゆき)!!」
炎で燃え盛る高温の剣が、アイアンドラゴンの首と胸の溝に接触した瞬間。
「ジュッ!!!」
水が蒸発する音がし、大量の水蒸気が立ち昇る。
「バリバリバリ!!!」
ドラゴンの装甲に亀裂が入る。そして、更に剣から炎が迸る。
爆音とともに、ドラゴンの一部は粉々になり、巨大なドラゴンの胴体は地面に倒れた。
プロキオン
(こ、この人、本当にジャイアント級ドラゴンを倒した・・・)
「やった!!」
「ありがとうございます」
「す、すみません、お名前を伺っておらず」
蓮也
「私の名は蓮也だ」
プロキオン
「蓮也・・・様。そのお名前はロータジアの・・・。あの伝説の傭兵・スサノオと一騎討ちをして唯一互角に戦ったと言われる・・・!」
蓮也
「もう、ロータジアはこの世に存在しない」
プロキオン
「・・・風の噂で聞いております」
蓮也
「さて、片方のドラゴンジュエルだけもらっていく。あとはくれてやる、好きにしろ」
プロキオン
「待ってください!」
蓮也
「なんだ?不服か?」
プロキオン
「そうではございません!」
「・・・私を蓮也様の弟子にしてください!」
蓮也
「弟子だと?」
プロキオン
「その神技を教えてほしいのです!」
蓮也
「弟子など私はとらない」
プロキオン
「それなら私たちのギルドの顧問役になってください」
「みんなどうだ?」
アルカス、スピカ、ミラクは、リーダーのプロキオンがそういうのであればということで同意した。
蓮也
「勝手にしろ、私は先を急ぐ」
プロキオン
「どちらへ?」
蓮也
「フラワリングビレッジだ」
プロキオン
「それなら私たちがご案内します、と言ってもここから一本道なのでご案内するまでもありませんが、少しお礼もしたいですし」
ヘティス
「お礼?お腹すいちゃったー!ねえ、何か食べさせて!」
プロキオン
「はい、もちろん、御馳走させていただきます!」
「あなた方のお陰でクエスト達成の料金も入りますので当然のことです!」
ヘティス
「やったー!蓮也、早くいきましょう!食事、食事よ!」
ブーバ
「食事わん!食事わん!」
キキ
「食事にゃん!食事にゃん!」
ヘティス
「ブーバはさっき食べてたでしょ?運動もしてないしメタボ犬になっちゃうわよ!」
「キキは細いのに、どこに食べ物が入っていくの~?」
ブーバ
「さっきのは夕食わん!晩ご飯は別腹わん!」
ヘティス
「ねぇ・・・、それって別腹って言わないわよ!」
ということで、蓮也・ヘティス一行にプロキオンたちが加わった。
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