幻想神統記ロータジア(ハナツオモイ編)

静風

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ハナツオモイの章

14.深緑のヒーラーと白き祝由師

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蓮也は戦闘能力を取り戻すためにヒーラー・エスメラルダの治療を受けていた。今回は瞑想セッションである。



蓮也
「あの像は?」
エスメラルダ 
「私の師・オオタネコ」
「人呼んで、白き祝由師」
蓮也
「サトゥルヌスを封印した五行英雄の一人、白き祝由師」
「その戦いで身代わりとなって死す」
「そして、その白き祝由師の弟子はただ一人のみと聞くが、貴殿が」
エスメラルダ 
「・・・アンドレア・エスメラルダ」
「深緑のヒーラーと言われておりました」
蓮也
「貴殿の力を以ってしても俺の腕の呪いは解けぬか」
エスメラルダ 
「邪神王レベルの呪いであること、アナタのココロの問題が重なり合い、強固なものとなっておりますので」
「しかし、ここからはアナタがアナタに向き合う時間です。瞑想による自己ヒーリングによって、アナタ自身が癒すのです」
「準備はよろしいでしょうか」
蓮也
「ああ」
エスメラルダ 
「そこにアナタの適するアーサナ(坐法)をお取りなさい」
蓮也
「わかった」

蓮也が瞑想で選んだアーサナはパドマアーサナ(蓮華座)であった。
その蓮也の座る姿は、美しい白蓮のようであった。

エスメラルダ 
「今から召喚瞑想を行います。変性意識に入った後、あなたを末那識レベルにまで導き、そこで我が師・オオタネコを召喚します。そこでセッションを行ってください」

蓮也はエスメラルダの言っていることの全てを理解していないが、首を縦に振った。
エスメラルダは、最初、誘導瞑想によって、蓮也を瞑想状態へと導いていく。

エスメラルダ 
(犯し難い威厳のあるオーラ、これは天が与えた王者の才)
(そして、この雄大なエネルギーセンター)

エスメラルダが手で蓮也のスシュムナーを辿っていくと、各チャクラが共鳴しだす。
そして、アナハタチャクラのところで手が止まる。

エスメラルダ 
(やはり、ハートの部分でエネルギーが大きく止まっているが、少し改善している)
(けど、腕にまでエネルギーが流れておらず、腕のカーズが自己浄化できていない)

エスメラルダはあるエネルギーに気づいた。

エスメラルダ 
(このハートの中の緑の種は何?)
(昨日はこのエネルギーはなかったはず)
(・・・ヘティスのエネルギー)



(彼女の力が彼に影響していたのね・・・)
(このヘティスの植えた緑のハートエネルギーの種がどこまで成長できるかが鍵ね)
(・・・師よ、私に力をお貸しください)
(そして、この者を良き方向へとお導きください)

エスメラルダは召喚魔法を唱えた。

蓮也は深い瞑想の世界へと入って行った。

蓮也
(・・・ここはどこだ)
(全てが真っ暗だ・・・)
(そうか、ここは瞑想の世界)

やがて、遠くから白い光のようなものが見えた。
それが、徐々にこちらへとやってくる。

白い光
「にゃん、にゃん、にゃん、にゃん、ねこ、にゃん、にゃん」
蓮也
「誰だ、お前は」
白い光
「オオタネコにゃん」

そこに現れたのは、猫耳の白いローブを纏った小さな女性、もしくは少女であった。
しかし、顔や手足はやつれており、老婆にも見える。
ブカブカのローブを引きずるように歩いてくる。
不思議なオーラを纏い、年齢は不詳である。

蓮也
「オオタネコ、お前が白き祝由師か」
オオタネコ
「そうにゃ」
「アナタのお名前は何かにゃ?」
蓮也
「此花蓮也だ」
オオタネコ
「どっかでよく似た名前を聞いたことあるにゃ」

伝説の五行英雄の一人であるとは、この姿からは想像もできない、そう蓮也は思った。

オオタネコ
「今、ネコのことを本物かどうか疑ってるにゃん」
蓮也
「まあな」
オオタネコ
「らぽーるができてないにゃん、らぽーる」
蓮也
「なんだそれは?」
オオタネコ
「ネコと仲良くなるにゃん、今から遊ぶにゃん、何して遊ぶかにゃん?」
蓮也
「いや、俺はいい」
オオタネコ
「じゃあ、何するにゃん?にゃんでもいいにゃん、仲良くなるにゃん」
蓮也
「何もしなくていい」
オオタネコ
「にゃ・・・、ノリが悪いにゃ」
「とりま、蓮也にゃんの過去をみるにゃ」

オオタネコが持っている杖から光が発せられ、前方にスクリーンが広がった。
今いる瞑想世界は末那識・個人的無意識であり、個人の記憶の全てが存在している。
それがオオタネコの力で記憶が走馬灯のように流れてくる。
それを見た蓮也は、このトリックスターのような存在が、エスメラルダが召喚した白き祝由師なのだ、とはじめて思った。

蓮也
「で、俺の腕は治るのか?」
オオタネコ
「ネコに任せるにゃん」

こうして蓮也は伝説の五行英雄の一人・白き祝由師のセッションを受けるのであった。

【解説】
※アーサナ:坐法
※パドマアーサナ(蓮華座):結跏趺坐のこと
※末那識:意識の下の層。唯識の第七意識。
※スシュムナー:エネルギーセンターのこと
※アナハタチャクラ:心臓のチャクラ
※カーズ:呪い

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