幻想神統記ロータジア(ハナツオモイ編)

静風

文字の大きさ
36 / 52
発露の章

縁結びとヒーリング

しおりを挟む


ヘティスは究極魔法を求めて過去へタイムスリップし、自分の師匠であるアンドレア・エスメラルダに会う。そして、エスメラルダと一緒に五行英雄の一人・オオタネコに師事した。しかし、来る日も来る日も遊んでばかりであった。そのため、さすがのヘティスも不安になってきた。そんな、ある日。 



オオタネコ
「そろそろ、らぽーるができたにゃ」
ヘティス
「らぽーる?」
オオタネコ
「まあ、ネコとお前たちとの回路みたいなもんにゃ」
「仲良くなることでらぽーるにゃ」



ヘティスは、一見、オオタネコはふざけたキャラに見えるが、やはり何か彼女なりの理論があるのかも、とヘティスは思った。
遊ぶなど、オオタネコと空間を共にすることで、ヘティスたちのチャクラが感応し、引き上げられるのである。ヘティスはエスメラルダのチャクラが強化されているのを見て、自分もなぜかエネルギーレベルが高まっているかもしれないと思った。

遊びをやめたオオタネコは突然、変性意識に入り、神聖語を話し出す。まるで、何かと会話しているかのようだ。

オオタネコ
「出血だいさーびすで、今日はお前たちのニダーナヒーリングをしてやるにゃ!」
ヘティス
「にだーなヒーリング?」
オオタネコ
「因縁レベルのヒーリングにゃ!」

オオタネコは符を常に貼り付け、光を発すると、空間にその人の記憶が映し出される。

ヘティス
「なにしてるんですか、ネコ師匠?」
オオタネコ
「この光の中にアンドレアにゃんの記憶を映し出してるにゃ」
ヘティス
「ふーん、私には全然見えないけど」
オオタネコ
「この現象界ではネコだけにしかみえんにゃ」
ヘティス
「ふーん、よくわかんないわ」

すると、オオタネコはエスメラルダの家族構成などを言い当て、その問題点を指摘したり、アドバイスしたりする。これは一部の患者にもやっているため、その効果は確認済みである。その後、縁が動き出し、根底的な回復を見せるのである。

ヘティス
「ネコ師匠、蒼き魔術師ソーマさんとエスメラルダ・アンドレアさんの因縁はどうなってますか?」
エスメラルダ



「ちょっと、やめてよ、メーティス先生w」
ヘティス
「まあまあ、アンちゃん、恥ずかしがらずにw」
オオタネコ
「にゃにゃーん!」

オオタネコの目が大きくなり、目からエネルギーが光線のように迸る。

オオタネコ
「ネコの千里眼で見たにゃんけど、蒼き魔術師ソーマにゃん・・・スゴいエネルギーレベルだにゃん!」

ちなみに、この時、まだオオタネコと蒼き魔術師は出会っていない。

オオタネコ
「アンドレアにゃんとソーマにゃんは特に縁はにゃいにゃ」
ヘティス
「ご縁があるようにしてください!」
(未来は大丈夫かな・・・けど、ここは何とかしてあげたいし)
オオタネコ
「アンドレアにゃんの気持ちはどうにゃん?」
エスメラルダ 
「・・・ネコ様、お願いします!」
オオタネコ
「どこまでやれるかわからにゃいが、縁結びの法をやってみるにゃ!」
ヘティス
「ネコ師匠、ありがとー!」

オオタネコは二つの符を用いて何やら神聖語を唱え出した。恐らく、一つの符はエスメラルダ、もう一つは蒼き魔術師のものなのであろう。

オオタネコ
「アンドレアにゃんは箱入り娘で育ったにゃん。お父さんがそうしたみたいで、少し引っ込み思案になってるにゃ。その克服ができれば縁は少し改善するにゃん」

エスメラルダはそれを聞いて、その通りだと思った。そして、オオタネコはやはり大陸随一のヒーラーなのだと思った。
そして、更に神聖語を唱え、杖から光を出し、二つの符に向ける。

オオタネコ
「とりま、少しだけ繋いでおいたにゃ。後は自分たちでどうにかするにゃ。これは蒼き魔術師にも何か別の大きな因縁があるから、そこはネコにはなんともできんにゃ」
ヘティス
(よし、やったわ!あとは当人同士の縁の力ね・・・!)

疲れたので寝ると言ってオオタネコは、その場で居眠りをし出した。数分経つと、何事もなかったかのように、すくっと立ち上がり、ヘティスの方へ目を向けた。

オオタネコ
「にゃ、にゃーん!」
「次はヘティスにゃーん」
ヘティス
「はい、お願いします!」
オオタネコ
「ヘティスにゃんの記憶を映し出すにゃーん」
「お母さんの記憶がないにゃん」
「不思議にゃん」
ヘティス
「ママは私が生まれてすぐに死んじゃったの」
オオタネコ
「そうじゃにゃいにゃん。もし、すぐに死んでしまったとしても、胎児の頃や、生まれたばかりの記憶はあるはずにゃ。それがにゃいにゃ。こんなのはじめてにゃ」
ヘティス
(私、試験管ベイビーだったのかな?あまりそういうことパパから聞かなかったし。まあ、いいわ。帰ったら聞こっと)

オオタネコは不思議なことを言い出した。これが後々のヘティスに隠された出生の秘密の関係するのだが、この時は、まだその意味がヘティスにはわからなかった。

オオタネコ
「わからにゃいんだけど、ヘティスにゃんは、子供の頃に記憶喪失になっているか、記憶が消されているか、にゃーん、わからんにゃ」
ヘティス
「ふーん、よくわからないわ」
オオタネコ
「この空白に何かあるにゃん。まあ、ヘティスにゃんが病気でなければ問題にゃいにゃ」
「とりあえず、お札で祝由ヒーリングしとくにゃん」
「不思議な因縁にゃん。お母さんに会える因縁にゃん。こんなもはじめてにゃん。あの世で会うんじゃなく、この世で会うにゃ。けど、お母さんは生きてないにゃ。これは矛盾にゃ・・・」
ヘティス
(つまり、私がタイムマシンでママに会いに行くという因縁が生まれたってことね。そこに何か私の出生の秘密があるのかしら・・・?ママに会えば何かわかるのかしら?)
ヘティスの母親は理夢華と言う。

オオタネコ
「ねこの因縁法は完璧のはずにゃん・・・。けど、矛盾にゃ・・・。こんなのはじめてにゃ」
「自信にゃくにゃってきたにゃん・・・もう店じまいするかにゃ・・・」
ヘティス
「いえ、ちゃんと言ってることは当たってますから大丈夫です・・・^^;」
(これは下手に説明できないわ。未来が変わるかもしれないし、ネコ師匠には悪いけど、謎のままにしておくべきねw)

ヘティスはこの時、何となく帰らなければいけないと感じた。というのは、あまり長くいると、未来に折り込んでない過去をつくり、時空に歪みができる。その場合、少しの歪みで未来が変わるだけでも、元のセーブした位置に帰れない可能性もあるからだ。このオオタネコの戸惑った様子や「矛盾」という言葉に、そうしたサインを感じたのである。ヘティスの個人的な希望としては、蒼き魔術師をこの場で探し出し、エスメラルダが幸せになってほしいと思っていたが、これは大きな歪みを起こす可能性があると考え、断腸の思いで断念した。けど、縁結びができたので、その小さな希望に賭けようとも思った。
そして、ヘティスは、当初の目的であった、オオタネコによる究極魔法の伝授、ここに焦点を絞ることにするのであった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!

花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】 《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》  天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。  キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。  一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。  キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。  辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。  辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。  国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。  リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。 ※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作    

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

処理中です...