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ワーフォル
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大型魔獣、ワーフォルに抱き抱えられている紅音に困惑するビースターのメンバー。
「ど、どうする?ワーフォル、アカネさん放しそうになさそうだし、調査もやらないといけないじゃん」
「確かに・・・。このワーフォルはコチラに対して敵対心を持っていない様子だから、上手く交渉できれば・・・」
「交渉って、どうやって・・・あ」
みんなの視線が私に向けられる。
「・・・・・あ」
いや、向けられているのは、私の肩で固っているシロだった。
その視線にある事に気がついた。
「し、シロ、シロ!」
「チ、チチ!チチチ『は!すみません。少し気が遠のいていました』」
「大丈夫。シロ、ワーフォルの説得を頼めない?」
「チ?『説得ですか?』」
「うん。シロならワーフォルと話せると思う。シロがワーフォルの言葉を聞いて、私がみんなにそれを通訳して話すから。お願い」
「チチチ『了解しました』」
そう言ってシロは私の肩から降り、ワーフォルの前に立つ。
「チチチ『ワーフォル』」
「グウ?」
「わわわ」
シロの問いかけに、ワーフォルは地面に立つシロを見る為に私を抱えたまま前のめりになる。
「チチチチ、チチチ『何故に我が主人にこのような事をしたのですか?』」
「ガウ、ガウ」
「・・・・・チチチチ『・・・・・ご主人様から美味しそうな匂いがするそうです』」
「・・・・・捕食フラグ!?」
「え、捕食??」
ビースターのメンバーのまえでシロと話していた紅音の顔色が青くなっていく。
「わ、私から美味しそうな匂いがするそうです」
「・・・・・おふ・・・・」
紅音の震える声でその理由を聞いて、ビースターのメンバーが固まる。
「ガウ、グウ」
「チチ!チチチチ、チチチチチ『ご主人様!ワーフォルはご主人様のリュックから美味しそうな匂いがすると言っております』」
「リ、リュック?」
「チ!『はい!』」
そう言えば、リュックの中には食料がわりのお菓子を入れていた筈。
もしかして、その匂い?
「シロ、ワーフォルに私を離すように言って」
「チ!『はい』」
シロが再びワーフォルに向き合う。
「チチチ、チチチチチ『ワーフォル、ご主人様を離しなさい』」
「グウウ」
「チチチチ『ご主人様が困っています』」
「グウ、ガウ」
「チ、チチ『いや、嫌だではなく』」
「グウウ」
「チチチチ、チゥ『ダメではなく、ご主人様を』」
「ウウウウ!!」
ぎゅ
「うぎゅ!!」
シロの説得にイヤイヤと言わんばかりに紅音を抱きしめるワーフォルの熱い抱擁に紅音は変な声が出た。
熊に似たワーフォルに抱き締められ、脳裏に、
(そう言えば、熊の握力が約150キロ以上超えるって・・・)
と、思い出す。
「ワ、ワーフォル!離して!お願い!」
自分の背骨を折られる危険を感じ、紅音は思わず声を上げる。
「グウ?」
「へ?」
私がそう叫ぶと、ワーフォルの腕の力が急に弱まった。
そのまま、そっと地面に降ろされた。
「え?え?」
突然の開放に私が困惑していると、ワーフォルはなんだか申し訳なさそうに、頭を下げた。
「ガウ」
「・・・えっと、離してくれてありがとうね」
「ガウ!」
お礼を言うと、嬉しそうに吠えた。
「・・・・頭いいね」
「ウウウ」
私がそう言うと、ワーフォルはそっと近づけて来た。
自身の角が紅音に向かないように、鼻頭をそっと近づけた。
「・・・・・」
ワーフォルの目が何かを待っているように見えて、少し躊躇しながら、鼻頭を優しく撫でた。
「グルグル・・・・」
ワーフォルは気持ちよさそうに目を閉じ、喉を低く鳴らした。
「いい子。いい子ね」
なんとなくだけど、もうこのワーフォルは、大丈夫だとそう思えた。
しばらく撫でてあげると、ワーフォルの視線が私の背負っているリュックへ向けられる。
「あ、ちょっと待ってね」
紅音はリュックを背から下ろし、中身を取り出す。
水と小分けのお菓子。
「グウゥ」
その中でワーフォルが反応したのは、小分け3袋のグミのお菓子だった。
「これ?」
「ガウ!」
赤、緑、黄色の三色のグミの袋を見て、ワーフォルは吠える。
その目は、まるでオヤツを待ち望んでいる犬みたいだ。
こうして見ると、ワーフォルが大型犬のように見えて可愛く感じる。
試しに、苺味のグミの袋を破くと小粒なグミを手の平に乗せる。
「それって、リュミの実じゃないか?」
すると、
「え、リュミ?」
アドルフが紅音の手のひらに乗るグミをみる。
昨日通販で買った小粒グミですが。
「小ぶりだけど、確かにリュミの実みたいね」
「へー、俺初めて見た」
皆、私の手のひらに乗る小粒グミをしげしげと見る。
「アカネ、これを何処で手に入れた?」
「へ?」
紅音が振り向くと、ジャミールの金色の眼が紅音を見ている。
その時、ジャミールの瞳孔が縦に細くなった。
「リュミの実のなる樹は別名【宝玉の果実】と呼ばれて、殆ど貴族が独占栽培していてるんだ」
「独占栽培?」
「ああ。野生で自生している樹は森の奥にあって簡単には採取出来ない」
あ、あれ?な、なんだか、不穏な空気に、なってきた?
「もちろん、貴族所有のリュミの栽培園には貴族の関係者以外は立ち入りを禁じられている。もし、無許可でリュミの実を採れば、土地を所有者である貴族の配慮にもよるが、最悪の場合、手足をその場で斬り落とされる事も珍しくはないんだ」
「ヒェ・・・・」
ジャミールに見つめられ、蛇の獣人の名の如く蛇に睨まれたかのようにか紅音は体が固った。
「あ、あの・・・ジャミール、さん?」
「紅音、これをどこで、」
固まる紅音にジャミールが歩み寄ろうとしたその時、ジャミールの足が止まる。
「ッッ、」
「・・・・」
「ヒィ!!」
ジャミールの後ろにいたビースターのメンバーも顔が強張った。
「へ?」
反射的にみんなの視線の先を追い、背後を振り向くと、
「ガルルルル・・・・」
牙を剥き出し、威嚇をするワーフォルがいた。
「ヒミャ!?」
先程のオヤツを待つ大型犬のような姿はどこにも見当たらず、今にも獲物に飛びかかろうと身構えるワーフォルに紅音は奇妙な悲鳴を上げた。
「チチ!『ご主人様!』」
シロが素早く紅音の足から肩に登ってきた。
「チチチチチチ!!『ワーフォルはご主人様が責められていると思っています!!』」
「え!?」
「チチチチ、チチチチ、チチ、『私よりも、ご主人様からワーフォルへ語りかけてみたほうが、おそらくは、」
シロが私の耳元で囁いた。
「ワ、ワーフォル!!落ち着いて!!」
「グ?」
私は一縷の望みをかけてワーフォルに声をかけた。
すると、ワーフォルはピタリと威嚇を止めた。
「ワーフォル、あの、落ち着いて。私は大丈夫だから。ね?」
出来るだけワーフォルを刺激しないように優しく声をかける。
「グウウ・・・・」
「私が怒られていると思ってくれたんだよね。ありがとう」
私がそう言うと、ワーフォルはのそりと私に近づき、甘えるように胸元に鼻先を擦り付ける。
「おっと・・・」
少しでもワーフォルが頭を傾けると牡鹿のような角が私の頭にぶつかりそうになるが、そうならないように擦り寄ってきてくれる。
「・・・・優しい子だね・・・・」
私は、擦り寄ってくるワーフォルの首に優しく抱きついた。
後ろから、ジオルくん達が動揺している事はなんとなく分かった。
私だって、野生の動物に抱き付くなんて、無謀で危険な行為なのは分かっている。
だけど、この子は私を傷付けない。
そう確信できた。
「いい子、いい子ね」
撫でると少し固いけどサラサラとした手触りがいい、ワーフォルの毛並み。
じんわり伝わってくるワーフォルの体温。
スゥと鼻に届く香りは獣臭くない。まるで森林の中で深呼吸をしたような、柔らかく清々しい。
「グルグル・・・・」
グリズリーに似た熊みたいな見た目なのにご機嫌に喉を鳴らすワーフォル。
首に抱きついていると、体が大きいから振動がすごい。
「アカネさん、スゴ・・・」
ワーフォルに抱き付き、優しくワーフォルを撫でる紅音の姿を見ていたビースターのメンバーは唖然とするしかなかった。
「ど、どうする?ワーフォル、アカネさん放しそうになさそうだし、調査もやらないといけないじゃん」
「確かに・・・。このワーフォルはコチラに対して敵対心を持っていない様子だから、上手く交渉できれば・・・」
「交渉って、どうやって・・・あ」
みんなの視線が私に向けられる。
「・・・・・あ」
いや、向けられているのは、私の肩で固っているシロだった。
その視線にある事に気がついた。
「し、シロ、シロ!」
「チ、チチ!チチチ『は!すみません。少し気が遠のいていました』」
「大丈夫。シロ、ワーフォルの説得を頼めない?」
「チ?『説得ですか?』」
「うん。シロならワーフォルと話せると思う。シロがワーフォルの言葉を聞いて、私がみんなにそれを通訳して話すから。お願い」
「チチチ『了解しました』」
そう言ってシロは私の肩から降り、ワーフォルの前に立つ。
「チチチ『ワーフォル』」
「グウ?」
「わわわ」
シロの問いかけに、ワーフォルは地面に立つシロを見る為に私を抱えたまま前のめりになる。
「チチチチ、チチチ『何故に我が主人にこのような事をしたのですか?』」
「ガウ、ガウ」
「・・・・・チチチチ『・・・・・ご主人様から美味しそうな匂いがするそうです』」
「・・・・・捕食フラグ!?」
「え、捕食??」
ビースターのメンバーのまえでシロと話していた紅音の顔色が青くなっていく。
「わ、私から美味しそうな匂いがするそうです」
「・・・・・おふ・・・・」
紅音の震える声でその理由を聞いて、ビースターのメンバーが固まる。
「ガウ、グウ」
「チチ!チチチチ、チチチチチ『ご主人様!ワーフォルはご主人様のリュックから美味しそうな匂いがすると言っております』」
「リ、リュック?」
「チ!『はい!』」
そう言えば、リュックの中には食料がわりのお菓子を入れていた筈。
もしかして、その匂い?
「シロ、ワーフォルに私を離すように言って」
「チ!『はい』」
シロが再びワーフォルに向き合う。
「チチチ、チチチチチ『ワーフォル、ご主人様を離しなさい』」
「グウウ」
「チチチチ『ご主人様が困っています』」
「グウ、ガウ」
「チ、チチ『いや、嫌だではなく』」
「グウウ」
「チチチチ、チゥ『ダメではなく、ご主人様を』」
「ウウウウ!!」
ぎゅ
「うぎゅ!!」
シロの説得にイヤイヤと言わんばかりに紅音を抱きしめるワーフォルの熱い抱擁に紅音は変な声が出た。
熊に似たワーフォルに抱き締められ、脳裏に、
(そう言えば、熊の握力が約150キロ以上超えるって・・・)
と、思い出す。
「ワ、ワーフォル!離して!お願い!」
自分の背骨を折られる危険を感じ、紅音は思わず声を上げる。
「グウ?」
「へ?」
私がそう叫ぶと、ワーフォルの腕の力が急に弱まった。
そのまま、そっと地面に降ろされた。
「え?え?」
突然の開放に私が困惑していると、ワーフォルはなんだか申し訳なさそうに、頭を下げた。
「ガウ」
「・・・えっと、離してくれてありがとうね」
「ガウ!」
お礼を言うと、嬉しそうに吠えた。
「・・・・頭いいね」
「ウウウ」
私がそう言うと、ワーフォルはそっと近づけて来た。
自身の角が紅音に向かないように、鼻頭をそっと近づけた。
「・・・・・」
ワーフォルの目が何かを待っているように見えて、少し躊躇しながら、鼻頭を優しく撫でた。
「グルグル・・・・」
ワーフォルは気持ちよさそうに目を閉じ、喉を低く鳴らした。
「いい子。いい子ね」
なんとなくだけど、もうこのワーフォルは、大丈夫だとそう思えた。
しばらく撫でてあげると、ワーフォルの視線が私の背負っているリュックへ向けられる。
「あ、ちょっと待ってね」
紅音はリュックを背から下ろし、中身を取り出す。
水と小分けのお菓子。
「グウゥ」
その中でワーフォルが反応したのは、小分け3袋のグミのお菓子だった。
「これ?」
「ガウ!」
赤、緑、黄色の三色のグミの袋を見て、ワーフォルは吠える。
その目は、まるでオヤツを待ち望んでいる犬みたいだ。
こうして見ると、ワーフォルが大型犬のように見えて可愛く感じる。
試しに、苺味のグミの袋を破くと小粒なグミを手の平に乗せる。
「それって、リュミの実じゃないか?」
すると、
「え、リュミ?」
アドルフが紅音の手のひらに乗るグミをみる。
昨日通販で買った小粒グミですが。
「小ぶりだけど、確かにリュミの実みたいね」
「へー、俺初めて見た」
皆、私の手のひらに乗る小粒グミをしげしげと見る。
「アカネ、これを何処で手に入れた?」
「へ?」
紅音が振り向くと、ジャミールの金色の眼が紅音を見ている。
その時、ジャミールの瞳孔が縦に細くなった。
「リュミの実のなる樹は別名【宝玉の果実】と呼ばれて、殆ど貴族が独占栽培していてるんだ」
「独占栽培?」
「ああ。野生で自生している樹は森の奥にあって簡単には採取出来ない」
あ、あれ?な、なんだか、不穏な空気に、なってきた?
「もちろん、貴族所有のリュミの栽培園には貴族の関係者以外は立ち入りを禁じられている。もし、無許可でリュミの実を採れば、土地を所有者である貴族の配慮にもよるが、最悪の場合、手足をその場で斬り落とされる事も珍しくはないんだ」
「ヒェ・・・・」
ジャミールに見つめられ、蛇の獣人の名の如く蛇に睨まれたかのようにか紅音は体が固った。
「あ、あの・・・ジャミール、さん?」
「紅音、これをどこで、」
固まる紅音にジャミールが歩み寄ろうとしたその時、ジャミールの足が止まる。
「ッッ、」
「・・・・」
「ヒィ!!」
ジャミールの後ろにいたビースターのメンバーも顔が強張った。
「へ?」
反射的にみんなの視線の先を追い、背後を振り向くと、
「ガルルルル・・・・」
牙を剥き出し、威嚇をするワーフォルがいた。
「ヒミャ!?」
先程のオヤツを待つ大型犬のような姿はどこにも見当たらず、今にも獲物に飛びかかろうと身構えるワーフォルに紅音は奇妙な悲鳴を上げた。
「チチ!『ご主人様!』」
シロが素早く紅音の足から肩に登ってきた。
「チチチチチチ!!『ワーフォルはご主人様が責められていると思っています!!』」
「え!?」
「チチチチ、チチチチ、チチ、『私よりも、ご主人様からワーフォルへ語りかけてみたほうが、おそらくは、」
シロが私の耳元で囁いた。
「ワ、ワーフォル!!落ち着いて!!」
「グ?」
私は一縷の望みをかけてワーフォルに声をかけた。
すると、ワーフォルはピタリと威嚇を止めた。
「ワーフォル、あの、落ち着いて。私は大丈夫だから。ね?」
出来るだけワーフォルを刺激しないように優しく声をかける。
「グウウ・・・・」
「私が怒られていると思ってくれたんだよね。ありがとう」
私がそう言うと、ワーフォルはのそりと私に近づき、甘えるように胸元に鼻先を擦り付ける。
「おっと・・・」
少しでもワーフォルが頭を傾けると牡鹿のような角が私の頭にぶつかりそうになるが、そうならないように擦り寄ってきてくれる。
「・・・・優しい子だね・・・・」
私は、擦り寄ってくるワーフォルの首に優しく抱きついた。
後ろから、ジオルくん達が動揺している事はなんとなく分かった。
私だって、野生の動物に抱き付くなんて、無謀で危険な行為なのは分かっている。
だけど、この子は私を傷付けない。
そう確信できた。
「いい子、いい子ね」
撫でると少し固いけどサラサラとした手触りがいい、ワーフォルの毛並み。
じんわり伝わってくるワーフォルの体温。
スゥと鼻に届く香りは獣臭くない。まるで森林の中で深呼吸をしたような、柔らかく清々しい。
「グルグル・・・・」
グリズリーに似た熊みたいな見た目なのにご機嫌に喉を鳴らすワーフォル。
首に抱きついていると、体が大きいから振動がすごい。
「アカネさん、スゴ・・・」
ワーフォルに抱き付き、優しくワーフォルを撫でる紅音の姿を見ていたビースターのメンバーは唖然とするしかなかった。
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わくわくしながら、読んでます。これからも執筆頑張って下さい。
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感想、ありがとうございます。続けられるように頑張ります
なんかワクワクwしてくるお話ですね〜
続き楽しみにしてます♪
感想ありがとうございます。