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懐中時計の意味
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「・・・・・・・え?」
「ロザリア様、一体、何を?」
ロザリアの言葉にデリー伯爵一家はポカンとした顔をした。
と、その時、
「お嬢様」
ロザリアの後ろに何かが降ってきた。
「ッッッ!?!?」
「ヒッ!!」
ファーガスと夫人が過剰な程驚いていた。
「ラン、もう、駄目じゃない。天井裏からじゃ無くて、ドアから入って来なさい」
「・・・・・・・。ゴメンなさい」
ロザリアは特に驚く様子も無く、幼い子供を優しく叱るように諌めると小さいが素直な謝罪がロザリアの耳に届いた。
ロザリアの後ろに立っているのは黒づくめの服にターバンをまとった小柄な少年だった。
「な、何なんだ!!その子供は!?」
「子供ではありません。失礼ですね。この子はラン。私の大切な影ですわ」
「か、影、だと??」
「ああ、そう言えばファーガスさんは初対面でしたね。ずっと私を守ってくれた優秀な護衛です」
「ッ、・・・・・・・」
ロザリアの後ろで自分を射殺さんばかりに睨んでくる子供に、ファーガスは冷や汗をかく。
「お嬢様、探し物、見つけた」
「まぁ!!嬉しいわ、ありがとう、ラン」
ロザリアはパッと笑顔になり、嬉しそうにランから小さな木箱を受け取った。
「よかった。コレが国外に出てしまっては大変な事になってしまう所でしたわ」
ロザリアが木箱の蓋を開ける。
中に入っていた物に、ファーガスは目を見開いた。
「は?それは、」
「はい、貴方が宿代欲しさに質屋にて250.000Gで売った、懐中時計です」
「は?、な、なんで、その事を、」
母親から手離すなと言われていた懐中時計を売った事がバレ、ファーガスが焦ると、
ガダッ!!
「ファーガス!!お前、あの懐中時計を手離したのか!?」
ファーガスの言葉を聞いて、デリー伯爵が突然、音を立てて席を立った。
そして、焦りと怒りの形相でそのまま車椅子に拘束されている息子に掴みかかった。
「ヒッ!?ち、父上!?」
「お前はあの懐中時計にどれだけの意味と価値があるのか解っているのか!?!?」
「あ、アナタ、」
「お前は黙っていろ!!!」
「ヒッ!?」
いつも弱気でオドオドしていたデリー伯爵卿の怒りの形相にファーガスと夫人は驚いて固まってしまった。
普段は温厚で少し気弱く、頼まれてはONと言えないデリー伯爵がここまで焦り怒るのは珍しく、息子、妻は困惑する。
でも、今回のことは無理も無い。
「流石、デリー伯爵。この懐中時計の意味をご存知で」
「ッ!!!公爵様!!ロ、ロザリア様!!愚息が、大変申し訳御座いません!!!」
デリー伯爵は、私達家族に向かって深く深く頭を下げ、謝罪の言葉を叫ぶ。
「まぁ、デリー伯爵卿。落ち着いてください。まだ娘達の話は終わっていませんのよ?」
お母様が、錯乱する数歩手前のデリー伯爵に優しく声をかける。
「し、しかし!!」
「・・・・・・・・・お座りに、なって?」
優しい微笑みなのに、お母様の語尾が少し低くなった。
「ッ・・・・・・、、」
ただ、それだけの事なのに、ピンと部屋の空気が凍り付き張り詰めた。
デリー伯爵は顔を真っ青にして小さく震えながら自分の席に戻った。
「えっと、少々話が脱線してしまいましたけど、話を戻しますね」
「、・・・・!!・・・・!!」
ロザリアが声をかけるとデリー伯爵はハクハクと口を開け、壊れたオモチャのように首を縦に振った。
「この懐中時計は我がアークライド公爵家の人間だと証明する大切な懐中時計なんですよ。ファーガスさん」
「は?」
「貴方がライド商会で自由に出来たのは、私の夫である事と、つまりアークライド公爵家の人間だとライド商会の者が認識していたからです。この懐中時計はアークライド公爵家専属の技師が作り上げた傑作にして二つとない代物です」
ロザリアはそう言いなが、懐中時計の側面を撫で、小さな穴を探り出しその穴に小さな鍵を差し込んだ。
カチっと小さな音が聞こえた。
壊れて開かないと思っていた、懐中時計の蓋が開いた。
ロザリアは開いた懐中時計の文字盤を呆けているファーガスにみせる。
「な!?」
ファーガスの目に入ったのは、金と銀の針、赤、青、黄、緑、白の小さな宝石で彩られた磁器製の文字盤だった。
そして文字盤の中央には翼を広げた赤い眼の鷲のエンブレムに金の文字でFergus・S・Arcrideと彫られていた。
表面は何処にでもありそうな木製なのに、ファーガスの目に映る懐中時計は蓋の裏は金張、文字盤は細やかな装飾細工がされている。
だが、決してケバケバしい物では無く、細やかな装飾、長針短針、時刻を表す数字、鷲のエンブレム、どれをとっても美術的センスが光る美しい懐中時計だった。
「翼を広げた鷲は我がアークライド公爵家のシンボル。そしてそのシンボルが描かれた懐中時計を持つ事ができるのは、アークライド公爵家の血縁者と配偶者のみ。この懐中時計はアークライド公爵家の人間だと言う証なのです。そしてこの懐中時計を手離す、と言うことは、アークライドの姓名を棄てる事と言う意味を成します」
「は?な・・・・・・」
ロザリアの言葉に一瞬、ファーガスは言葉を失った。
だが、
「ま、待て!!私はそんなこと聞いていないぞ!?それに、その懐中時計は蓋が開かない不良品では無かったんじゃ無いのか!?」
まだまだ反論する元気はあるようで。
ある意味その神経の図太さには感服します。
「蓋が開かないのではなく、開かないように鍵をかけていたんです。でないと、貴方はこの懐中時計の権限を悪用し兼ねないでしょ?」
「そ、そんなことは、」
「というよりも、この懐中時計が公爵家の証だと言う事は周知の事実のはずなのですが?でなければ、貴方とデリー夫人がここまで好き勝手出来るはずがある訳無いじゃないですか」
「それは、私の人望が、あったから、」
「はい、私と結婚してアークライドの姓を名乗った上での人望です。貴方個人ではどうかは知りませんが」
「そ、そんな・・・・」
「まあ、この懐中時計を手離した事で、自失的に貴方はアークライド公爵家の名を放棄した事になります」
「ま、待て!!その懐中時計がそんなに大切な物だなんて知らなかったんだ!!それに、金が無くて仕方なく質屋に預けていただけで、手離した訳じゃ無い!!後でちゃんと取り戻すつもりだったんだ!!」
顔を青ざめさせ言い訳をするファーガスに、
「・・・・・この懐中時計、後一歩のところで国外へ持ち出される所だったんだが?」
「は?」
今まで沈黙を貫いていたお父様が口を開いた。
「ロロビア王国で絶大な影響力のあるアークライド公爵家の証が国外に出てしまう。この事がどう言う事か君は理解できているのか?」
「へ?は?いや・・・・」
「金が無かった?仕方なく質屋に入れた?仮にも私の愛娘の婿に来た男が随分とふざけた事を言ってくれる」
「あ、あ、あの、」
「あの懐中時計が国外に出ると言う事は、他所者に我がアークライド公爵家の名を名乗る事が出来る権限を得たという事だ。
例え所有者では無くとも、持っているだけで、アークライド公爵家の人間として優遇され、人も金も動かす事が出来る。
この懐中時計は大金を積んで手に入れた盗品だとしても、この懐中時計の意味を知る者なら喉から手が出る程の価値があるんだが?分かっているのか?」
「・・・・・そ、それは、」
「君は私達の大切な娘をお飾りの妻と言ったようだが、それは本当か?」
「あ、い、いや、その・・・・」
「私からしてみれば、君の首の上に乗っているモノがお飾りに見えるんだが?」
「・・・・・・・・・・ぅぅ」
「しかし、君は、随分と目が曇っているようだな?あの懐中時計は美術品としても高い評価を受けている代物だ。
正規のルートで手に入れられるのなら普通に7桁は下らないモノだぞ?」
「・・・・・・」
「それを質屋に250.000Gで買われたとは、随分と買い叩かれたものだな?いや、君を見て安く買い叩けると店主に見抜かれたのだろうな。ある意味その質屋は君よりも見る目があるようだな」
「・・・・・」
普段は無口なお父様のマシンガントークが止まらず、ファーガスさんは青い顔のまま押し黙ってまった。
お父様がここまで饒舌なのは珍しいですが、
「おい、何とか言ったらどうなんだ。青二才が」
大分怒っていらっしゃる様子で。
「ロザリア様、一体、何を?」
ロザリアの言葉にデリー伯爵一家はポカンとした顔をした。
と、その時、
「お嬢様」
ロザリアの後ろに何かが降ってきた。
「ッッッ!?!?」
「ヒッ!!」
ファーガスと夫人が過剰な程驚いていた。
「ラン、もう、駄目じゃない。天井裏からじゃ無くて、ドアから入って来なさい」
「・・・・・・・。ゴメンなさい」
ロザリアは特に驚く様子も無く、幼い子供を優しく叱るように諌めると小さいが素直な謝罪がロザリアの耳に届いた。
ロザリアの後ろに立っているのは黒づくめの服にターバンをまとった小柄な少年だった。
「な、何なんだ!!その子供は!?」
「子供ではありません。失礼ですね。この子はラン。私の大切な影ですわ」
「か、影、だと??」
「ああ、そう言えばファーガスさんは初対面でしたね。ずっと私を守ってくれた優秀な護衛です」
「ッ、・・・・・・・」
ロザリアの後ろで自分を射殺さんばかりに睨んでくる子供に、ファーガスは冷や汗をかく。
「お嬢様、探し物、見つけた」
「まぁ!!嬉しいわ、ありがとう、ラン」
ロザリアはパッと笑顔になり、嬉しそうにランから小さな木箱を受け取った。
「よかった。コレが国外に出てしまっては大変な事になってしまう所でしたわ」
ロザリアが木箱の蓋を開ける。
中に入っていた物に、ファーガスは目を見開いた。
「は?それは、」
「はい、貴方が宿代欲しさに質屋にて250.000Gで売った、懐中時計です」
「は?、な、なんで、その事を、」
母親から手離すなと言われていた懐中時計を売った事がバレ、ファーガスが焦ると、
ガダッ!!
「ファーガス!!お前、あの懐中時計を手離したのか!?」
ファーガスの言葉を聞いて、デリー伯爵が突然、音を立てて席を立った。
そして、焦りと怒りの形相でそのまま車椅子に拘束されている息子に掴みかかった。
「ヒッ!?ち、父上!?」
「お前はあの懐中時計にどれだけの意味と価値があるのか解っているのか!?!?」
「あ、アナタ、」
「お前は黙っていろ!!!」
「ヒッ!?」
いつも弱気でオドオドしていたデリー伯爵卿の怒りの形相にファーガスと夫人は驚いて固まってしまった。
普段は温厚で少し気弱く、頼まれてはONと言えないデリー伯爵がここまで焦り怒るのは珍しく、息子、妻は困惑する。
でも、今回のことは無理も無い。
「流石、デリー伯爵。この懐中時計の意味をご存知で」
「ッ!!!公爵様!!ロ、ロザリア様!!愚息が、大変申し訳御座いません!!!」
デリー伯爵は、私達家族に向かって深く深く頭を下げ、謝罪の言葉を叫ぶ。
「まぁ、デリー伯爵卿。落ち着いてください。まだ娘達の話は終わっていませんのよ?」
お母様が、錯乱する数歩手前のデリー伯爵に優しく声をかける。
「し、しかし!!」
「・・・・・・・・・お座りに、なって?」
優しい微笑みなのに、お母様の語尾が少し低くなった。
「ッ・・・・・・、、」
ただ、それだけの事なのに、ピンと部屋の空気が凍り付き張り詰めた。
デリー伯爵は顔を真っ青にして小さく震えながら自分の席に戻った。
「えっと、少々話が脱線してしまいましたけど、話を戻しますね」
「、・・・・!!・・・・!!」
ロザリアが声をかけるとデリー伯爵はハクハクと口を開け、壊れたオモチャのように首を縦に振った。
「この懐中時計は我がアークライド公爵家の人間だと証明する大切な懐中時計なんですよ。ファーガスさん」
「は?」
「貴方がライド商会で自由に出来たのは、私の夫である事と、つまりアークライド公爵家の人間だとライド商会の者が認識していたからです。この懐中時計はアークライド公爵家専属の技師が作り上げた傑作にして二つとない代物です」
ロザリアはそう言いなが、懐中時計の側面を撫で、小さな穴を探り出しその穴に小さな鍵を差し込んだ。
カチっと小さな音が聞こえた。
壊れて開かないと思っていた、懐中時計の蓋が開いた。
ロザリアは開いた懐中時計の文字盤を呆けているファーガスにみせる。
「な!?」
ファーガスの目に入ったのは、金と銀の針、赤、青、黄、緑、白の小さな宝石で彩られた磁器製の文字盤だった。
そして文字盤の中央には翼を広げた赤い眼の鷲のエンブレムに金の文字でFergus・S・Arcrideと彫られていた。
表面は何処にでもありそうな木製なのに、ファーガスの目に映る懐中時計は蓋の裏は金張、文字盤は細やかな装飾細工がされている。
だが、決してケバケバしい物では無く、細やかな装飾、長針短針、時刻を表す数字、鷲のエンブレム、どれをとっても美術的センスが光る美しい懐中時計だった。
「翼を広げた鷲は我がアークライド公爵家のシンボル。そしてそのシンボルが描かれた懐中時計を持つ事ができるのは、アークライド公爵家の血縁者と配偶者のみ。この懐中時計はアークライド公爵家の人間だと言う証なのです。そしてこの懐中時計を手離す、と言うことは、アークライドの姓名を棄てる事と言う意味を成します」
「は?な・・・・・・」
ロザリアの言葉に一瞬、ファーガスは言葉を失った。
だが、
「ま、待て!!私はそんなこと聞いていないぞ!?それに、その懐中時計は蓋が開かない不良品では無かったんじゃ無いのか!?」
まだまだ反論する元気はあるようで。
ある意味その神経の図太さには感服します。
「蓋が開かないのではなく、開かないように鍵をかけていたんです。でないと、貴方はこの懐中時計の権限を悪用し兼ねないでしょ?」
「そ、そんなことは、」
「というよりも、この懐中時計が公爵家の証だと言う事は周知の事実のはずなのですが?でなければ、貴方とデリー夫人がここまで好き勝手出来るはずがある訳無いじゃないですか」
「それは、私の人望が、あったから、」
「はい、私と結婚してアークライドの姓を名乗った上での人望です。貴方個人ではどうかは知りませんが」
「そ、そんな・・・・」
「まあ、この懐中時計を手離した事で、自失的に貴方はアークライド公爵家の名を放棄した事になります」
「ま、待て!!その懐中時計がそんなに大切な物だなんて知らなかったんだ!!それに、金が無くて仕方なく質屋に預けていただけで、手離した訳じゃ無い!!後でちゃんと取り戻すつもりだったんだ!!」
顔を青ざめさせ言い訳をするファーガスに、
「・・・・・この懐中時計、後一歩のところで国外へ持ち出される所だったんだが?」
「は?」
今まで沈黙を貫いていたお父様が口を開いた。
「ロロビア王国で絶大な影響力のあるアークライド公爵家の証が国外に出てしまう。この事がどう言う事か君は理解できているのか?」
「へ?は?いや・・・・」
「金が無かった?仕方なく質屋に入れた?仮にも私の愛娘の婿に来た男が随分とふざけた事を言ってくれる」
「あ、あ、あの、」
「あの懐中時計が国外に出ると言う事は、他所者に我がアークライド公爵家の名を名乗る事が出来る権限を得たという事だ。
例え所有者では無くとも、持っているだけで、アークライド公爵家の人間として優遇され、人も金も動かす事が出来る。
この懐中時計は大金を積んで手に入れた盗品だとしても、この懐中時計の意味を知る者なら喉から手が出る程の価値があるんだが?分かっているのか?」
「・・・・・そ、それは、」
「君は私達の大切な娘をお飾りの妻と言ったようだが、それは本当か?」
「あ、い、いや、その・・・・」
「私からしてみれば、君の首の上に乗っているモノがお飾りに見えるんだが?」
「・・・・・・・・・・ぅぅ」
「しかし、君は、随分と目が曇っているようだな?あの懐中時計は美術品としても高い評価を受けている代物だ。
正規のルートで手に入れられるのなら普通に7桁は下らないモノだぞ?」
「・・・・・・」
「それを質屋に250.000Gで買われたとは、随分と買い叩かれたものだな?いや、君を見て安く買い叩けると店主に見抜かれたのだろうな。ある意味その質屋は君よりも見る目があるようだな」
「・・・・・」
普段は無口なお父様のマシンガントークが止まらず、ファーガスさんは青い顔のまま押し黙ってまった。
お父様がここまで饒舌なのは珍しいですが、
「おい、何とか言ったらどうなんだ。青二才が」
大分怒っていらっしゃる様子で。
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