16 / 26
愚かな人たちに
しおりを挟む
お父様のマシンガントークに言葉も返せず、青い顔で俯くファーガス。
「アナタ、落ち着いて。この男を青二才だと言うには歳をいき過ぎていますよ」
「母上、要件がずれています」
のほほんとしたお母様にお兄様は呆れている。
「まあ、私が言いたい事の殆どはお父様が言ってくれたので、私は大分スッキリしましたわ」
そう言いながクスクスと笑うロザリアに、ファーガスと伯爵夫婦は背筋に寒いものを感じた。
「お父様、今回の事は慰謝料と離縁という形で責任を取ってもらうんですから」
「ふん、可愛い娘の過去に離縁という汚点を付けたのだ。離縁に関しては反対は無いが文句の一つも言いたくはなる」
鼻息を荒くファーガスを睨みつけるお父様。
お父様の文句は一つでは収まら無い様子ですが。
「ま、待ってくれ!!!」
「はい?」
先程までお父様に睨まれ、言われたままになって黙っていたファーガスさんがいきなり声を上げる。
「俺は離縁に賛成していない!!だから、この離縁は無効だ!!それに、サンドラ、サンドラはどうなる!?彼女は俺の子を身籠もっているんだぞ!?お前は、生まれて来る子供から父親を奪うつもりか!?」
「・・・・・・・・・・・・」
ファーガスのあまりにも身勝手な発言に、口元に手を当て困ったように笑うロザリア。
だが、
「この期に及んで、まだ悪あがきをするか。このクズ男は」
(あらあら、往生際が悪いですわよ?ファーガスさん)
発言した言葉と表情が合わなすぎた。
「・・・・・・は?」
目の前にいるロザリアの言葉に思考が追いつかずデリー一家の表情が目を見開いた顔で凍りついた。
「ロゼ、本音と建前が逆になっていないか?」
「あら?」
兄に指摘をされ、思わず小首を傾げる。
完全に無意識でした。
「ま、気持ちはわかるがな。ロゼとこの男の結婚はデリー伯爵家がアークライド公爵家の莫大な借金からの契約により成立したもの。それが、この男の明らかな有責で離縁確定なのに、今になって、離縁は無効だとか、愛人の子供がだとか、ふざけているとしか思えないな」
「流石にこの人の図々しさには呆れるしかありません」
あまりの図々しさと身勝手さと愚かさに、呆れを通り越して、最早哀れみさえも感じてしまう。
同情の余地は無いけど。
苦し紛れに愛しのサンドラの名前を出したところで、私の不快指数が増えるだけだと言うのに。
「図々しい、って、お前は俺の妻だろうが!?」
「あら、もうすぐ妻ではありません。私の父親と貴方の父上であり、デリー伯爵家当主である義父様が私達の離縁を認めているんですよ?本人の同意がなくとも両家の家長が離縁を認めれば離縁は成立する。
これはこの国の正当な法律ですわ」
「う、うるさい!!それでも、俺は、こんなの認めない!!離縁なんてしない!!俺が没落などしたらサンドラや生まれて来る子供が路頭に迷いう事になるんだぞ!!」
ギャンギャン騒ぐファーガス。
すると、
「あ、あの女妊娠していませんでしたよ」
後ろに立っていたルイスがサラッと落とした爆弾発言に、ファーガスは言葉を忘れ、固まる。
対するロザリアはさして驚いた様子もなく、
「ああ、やっぱり」
「なんだ、ロゼは気付いていたのか?」
「ええ、だってこの人と結婚して1年間は普通に夜の営みはありましたし、この人にはサンドラさんを含めて6人の愛人さんがいるんですよ?念の為にお医者様に身体を調べてもらいましたけど、私自身何処にも異常は見られませんでした。
それなのにこの5年間私にも愛人さんにも妊娠の報告はありませんでした。
サンドラさん以外は。そうよね、ヨハネス?」
「はい、お嬢様」
私がデリー夫人の後ろに控えるヨハネスに問いかけると、ヨハネスは頷く。
「ですが、実際は、アークライド公爵家の名を持つファーガス氏を奪うための虚言。
どうもサンドラはファーガス氏がアークライド公爵家の子息だと勘違いをしていたようで、子を宿したと言う嘘の既成事実で現妻であったロザリア様を追い出し自身がアークライド公爵家の妻に収まろうと目論んでいたようすです」
「まぁ、実際は寝取った男は借金の担保での入婿で、アークライド商会の権限を持っているのはロザリア様だと言う事を知った途端に顔面蒼白でしたけどね」
呆れたようにため息を吐くヨハネスと小馬鹿にしたように鼻で笑うルイス。
「な、なんで、」
信じられないと言った顔で後ろにいる2人を見るファーガス。
「本人に聞きましたからね」
ルイスはニヒルな笑みを浮かべながらファーガス拘束されている車椅子の横に立ち、懐から眼鏡を取り出し、かき上げていた前髪をクシャりと乱し前髪を下ろした。
「な!?!?」
ファーガスの目に写ったのは、ホテル・ヴェガ・クラウンで愛しのサンドラと喋っていた、アーノルドと名乗った青二才だった。
「き、貴様は!?」
「どーも、ルイス・アーノルドでーす」
ニヒルな笑顔のまま目の前で車椅子に拘束されているファーガスに笑いかけるルイス。
「いやー。なかなか面白かったですよ?アンタと一緒になってもアークライド公爵家を敵にまわすだけだと知った時の慌てようと、アンタを見限る切り替えの速さ。俺がちょっと「逃げたい?」って聞いたら、勝手にベラベラと喋ってくれましたよ。妊娠の事。アンタのアホさ加減も」
ルイスがとっても悪い顔をしていて、ファーガスさんが真実を受け入れられず、あんぐりと口を開けている。
逆に笑えますね。
「そ、そんな、う、嘘だ!!サンドラが俺を騙していたなんて!!」
「騙していたのはお互い様では?アンタだって愛人達に自分の事をアークライド公爵家の息子、ライド商会の跡取りだと言いふらしていたそうじゃないですか?」
「そ、それは、」
現実を受け入れ難いのか、反抗しようと口を開くファーガスだったが、ルイスの指摘に途端に俯き口籠る。
「・・・・・アークライド公爵家の人間なのは、事実だ。少しくらい話を盛るくらい誰でもやっている」
悔しそうに憎まれ口を開くが、その声はとても小さい。
「おいおい、私にこんな不出来で愚かな歳上の血縁者はいらないぞ?」
「こんな男が一時的にでも義理の息子だったとはな」
お兄様とお父様が傍目で見ても分かるほど侵害だと嫌そうな顔をしている。
「ファーガスさん。貴方は確かに私の婿になってアークライド公爵家とは義親子になりましたが、貴方個人に私の夫と言うだけで、跡取りでもなんでもありません。
と言うよりも、ライド商会はお兄様が後継者です。表面上の仕事を遊び程度にしかしてこなかった貴方に公爵家の後継者だと言う可能性が、万が一にもあるわけ無いじゃ無いですか」
呆れて、ため息が出てしまう。
と、その時、
「・・・・・・・・・った、」
「はい?」
「ッ、悪かったっと言っている」
ファーガスさんの絞り出すような声で、何かを言っている。
俯いていた顔を上げると、何故か熱っぽい視線で私を見つめて来る。
「俺が、悪かった。全部謝る。サンドラの事も諦める。心を入れ替えて真面目に働く。ロザリアの事もちゃんと愛する事をここに誓う。また仲の良かったあの頃に戻ろう。だから、離縁は無しにしよう」
「え?嫌です」
ロザリアは真顔で即答で答えた。
「アナタ、落ち着いて。この男を青二才だと言うには歳をいき過ぎていますよ」
「母上、要件がずれています」
のほほんとしたお母様にお兄様は呆れている。
「まあ、私が言いたい事の殆どはお父様が言ってくれたので、私は大分スッキリしましたわ」
そう言いながクスクスと笑うロザリアに、ファーガスと伯爵夫婦は背筋に寒いものを感じた。
「お父様、今回の事は慰謝料と離縁という形で責任を取ってもらうんですから」
「ふん、可愛い娘の過去に離縁という汚点を付けたのだ。離縁に関しては反対は無いが文句の一つも言いたくはなる」
鼻息を荒くファーガスを睨みつけるお父様。
お父様の文句は一つでは収まら無い様子ですが。
「ま、待ってくれ!!!」
「はい?」
先程までお父様に睨まれ、言われたままになって黙っていたファーガスさんがいきなり声を上げる。
「俺は離縁に賛成していない!!だから、この離縁は無効だ!!それに、サンドラ、サンドラはどうなる!?彼女は俺の子を身籠もっているんだぞ!?お前は、生まれて来る子供から父親を奪うつもりか!?」
「・・・・・・・・・・・・」
ファーガスのあまりにも身勝手な発言に、口元に手を当て困ったように笑うロザリア。
だが、
「この期に及んで、まだ悪あがきをするか。このクズ男は」
(あらあら、往生際が悪いですわよ?ファーガスさん)
発言した言葉と表情が合わなすぎた。
「・・・・・・は?」
目の前にいるロザリアの言葉に思考が追いつかずデリー一家の表情が目を見開いた顔で凍りついた。
「ロゼ、本音と建前が逆になっていないか?」
「あら?」
兄に指摘をされ、思わず小首を傾げる。
完全に無意識でした。
「ま、気持ちはわかるがな。ロゼとこの男の結婚はデリー伯爵家がアークライド公爵家の莫大な借金からの契約により成立したもの。それが、この男の明らかな有責で離縁確定なのに、今になって、離縁は無効だとか、愛人の子供がだとか、ふざけているとしか思えないな」
「流石にこの人の図々しさには呆れるしかありません」
あまりの図々しさと身勝手さと愚かさに、呆れを通り越して、最早哀れみさえも感じてしまう。
同情の余地は無いけど。
苦し紛れに愛しのサンドラの名前を出したところで、私の不快指数が増えるだけだと言うのに。
「図々しい、って、お前は俺の妻だろうが!?」
「あら、もうすぐ妻ではありません。私の父親と貴方の父上であり、デリー伯爵家当主である義父様が私達の離縁を認めているんですよ?本人の同意がなくとも両家の家長が離縁を認めれば離縁は成立する。
これはこの国の正当な法律ですわ」
「う、うるさい!!それでも、俺は、こんなの認めない!!離縁なんてしない!!俺が没落などしたらサンドラや生まれて来る子供が路頭に迷いう事になるんだぞ!!」
ギャンギャン騒ぐファーガス。
すると、
「あ、あの女妊娠していませんでしたよ」
後ろに立っていたルイスがサラッと落とした爆弾発言に、ファーガスは言葉を忘れ、固まる。
対するロザリアはさして驚いた様子もなく、
「ああ、やっぱり」
「なんだ、ロゼは気付いていたのか?」
「ええ、だってこの人と結婚して1年間は普通に夜の営みはありましたし、この人にはサンドラさんを含めて6人の愛人さんがいるんですよ?念の為にお医者様に身体を調べてもらいましたけど、私自身何処にも異常は見られませんでした。
それなのにこの5年間私にも愛人さんにも妊娠の報告はありませんでした。
サンドラさん以外は。そうよね、ヨハネス?」
「はい、お嬢様」
私がデリー夫人の後ろに控えるヨハネスに問いかけると、ヨハネスは頷く。
「ですが、実際は、アークライド公爵家の名を持つファーガス氏を奪うための虚言。
どうもサンドラはファーガス氏がアークライド公爵家の子息だと勘違いをしていたようで、子を宿したと言う嘘の既成事実で現妻であったロザリア様を追い出し自身がアークライド公爵家の妻に収まろうと目論んでいたようすです」
「まぁ、実際は寝取った男は借金の担保での入婿で、アークライド商会の権限を持っているのはロザリア様だと言う事を知った途端に顔面蒼白でしたけどね」
呆れたようにため息を吐くヨハネスと小馬鹿にしたように鼻で笑うルイス。
「な、なんで、」
信じられないと言った顔で後ろにいる2人を見るファーガス。
「本人に聞きましたからね」
ルイスはニヒルな笑みを浮かべながらファーガス拘束されている車椅子の横に立ち、懐から眼鏡を取り出し、かき上げていた前髪をクシャりと乱し前髪を下ろした。
「な!?!?」
ファーガスの目に写ったのは、ホテル・ヴェガ・クラウンで愛しのサンドラと喋っていた、アーノルドと名乗った青二才だった。
「き、貴様は!?」
「どーも、ルイス・アーノルドでーす」
ニヒルな笑顔のまま目の前で車椅子に拘束されているファーガスに笑いかけるルイス。
「いやー。なかなか面白かったですよ?アンタと一緒になってもアークライド公爵家を敵にまわすだけだと知った時の慌てようと、アンタを見限る切り替えの速さ。俺がちょっと「逃げたい?」って聞いたら、勝手にベラベラと喋ってくれましたよ。妊娠の事。アンタのアホさ加減も」
ルイスがとっても悪い顔をしていて、ファーガスさんが真実を受け入れられず、あんぐりと口を開けている。
逆に笑えますね。
「そ、そんな、う、嘘だ!!サンドラが俺を騙していたなんて!!」
「騙していたのはお互い様では?アンタだって愛人達に自分の事をアークライド公爵家の息子、ライド商会の跡取りだと言いふらしていたそうじゃないですか?」
「そ、それは、」
現実を受け入れ難いのか、反抗しようと口を開くファーガスだったが、ルイスの指摘に途端に俯き口籠る。
「・・・・・アークライド公爵家の人間なのは、事実だ。少しくらい話を盛るくらい誰でもやっている」
悔しそうに憎まれ口を開くが、その声はとても小さい。
「おいおい、私にこんな不出来で愚かな歳上の血縁者はいらないぞ?」
「こんな男が一時的にでも義理の息子だったとはな」
お兄様とお父様が傍目で見ても分かるほど侵害だと嫌そうな顔をしている。
「ファーガスさん。貴方は確かに私の婿になってアークライド公爵家とは義親子になりましたが、貴方個人に私の夫と言うだけで、跡取りでもなんでもありません。
と言うよりも、ライド商会はお兄様が後継者です。表面上の仕事を遊び程度にしかしてこなかった貴方に公爵家の後継者だと言う可能性が、万が一にもあるわけ無いじゃ無いですか」
呆れて、ため息が出てしまう。
と、その時、
「・・・・・・・・・った、」
「はい?」
「ッ、悪かったっと言っている」
ファーガスさんの絞り出すような声で、何かを言っている。
俯いていた顔を上げると、何故か熱っぽい視線で私を見つめて来る。
「俺が、悪かった。全部謝る。サンドラの事も諦める。心を入れ替えて真面目に働く。ロザリアの事もちゃんと愛する事をここに誓う。また仲の良かったあの頃に戻ろう。だから、離縁は無しにしよう」
「え?嫌です」
ロザリアは真顔で即答で答えた。
21
あなたにおすすめの小説
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
白い結婚のはずでしたが、いつの間にか選ぶ側になっていました
ふわふわ
恋愛
王太子アレクシオンとの婚約を、
「完璧すぎて可愛げがない」という理不尽な理由で破棄された
侯爵令嬢リオネッタ・ラーヴェンシュタイン。
涙を流しながらも、彼女の内心は静かだった。
――これで、ようやく“選ばれる人生”から解放される。
新たに提示されたのは、冷徹無比と名高い公爵アレスト・グラーフとの
白い結婚という契約。
干渉せず、縛られず、期待もしない――
それは、リオネッタにとって理想的な条件だった。
しかし、穏やかな日々の中で、
彼女は少しずつ気づいていく。
誰かに価値を決められる人生ではなく、
自分で選び、立ち、並ぶという生き方に。
一方、彼女を切り捨てた王太子と王城は、
静かに、しかし確実に崩れていく。
これは、派手な復讐ではない。
何も奪わず、すべてを手に入れた令嬢の物語。
白い結婚のはずでしたが、理屈で抗った結果すべて自分で詰ませました
鷹 綾
恋愛
「完璧すぎて可愛げがない」
そう言われて王太子から婚約破棄された公爵令嬢ノエリア・ヴァンローゼ。
――ですが本人は、わざとらしい嘘泣きで
「よ、よ、よ、よ……遊びでしたのね!」
と大騒ぎしつつ、内心は完全に平常運転。
むしろ彼女の目的はただ一つ。
面倒な恋愛も政治的干渉も避け、平穏に生きること。
そのために選んだのは、冷徹で有能な公爵ヴァルデリオとの
「白い結婚」という、完璧に合理的な契約でした。
――のはずが。
純潔アピール(本人は無自覚)、
排他的な“管理”(本人は合理的判断)、
堂々とした立ち振る舞い(本人は通常運転)。
すべてが「戦略」に見えてしまい、
気づけば周囲は完全包囲。
逃げ道は一つずつ消滅していきます。
本人だけが最後まで言い張ります。
「これは恋ではありませんわ。事故ですの!」
理屈で抗い、理屈で自滅し、
最終的に理屈ごと恋に敗北する――
無自覚戦略無双ヒロインの、
白い結婚(予定)ラブコメディ。
婚約破棄ざまぁ × コメディ強め × 溺愛必至。
最後に負けるのは、世界ではなく――ヒロイン自身です。
-
貴方に私は相応しくない【完結】
迷い人
恋愛
私との将来を求める公爵令息エドウィン・フォスター。
彼は初恋の人で学園入学をきっかけに再会を果たした。
天使のような無邪気な笑みで愛を語り。
彼は私の心を踏みにじる。
私は貴方の都合の良い子にはなれません。
私は貴方に相応しい女にはなれません。
王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~
由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。
両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。
そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。
王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。
――彼が愛する女性を連れてくるまでは。
〖完結〗私を捨てた旦那様は、もう終わりですね。
藍川みいな
恋愛
伯爵令嬢だったジョアンナは、アンソニー・ライデッカーと結婚していた。
5年が経ったある日、アンソニーはいきなり離縁すると言い出した。理由は、愛人と結婚する為。
アンソニーは辺境伯で、『戦場の悪魔』と恐れられるほど無類の強さを誇っていた。
だがそれは、ジョアンナの力のお陰だった。
ジョアンナは精霊の加護を受けており、ジョアンナが祈り続けていた為、アンソニーは負け知らずだったのだ。
精霊の加護など迷信だ! 負け知らずなのは自分の力だ!
と、アンソニーはジョアンナを捨てた。
その結果は、すぐに思い知る事になる。
設定ゆるゆるの架空の世界のお話です。
全10話で完結になります。
(番外編1話追加)
感想の返信が出来ず、申し訳ありません。全て読ませて頂いております。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる