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最終章 剣聖と5人の超人
剣聖と5人の超人(7)
しおりを挟む――― ヘルドゥーソ、サイエン vs オレスト、アデリナ、ヘンリック、クラウス、リンリン、リタ、ヴォルドヴァルド ―――
「ええいッ! くそったれの聖剣め!」
体を再生したヘルドゥーソが毒付きながら立ち上がる。それを呆れ顔で見つめるサイエン。
「ヘルドゥーソ。お主、弱点が多すぎるわい。まあ、この地ではあまり関係のないことじゃが……」
「フゥ……まあ、そういうことだ。だが、あれにやられたら、お前とてタダではすまんのだぞ」
言われて、確かに、と首をすくめるサイエン。
そして、その間にリンリンは回復魔法を唱え、気を失っていたオレスト達を回復させる。
「ククク……また雑魚どもが起きてしまったわ。おい、サイエン。お前、全員を相手せよ」
「無茶言いよるのう」
顔をしかめるサイエンだが、この辺りも想定の範囲内なのか、2人で事前に決めていたのか。何故かヘルドゥーソの無茶な命令に従う素ぶりを見せるサイエン。
「フゥ。気がついたらジジイが1人増えてやがるな。あれが最後の超人、サイエンって奴か」
そして双剣を手に取り、その場で発射する衝撃波ッ!
ブゥンブゥンッッ!!
それにヘンリックの連続の衝撃波が加わる!
バシュバシュバシュッッ!!
それらを防ぐ素ぶりすら見せないサイエン。衝撃波はサイエンの体の直前で何かに阻まれて霧散する。
「ほう? お前、物理無効か」
剣を肩に担ぎ、オレストが言葉をかける。
「まあ……そういうことじゃな」
そう言うとふわりふわりと宙を舞うサイエン。
「ワシに傷をつけられるのは、そこの可愛らしいリタちゃんだけじゃ」
何やらニヤリと嫌らしい顔付きをするサイエンにフンッと鼻を鳴らすリタ。
「なら、お相手するわ!」
「待て、乗るな。誘ってやがる」
逸るリタをオレストが制する。
「なに。奴の無効化は物理のみ。奴の魔力耐性を上回ればよいことじゃ」
そう言うと黄金色のオーラを身に纏い出すリンリン。
「食らぇぇぇぇいッッ!!」
不意に打ち出されたヘルドゥーソからのビーム!!
一直線に、何故かクラウスを狙う!!
「『絶対障壁』!」
驚きながらもクラウスもこの旅を続け、歴戦の勇士となった。落ち着いて前面に絶対防御を展開!
不意に背後に気配を感じたクラウスが振り返ると……サイエン!
「え……?」
クラウスの背後に瞬時に移動したサイエンが、首に縄をかけ、魔法で締め上げる。
「ぐあッ!!」
「クラウスッ!!」
「サイエンッ!!」
辛うじて縄に指を入れたクラウス、だが人間の力で太刀打ちできない力で締め付けられる!
リタ、アデリナがクラウスを、オレスト、ヘンリック、ヴォルドヴァルドがサイエンを攻撃、それぞれ、この縄の魔法を解かせる為に動く!
そしてリンリン。
彼女が持つ最大最強の召喚により、サイエンを消し飛ばす最終詠唱に入っていた。
「精霊、神霊、魔神を束ねる最強の王。汝の力を我にかせ! け……ああああああ!!」
リンリンの悲鳴に皆、振り向く。
そこには詠唱中のリンリンに直接手を当て、闇の波動を加え、してやったりの笑みを浮かべるヘルドゥーソがいたッッ!!
口から泡を吹き、再度気を失ってしまうクラウス。
目の色が消え、遂にヘルドゥーソの傀儡となってしまったリンリン。
リンリンが召喚した蛇の王が矛先をオレスト達に向け始める。
そしてヘルドゥーソの勝ち誇った笑いが響く!
「……フ……フハハハハッッ! やった。遂にリンリンを手に入れたぞ!!」
――― サミジナ vs ヒムニヤ、リディア、コンスタンティン、マメ、マッツ、ディヴィヤ、ラディカ、ナディヤ ―――
「これ以上、『死者召喚』を詠唱させてはならん! 隙を与えるな!」
ヒムニヤの檄に皆、武器を構え、サミジナに向かう。
だが、遂に『荊の縛鎖』から抜け出すサミジナがモゴモゴと口を動かし始める。
「もう無理だぜ、馬面ァァ! 火竜剣技!」
マッツが剣技のモーションに入る!
その後ろで詠唱するリディアのオリジナルスペル!
「『全属性付与』!」
魔力無効エリアで見せた、リディアの神懸かった威力を持つバフ魔法がその場にいる全員にかかる。物理攻撃武器に桁外れな攻撃力向上と、全属性追加ダメージの加護が宿る。対する敵に合わせ、自動的に苦手属性に切り替わり、追加ダメージを与える!!
「オゥラァァァ!『突』!!」
唸りを上げ、サミジナに向かう炎のトルネード!
それを避けることも無く片手で弾くサミジナ。
だが突の着弾と合わせ、コンスタンティンの爆撃魔法が炸裂する!
ドォォォォォォォォォォォォォォォンッッ!
「ふおっ」
ダメージはないものの、吹き飛ばされるサミジナ。
そして落下地点目掛けて放たれるヒムニヤの無詠唱魔法。
ドンッ!
これもダメージはないが、反動で数歩後ずさる。
そこにナディヤ、ラディカが、斬り込む。
元暗殺者らしく掛け声も無く、同時に振り落とされた2本の剣をバックステップで軽やかに躱すサミジナ。
そして、必殺の死者召喚魔法を唱えるッ!
「『死者召……』」
ザスッ!!
リディアのバフで強靭な武器となったファルシオンが一閃!!
ゴトリ……
馬の首が胴から離れ、ゆっくりと消えゆくサミジナ。
トドメを刺したのは……ディヴィヤだ。
その前のラディカ、ナディヤの空振りから、既に必殺の連携に入っていたのだ。
「やった……ディヴィヤ!」
そう声を掛けるマッツにディヴィヤが小さく笑みで返す。
「よし、残るはヘルドゥーソだ! だが、サイエンもいる。気を付けろ!」
「「「「おおお!!」」」」
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