63 / 154
砂漠の王太子
063.囚われのロゼルタ(後)
しおりを挟む
マッカがブンと音が鳴るほどの勢いで腕を振る。それだけで風圧がロゼルタを襲う。彼女の背後の壁がミシミシと音を立て、ヒビが入った。
この部屋はマッカが愉しむ為、他の部屋よりもかなり強度を増して改築されている。それがなければ壁は粉々になっていただろう。
「フン。そんなそよ風じゃああたしは倒せないぜ」
「当然、今のはただの見せ技だ。さ、行くぜ」
次の瞬間、左の裏拳がロゼルタの顔面に襲い掛かる。ロゼルタはそれを鼻先数ミリで躱すと、左の拳をマッカの右の脇腹にめり込ませる。
「ごえっ」
魔力が込められたその拳はマッカの強靭な皮膚、そして筋肉をも突き破り、体内へと侵入した。更にその体内で爪を伸ばし、五指が届く範疇にある内臓を盲滅法に切り裂いた。
「痛ででで!」
そんな叫び声を上げながらも目ではロゼルタを追い、両手でその体を捕捉せんと掴みにかかった。が、その時にはもうロゼルタはマッカの背後にいた。
「ハッ。案外、柔らかい豚肉じゃねーか、マッカ」
「ぐおおおお! ロゼルタァァァ!」
鬼の形相で振り返り、大きく叫ぶマッカに対してロゼルタは指先を向け、「ブラッドシュート」と唱えた。
瞬時に彼女の指に血の様に赤い霊気が集まりだし、それらはまるで弾丸のような小さな塊となり、マッカ目掛けて一気に何十発と撃ち放たれた。
「ぐ、がががががががっ」
体中にロゼルタの魔素の弾を浴び、マッカは穴だらけになる。
「いいザマだぜ、マッカ。これで終わらせてやる」
続けて両手のひらに霊気を集中させると複雑な紋様がそこに浮かぶ。そのままとどめを刺すべくマッカに飛び込んだ!
が、実のところ、マッカのダメージは見た目程はなかったのだ。『不死身のマッカ』とも呼ばれる彼はほぼ全てのダメージは受けた次の瞬間から治癒し始める。それはヴァンパイアであるロゼルタをも上回るほどの治癒力だった。
「つ、かまえだぁ」
口から血を吐きながら目を剥いて笑うマッカの両手はロゼルタのウエストを包み込む様に完全に捉えた。
「さあ、いまからお前を気絶させ、気付いた時には手も足も出ないようにしてやる。あああ綺麗な顔だなあ」
オークチャンピオンの強烈な腕力と握力は魔神ロゼルタをして内臓が破裂する程の力だった。ロゼルタの口からも血が噴き出す。だが何故かロゼルタはそこで不敵に笑う。
「あん? 苦しくて頭がパーになったか?」
「……ケッ……これで終わらせてやると……言ったはずだぜ、豚野郎」
「なに?」
紋様が浮かんだままの両手のひらでマッカの両腕を掴む。
「へっ、吸血鬼の女王、ナメてんじゃねーぞ……生命の吸引!」
「うがあ!」
あと一息でロゼルタは気を失うと思われたが、何故かマッカは両腕を離し、それどころかそのまま後頭部から倒れ込んでしまった。
「兄貴!」
クヌムとヨアヒムが初めて見るまさかの事態に戸惑い、叫ぶ。
「クッ……馬鹿力め……だがこれで終わりだ。ズタズタに切り裂いて、やる」
生命の吸引によって得た生命力と自らの治癒力を合わせ、内臓の破損が一瞬で治癒した。だがその対価としてほぼ全ての魔素を放出した。
痛みだけが僅かに残る脇腹を抑えながら白目を剥いて仰向けに倒れているマッカに近付く。
明らかに失神している筈のマッカの体の筋肉が痙攣し、波打ちだすのに気付く。
(なんだ? 生命の吸引でこいつに生命力なんざ殆ど残っていないはず……)
(あたしも殆ど魔素が切れている。これでもまだ回復するというなら今こいつを殺すのは無理か)
(仕方ねー。こいつの血なんざ吸いたくもねーが、眷属にするしかねー)
一度、クヌム達の方を見てギロリとひと睨みして牽制し、すぐさまマッカの首元へと牙を立てようとした。
だがその瞬間!
ロゼルタの牙が折れた。
いや、正確にはマッカの手刀によって折られてしまった。
「な、なん……」
驚くロゼルタだが、その彼女の体を今度こそマッカの両腕ががっしりと抱き締めた。
「バ、バカな……なぜ……」
マッカの様子がおかしい。
青い頭髪は黒に変わり、長くなり、異様に逆立っている。瞳は相変わらずなく、白目を剥いているところを見ると気は失っているように見えるのだが、上半身全体が明らかに膨張していた。
「なん……」
背骨が全て折れた音がし、だがそれでも止むことのない怪力の抱擁でロゼルタは口から血を噴出し、そこでプツンと気を失ってしまった。
しっかりとは聞こえなかったが、最後に耳に入ったのはクヌムとヨアヒムの「兄貴が……」「オークキングに……」という悲鳴だった。
◆◇
それからどれほど時間が経ったのか。
ヴァンパイア本来の治癒力により、ロゼルタは目覚めた。
先程目覚めた時と同じ風景という事はまたベッドの上なのだろう。先程と違うのは魔人の姿であることと手足の自由が効かないことだった。マッカによって折られた牙も今は復元している様だ。
どうやら手足がロープで縛られている。
少し力を入れてそれを引っ張って見るが、ビクともしない。ならば魔力を込めて本気で、と思うがどうにも力が出ない。魔素が殆ど体内に存在しないのだ。
(こいつあ……あれか、昔リドに縛られた時のロープ……ドーンが磔にされたのも同じ……魔素を吸い出すやつか)
ふうとひとつ息を吐くと、部屋の中に気配がある事に気付いた。と同時に足元から響く野太い声がした。
「お目覚めかい、女王様」
それは人化状態に戻ったマッカだった。
ロゼルタと同じく不死身と言える治癒力でその体は何事もなかったかの様に傷のひとつもなく、『生命の吸引』で吸い取った筈の生命力も元通りになっているようだった。
ロゼルタは少し頭を上げて足元を見、ハアと溜息をついて諦めた様にバタリとまた天井を見上げた。
「ククク。降参か。ま、こうなっちゃー、お前に出来る事は俺を気持ち良くさせる事だけだからな」
「ハッ。しょうもねー。ほんと、オスってのはクズばっかだな」
ダンッ!
その言葉に怒ったのか、それとも楽しんでいるのか、不意にマッカが飛ぶ様にロゼルタの上に跨り、彼女の顔の両横に手を置いてその端正な顔を見下ろした。
一切の怯えを見せず、冷めた目でマッカを見返すロゼルタの顔をマジマジと見つめてニタリと笑った。
「クッククク。最高、最高だ、お前。本当なら道具で痛めつけたりしてえとこだが、無理だ。もう我慢できねえ」
ロゼルタの腹の上でどんどんと硬く大きくなっていくそれを前後に擦り付け、マッカは愉悦の表情を浮かべ始めた。
「た、たまんねえ。なんて柔らかい体だ。俺はこれからメルタノの三賢者とヤレる……リドだけじゃねえ、俺も……」
不意にロゼルタの視線が敵意の無い、穏やかなそれに変わる。それはロゼルタの最後の反撃を成功させるためのものだった。
(魔素が抜けていく今、この状況を切り抜けるにはこいつを眷属にするしかない)
その為には口元にマッカの首筋を持って来させなくてはならない。いやそこまで来なくても近寄りさえすれば、噛みついて死んでも離れない位の覚悟はあった。
「マッカ」
それまで黙っていたロゼルタが突然名前を呼ぶ。それは敵意の無い、むしろ穏やかで艶めかしくもある話し方だった。
「な、なんだ?」
逆に狼狽えたのはマッカの方だった。
「なあ、提案があるんだが」
「言ってみろ」
「ひとつだけ、教えてくれ。そうしたらあたしはお前のやりたいことを全て受け入れてやる。口でやれというならいくらでもナメてやるぜ」
「おおお、おおお!」
喜びに打ち震えるマッカは天井を向いて雄叫びを上げた。既にロゼルタは魔素抜きの術式が施されているロープで四肢を拘束している。魔族は絶対に自力でこれからは抜け出せないのだ。
「いいだろう、いいだろう。お前の従順な姿も見たい。言ってみろ」
「お前さっき、リドだけじゃなく自分もメルタノの三賢者とヤレるって言ったな。それはハルヴァラの事だろう? 彼女は今、どこで何をしている?」
ロゼルタの質問が意外だったのか、少し驚いた顔をし、そしてまたニタリといやらしく笑った。
「ほう、そんなことか」
自らの一物をロゼルタの腹にグイッと押し当てながら、手で彼女の顎をクイッと上げた。
「そうだ。ハルヴァラのことだ。あいつはこの30年、ずっとリドに囚われたまま、これからお前が俺にされる様なことをされ続けているはずだぜ」
「どこに、いるんだ?」
嫌悪感で顔を引き攣らせながらロゼルタが声を絞り出す。マッカは自らの怒張しきった巨大なそれを、遂にロゼルタの下半身へと手で持っていき、その股間へ当てがった。
「うーん、どうしようかなあ。教えて欲しいか? でもさっき、ひとつだけって言ってたよなあ」
「頼む、教えて、くれ」
「グフフ……たまらんなあ、ロゼルタ」
その大きな手で彼女のドレスの一部を破く様に剥ぎ取り、露わになった白い乳房を荒々しく揉みしだく。それと同時にロゼルタの秘部への圧力も高めていった。
「ま、待て、マッカ。キス……キスしてくれ」
「うおおお! ロゼルタがあ! 堕ちたぁ!」
喜び勇んで鼻がくっつくほどの距離まで顔を近づけた。
(今だ!)
口を開け、一気にマッカの首元へと襲い掛かる。だがそれより一瞬早く、マッカの両手がロゼルタの顔をがっしりと掴む。
そこでピタリと動きを止め、ロゼルタの顔を見回しながらニタニタと笑った。
「ざぁんねぇん! ククク。残念だったなあ、ロゼルタ。こうされると俺の血を吸う事は出来まい?」
「クッ……ウッ!」
ロゼルタの最後の抵抗は絶たれた。
「終わりだ、ロゼルタ。これから死ぬまで何百年あるか知らないが、よろしくな」
「この……クソッタレのゲス豚がっ!」
ズンッ!
直後、ロゼルタは途轍もない衝撃を受け、体中が仰け反った。
この部屋はマッカが愉しむ為、他の部屋よりもかなり強度を増して改築されている。それがなければ壁は粉々になっていただろう。
「フン。そんなそよ風じゃああたしは倒せないぜ」
「当然、今のはただの見せ技だ。さ、行くぜ」
次の瞬間、左の裏拳がロゼルタの顔面に襲い掛かる。ロゼルタはそれを鼻先数ミリで躱すと、左の拳をマッカの右の脇腹にめり込ませる。
「ごえっ」
魔力が込められたその拳はマッカの強靭な皮膚、そして筋肉をも突き破り、体内へと侵入した。更にその体内で爪を伸ばし、五指が届く範疇にある内臓を盲滅法に切り裂いた。
「痛ででで!」
そんな叫び声を上げながらも目ではロゼルタを追い、両手でその体を捕捉せんと掴みにかかった。が、その時にはもうロゼルタはマッカの背後にいた。
「ハッ。案外、柔らかい豚肉じゃねーか、マッカ」
「ぐおおおお! ロゼルタァァァ!」
鬼の形相で振り返り、大きく叫ぶマッカに対してロゼルタは指先を向け、「ブラッドシュート」と唱えた。
瞬時に彼女の指に血の様に赤い霊気が集まりだし、それらはまるで弾丸のような小さな塊となり、マッカ目掛けて一気に何十発と撃ち放たれた。
「ぐ、がががががががっ」
体中にロゼルタの魔素の弾を浴び、マッカは穴だらけになる。
「いいザマだぜ、マッカ。これで終わらせてやる」
続けて両手のひらに霊気を集中させると複雑な紋様がそこに浮かぶ。そのままとどめを刺すべくマッカに飛び込んだ!
が、実のところ、マッカのダメージは見た目程はなかったのだ。『不死身のマッカ』とも呼ばれる彼はほぼ全てのダメージは受けた次の瞬間から治癒し始める。それはヴァンパイアであるロゼルタをも上回るほどの治癒力だった。
「つ、かまえだぁ」
口から血を吐きながら目を剥いて笑うマッカの両手はロゼルタのウエストを包み込む様に完全に捉えた。
「さあ、いまからお前を気絶させ、気付いた時には手も足も出ないようにしてやる。あああ綺麗な顔だなあ」
オークチャンピオンの強烈な腕力と握力は魔神ロゼルタをして内臓が破裂する程の力だった。ロゼルタの口からも血が噴き出す。だが何故かロゼルタはそこで不敵に笑う。
「あん? 苦しくて頭がパーになったか?」
「……ケッ……これで終わらせてやると……言ったはずだぜ、豚野郎」
「なに?」
紋様が浮かんだままの両手のひらでマッカの両腕を掴む。
「へっ、吸血鬼の女王、ナメてんじゃねーぞ……生命の吸引!」
「うがあ!」
あと一息でロゼルタは気を失うと思われたが、何故かマッカは両腕を離し、それどころかそのまま後頭部から倒れ込んでしまった。
「兄貴!」
クヌムとヨアヒムが初めて見るまさかの事態に戸惑い、叫ぶ。
「クッ……馬鹿力め……だがこれで終わりだ。ズタズタに切り裂いて、やる」
生命の吸引によって得た生命力と自らの治癒力を合わせ、内臓の破損が一瞬で治癒した。だがその対価としてほぼ全ての魔素を放出した。
痛みだけが僅かに残る脇腹を抑えながら白目を剥いて仰向けに倒れているマッカに近付く。
明らかに失神している筈のマッカの体の筋肉が痙攣し、波打ちだすのに気付く。
(なんだ? 生命の吸引でこいつに生命力なんざ殆ど残っていないはず……)
(あたしも殆ど魔素が切れている。これでもまだ回復するというなら今こいつを殺すのは無理か)
(仕方ねー。こいつの血なんざ吸いたくもねーが、眷属にするしかねー)
一度、クヌム達の方を見てギロリとひと睨みして牽制し、すぐさまマッカの首元へと牙を立てようとした。
だがその瞬間!
ロゼルタの牙が折れた。
いや、正確にはマッカの手刀によって折られてしまった。
「な、なん……」
驚くロゼルタだが、その彼女の体を今度こそマッカの両腕ががっしりと抱き締めた。
「バ、バカな……なぜ……」
マッカの様子がおかしい。
青い頭髪は黒に変わり、長くなり、異様に逆立っている。瞳は相変わらずなく、白目を剥いているところを見ると気は失っているように見えるのだが、上半身全体が明らかに膨張していた。
「なん……」
背骨が全て折れた音がし、だがそれでも止むことのない怪力の抱擁でロゼルタは口から血を噴出し、そこでプツンと気を失ってしまった。
しっかりとは聞こえなかったが、最後に耳に入ったのはクヌムとヨアヒムの「兄貴が……」「オークキングに……」という悲鳴だった。
◆◇
それからどれほど時間が経ったのか。
ヴァンパイア本来の治癒力により、ロゼルタは目覚めた。
先程目覚めた時と同じ風景という事はまたベッドの上なのだろう。先程と違うのは魔人の姿であることと手足の自由が効かないことだった。マッカによって折られた牙も今は復元している様だ。
どうやら手足がロープで縛られている。
少し力を入れてそれを引っ張って見るが、ビクともしない。ならば魔力を込めて本気で、と思うがどうにも力が出ない。魔素が殆ど体内に存在しないのだ。
(こいつあ……あれか、昔リドに縛られた時のロープ……ドーンが磔にされたのも同じ……魔素を吸い出すやつか)
ふうとひとつ息を吐くと、部屋の中に気配がある事に気付いた。と同時に足元から響く野太い声がした。
「お目覚めかい、女王様」
それは人化状態に戻ったマッカだった。
ロゼルタと同じく不死身と言える治癒力でその体は何事もなかったかの様に傷のひとつもなく、『生命の吸引』で吸い取った筈の生命力も元通りになっているようだった。
ロゼルタは少し頭を上げて足元を見、ハアと溜息をついて諦めた様にバタリとまた天井を見上げた。
「ククク。降参か。ま、こうなっちゃー、お前に出来る事は俺を気持ち良くさせる事だけだからな」
「ハッ。しょうもねー。ほんと、オスってのはクズばっかだな」
ダンッ!
その言葉に怒ったのか、それとも楽しんでいるのか、不意にマッカが飛ぶ様にロゼルタの上に跨り、彼女の顔の両横に手を置いてその端正な顔を見下ろした。
一切の怯えを見せず、冷めた目でマッカを見返すロゼルタの顔をマジマジと見つめてニタリと笑った。
「クッククク。最高、最高だ、お前。本当なら道具で痛めつけたりしてえとこだが、無理だ。もう我慢できねえ」
ロゼルタの腹の上でどんどんと硬く大きくなっていくそれを前後に擦り付け、マッカは愉悦の表情を浮かべ始めた。
「た、たまんねえ。なんて柔らかい体だ。俺はこれからメルタノの三賢者とヤレる……リドだけじゃねえ、俺も……」
不意にロゼルタの視線が敵意の無い、穏やかなそれに変わる。それはロゼルタの最後の反撃を成功させるためのものだった。
(魔素が抜けていく今、この状況を切り抜けるにはこいつを眷属にするしかない)
その為には口元にマッカの首筋を持って来させなくてはならない。いやそこまで来なくても近寄りさえすれば、噛みついて死んでも離れない位の覚悟はあった。
「マッカ」
それまで黙っていたロゼルタが突然名前を呼ぶ。それは敵意の無い、むしろ穏やかで艶めかしくもある話し方だった。
「な、なんだ?」
逆に狼狽えたのはマッカの方だった。
「なあ、提案があるんだが」
「言ってみろ」
「ひとつだけ、教えてくれ。そうしたらあたしはお前のやりたいことを全て受け入れてやる。口でやれというならいくらでもナメてやるぜ」
「おおお、おおお!」
喜びに打ち震えるマッカは天井を向いて雄叫びを上げた。既にロゼルタは魔素抜きの術式が施されているロープで四肢を拘束している。魔族は絶対に自力でこれからは抜け出せないのだ。
「いいだろう、いいだろう。お前の従順な姿も見たい。言ってみろ」
「お前さっき、リドだけじゃなく自分もメルタノの三賢者とヤレるって言ったな。それはハルヴァラの事だろう? 彼女は今、どこで何をしている?」
ロゼルタの質問が意外だったのか、少し驚いた顔をし、そしてまたニタリといやらしく笑った。
「ほう、そんなことか」
自らの一物をロゼルタの腹にグイッと押し当てながら、手で彼女の顎をクイッと上げた。
「そうだ。ハルヴァラのことだ。あいつはこの30年、ずっとリドに囚われたまま、これからお前が俺にされる様なことをされ続けているはずだぜ」
「どこに、いるんだ?」
嫌悪感で顔を引き攣らせながらロゼルタが声を絞り出す。マッカは自らの怒張しきった巨大なそれを、遂にロゼルタの下半身へと手で持っていき、その股間へ当てがった。
「うーん、どうしようかなあ。教えて欲しいか? でもさっき、ひとつだけって言ってたよなあ」
「頼む、教えて、くれ」
「グフフ……たまらんなあ、ロゼルタ」
その大きな手で彼女のドレスの一部を破く様に剥ぎ取り、露わになった白い乳房を荒々しく揉みしだく。それと同時にロゼルタの秘部への圧力も高めていった。
「ま、待て、マッカ。キス……キスしてくれ」
「うおおお! ロゼルタがあ! 堕ちたぁ!」
喜び勇んで鼻がくっつくほどの距離まで顔を近づけた。
(今だ!)
口を開け、一気にマッカの首元へと襲い掛かる。だがそれより一瞬早く、マッカの両手がロゼルタの顔をがっしりと掴む。
そこでピタリと動きを止め、ロゼルタの顔を見回しながらニタニタと笑った。
「ざぁんねぇん! ククク。残念だったなあ、ロゼルタ。こうされると俺の血を吸う事は出来まい?」
「クッ……ウッ!」
ロゼルタの最後の抵抗は絶たれた。
「終わりだ、ロゼルタ。これから死ぬまで何百年あるか知らないが、よろしくな」
「この……クソッタレのゲス豚がっ!」
ズンッ!
直後、ロゼルタは途轍もない衝撃を受け、体中が仰け反った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる