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第5話 NTR
元カレ
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酔うとセックスしたくなる人種
自分がつきあっている彼の前で僕をホテルまで連れ込んだ。
見た目と態度の小ささで騙された。酒が弱いのも嘘だ。本性は大胆不敵で欲望に忠実。
「先輩ったら朝までやるんですよ、僕もう寝たいのに」
荷物を安っぽいソファに置いて、青年はネクタイを外し始めた。
「帰ればいいじゃないか。明日も仕事ですって言って」
「聞いてくれる人だと思います?」
「さあな。あいつは自分勝手だから」
「でしょう?」
「でもつき合ってるんだろ?」
「…どうなんでしょうね」
「肉体関係があればそうなんじゃね?」
放っておくとずっとしゃべってそうなので、俺はシャワーを浴びにいく。
ホテルなんて久しぶりだ。だいたいはどちらかの部屋だった。
バスローブを着て戻ると、青年はソファに座ってテレビのリモコンを操作しながらテレビを見ていたが、僕をみつけると「待っててください」といってバスルームへ消えていく。
アルコールで理性ぶっ飛ばすと本当の自分が出る。普段よっぽど人に気を使って気疲れしているんだろう。初めて見た時の怯えた様子を思い出す。
顔がかわいくてよかったな。不安げな青年に助けを求められてそれに惹かれるのもわかる。
おとなしくて従順で自分に逆らわない。それが奴の好み。
そんな都合のいい人間なんかいるかっつーの。
バスルームから出てきた青年をベッドに押し倒して、ふと気がつく。
「君ってどっち?」
「えっと…、抱かれる…ほう」
まさかのネコ同士かい。
「そう。じゃ不都合はない」
僕は初めて抱かれるんじゃなくて抱いた。
体が順応しているなら、ヤることは男も女も同じだ。
ホテルに備え付けの安いコンドームを取って素早くつける。この時間がかなり気まずい。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて青年の肉癖を前後にこする。
こいつセフレが数人いるな。酔ったら誰でもいいから寝る性欲の強さ。
ここで僕と別れてからも、物足りなくて次の男に連絡するかもしれない。
確かに彼の中は吸い付くようで気持ちいい。
僕の彼氏を奪った男を寝取った。
別に復讐するとか、そんな気はない。ワンナイトの相手がたまたまこいつだっただけ。
でもむなしさを感じるのは、やっぱり僕は彼のこと本気で好きだったんだろうな。
「連絡先は教えてくれないの?」
全ての行為が終わってシャツに袖を通してネクタイを締めていると、シーツに裸体を隠すようにベッドに座っている青年が聞いてきた。
名刺は渡したが会社の番号しか書いていない。
個人的なことはお互い何も知らない。
「彼がいるでしょ。今夜はノリだったけどこれからは彼と仲良くしな」
「でも…」
「あいつスマホのロック外す天才だぜ。どこにいるかGPSで監視しているから今夜のことはうまくごまかせよ」
青年の顔色が悪くなっていく。
でもそれは彼氏に浮気がバレるのが怖いのか、セフレをひとり失う損得勘定かまではわからない。
案外あいつのほうがセフレなのかもしれないし。
そう思うと滑稽だ。
僕は笑いをこらえながら先に部屋を出た。
自分がつきあっている彼の前で僕をホテルまで連れ込んだ。
見た目と態度の小ささで騙された。酒が弱いのも嘘だ。本性は大胆不敵で欲望に忠実。
「先輩ったら朝までやるんですよ、僕もう寝たいのに」
荷物を安っぽいソファに置いて、青年はネクタイを外し始めた。
「帰ればいいじゃないか。明日も仕事ですって言って」
「聞いてくれる人だと思います?」
「さあな。あいつは自分勝手だから」
「でしょう?」
「でもつき合ってるんだろ?」
「…どうなんでしょうね」
「肉体関係があればそうなんじゃね?」
放っておくとずっとしゃべってそうなので、俺はシャワーを浴びにいく。
ホテルなんて久しぶりだ。だいたいはどちらかの部屋だった。
バスローブを着て戻ると、青年はソファに座ってテレビのリモコンを操作しながらテレビを見ていたが、僕をみつけると「待っててください」といってバスルームへ消えていく。
アルコールで理性ぶっ飛ばすと本当の自分が出る。普段よっぽど人に気を使って気疲れしているんだろう。初めて見た時の怯えた様子を思い出す。
顔がかわいくてよかったな。不安げな青年に助けを求められてそれに惹かれるのもわかる。
おとなしくて従順で自分に逆らわない。それが奴の好み。
そんな都合のいい人間なんかいるかっつーの。
バスルームから出てきた青年をベッドに押し倒して、ふと気がつく。
「君ってどっち?」
「えっと…、抱かれる…ほう」
まさかのネコ同士かい。
「そう。じゃ不都合はない」
僕は初めて抱かれるんじゃなくて抱いた。
体が順応しているなら、ヤることは男も女も同じだ。
ホテルに備え付けの安いコンドームを取って素早くつける。この時間がかなり気まずい。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて青年の肉癖を前後にこする。
こいつセフレが数人いるな。酔ったら誰でもいいから寝る性欲の強さ。
ここで僕と別れてからも、物足りなくて次の男に連絡するかもしれない。
確かに彼の中は吸い付くようで気持ちいい。
僕の彼氏を奪った男を寝取った。
別に復讐するとか、そんな気はない。ワンナイトの相手がたまたまこいつだっただけ。
でもむなしさを感じるのは、やっぱり僕は彼のこと本気で好きだったんだろうな。
「連絡先は教えてくれないの?」
全ての行為が終わってシャツに袖を通してネクタイを締めていると、シーツに裸体を隠すようにベッドに座っている青年が聞いてきた。
名刺は渡したが会社の番号しか書いていない。
個人的なことはお互い何も知らない。
「彼がいるでしょ。今夜はノリだったけどこれからは彼と仲良くしな」
「でも…」
「あいつスマホのロック外す天才だぜ。どこにいるかGPSで監視しているから今夜のことはうまくごまかせよ」
青年の顔色が悪くなっていく。
でもそれは彼氏に浮気がバレるのが怖いのか、セフレをひとり失う損得勘定かまではわからない。
案外あいつのほうがセフレなのかもしれないし。
そう思うと滑稽だ。
僕は笑いをこらえながら先に部屋を出た。
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