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第1章「私の事象」
第1章「私の事象」その8
しおりを挟むホームルームが終わり、私は鞄を背負って、ポケットにある携帯を探した。
でも無かった。
初めは気のせいだと思ったけど、ポケットの底まで手を突っ込んでも無いことが分かって、少し焦ってしまった。
しばらく考えていると、6限の体育のことを思い出した。
そういえば、私は制服で体育の授業を見学していて、その時に床に携帯を置いてしまっていたのだ。
千早希、有紗に先に帰ってほしいと告げて、急いで体育館に向かった。
走ることはなく、早歩きで階段を下りて、廊下を渡る。
もしバレー部とか卓球部が使っていたら、入るの気まずいな。
もしかしたら、誰かが見つけて職員室に届けているかもしれない。
そしたら、体育の授業中に携帯を持っていたと怒られるかもしれない。
悪い方向に考えが先走って、鼓動が速まっていく。
いけない、息がしづらい、落ち着け。
大丈夫、きっと大丈夫。
体育館の前に着くと、とても静かだった。
誰もいないのかな、緊張しながらドアを開けると、一人の女の子がいた。
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