14 / 15
14.陛下にはお見通しだったようです 2
しおりを挟む
「エレオノーラ、力を抜け」
緊張のあまりガチガチになった私に、アルトウィン様が唇を離して告げる。
「お戯れは、おやめください……」
「戯れではない。俺は本気だ」
そう囁いてアルトウィン様が再び口づけてくる。
今度の口づけは、さっきよりも優しいものだった。一方的に押し付けるばかりだった舌先がやわらかく私の舌を絡めとる。
その途端、ゾクゾクと今までに感じたことのないほどの快感が背筋を駆け抜けた。
私の反応に気付いたらしいアルトウィン様が、舌先を動かす。やわらかく、優しく、しつこく、私の舌を追いかける。
「……ッ、……!」
執拗な追撃にこのゾクゾクが止まらない。
それに合わせるかのように、アルトウィン様が私の胸の頂に触れてくる。指先でこすられると今までに感じたことのない甘い痺れが全身に広がる。
突然、アルトウィン様の爪が私の乳嘴をひっかいた。
「う……ふぅ……っ、ん……!」
突然の強い刺激に思わず声が出る。口づけで封じられているので、鼻から抜けるような声だ。
出したこともないようなあまったるい声に、恥ずかしくてたまらない。
「心はともかく、体は素直だな」
私の恥じらいに気付いたのか、アルトウィン様が唇を離してからかうように言う。
「だ……だって……!」
「素直な君はかわいいよ、エレオノーラ」
そう言ってアルトウィン様が体をずらし、ぱくりと私の乳首を咥えこんだ。
指とは違う感触に思わず背中が反ってしまう。そんな私の様子にアルトウィン様が小さく笑った気配があった。私の反応を楽しんでいるようだが、私にはどうすることもできない。だって、体が勝手に反応するのだ。
アルトウィン様が乳首を舌先で舐めたり唇で食んだりするたびに体が震える。ご丁寧に、片方に唇を寄せている間、もう片方は指先で転がされっぱなし。
淫靡な刺激に呼吸も荒くなり、心拍数も上がる。
体の奥がずきずきと疼いて苦しい。
体がどうにかしろと訴えてくるが、体の自由を奪われている私にはどうすることもできない。
その時、スッとアルトウィン様の手が私の腹を撫でて下半身へと伸びる。
胸への刺激に気を取られていて反応が遅れてしまった。はっと思った時にはすでにアルトウィン様の指先は下生えをかきわけ、襞の奥に届いていた。
くい、と指先で襞を広げた瞬間、どろりと何かかが体の奥からあふれるのがわかった。
「すごいな、びしょびしょだ」
そのあふれたものを指先ですくいながらアルトウィン様が胸元で笑う。
「これは君の体が俺に触られて喜んでいる証拠」
吐息が胸にかかる。目の前でアルトウィン様の髪の毛が揺れる。本当は銀色なのに、黒色にしているのは変装のためだろうか。アルトウィン様の銀髪はこの国ではとても珍しいからだ。
本当はまっすぐな髪の毛なのに、癖をつけているのも、きっと、変装のためなのだろう。これに仮面をつけたら瞳の色が隠れて、誰なのかわからなくなる。
「初めてなのにここまで反応してくれて嬉しいよ、エレオノーラ」
すくったぬるつきを襞の内側に塗り広めながら、アルトウィン様が嬉しげに囁く。
「君に嫌われたくなくて自重してきたが、こんなことならもっと早くに君に手を出すべきだった」
アルトウィン様の指がするりと私のもっとも敏感な突起を撫でる。
「……っ」
体が大きく跳ねる。息ができない。
「君を妃に選んだ途端、君は元気をなくしただろう? 心配して、コリンナと共謀した。君がコリンナに連れていかれた占い師、あれの正体はコリンナだ」
「……え……?」
アルトウィン様はしつこく私の尖りを撫で続ける。
「コリンナに占い師のかっこうをしてもらって、君の悩みを聞き出した。とんでもない勘違いに、裏で二人して笑ったよ。そして君をマールバラに導くようコリンナに指示したのは俺だ。思考力が鈍くなるお香まで焚いてね。とても貴重な代物なんだ、王侯貴族の花嫁しか持たせてもらえない。初夜に欠かせない道具らしい……政略結婚は気苦労が多いね」
コリンナ?
占い師?
脳裏にいつぞやの占い師の姿が浮かぶ。
あの人の正体がコリンナ?
老婆にしか見えなかったわ……。
それにあの時の甘い匂いにはそんな作用があったなんて。
「でも、声が……、違っていたわ……」
「お香が効かないようにコリンナは鼻に詰め物をしていたからかな。まあ、もともと彼女はいくつもの声音を使い分けることができる。妙な特技が多いんだよ、知らないだろう?」
「知らない、そんなの……コリンナの、特技なんて……。それに、なぜ……」
「君が俺の言葉を信じてくれなかったこと、俺から逃げ出そうとしたことが許せなかったからだ。君を懲らしめる必要があると思った」
するりとアルトウィン様の指が尖りから離れ、その奥にあるぬかるみの元へ滑り降りた。次は何をする気だろうと思う間もなく、つぷ……と長い指が差し込まれる。
突然の異物の侵入に私は体をこわばらせた。
アルトウィン様は構わずずぶずぶと指を差し込んでいき、ゆっくりと中を撫で始めた。
「俺はエレオノーラのために生きてきたのに、君には何ひとつ伝わっていなかった。それが悔しかった」
体の中で指先がうごめき、何かを探っている。指の腹で内側をこすられていくうちに、尖りをこすられているのと同じような疼きが生まれてくる。
「エレオノーラの中はこうなっているのか。すごいな。吸い付いてくるし、締め付けてもくる。これは本番が楽しみだ」
ぺろりとアルトウィン様が私の胸の頂を舐める。
腰が跳ねる。
それに味を占めたのか、アルトウィン様は私の胸に吸い付きながら差し込んだ指を動かしていく。
最初は違和感が大きかった。痛いことをされるのかもしれないという恐怖もあった。けれどアルトウィン様の動きがわかってくるにつれ、異物感は消え、今はもう指先の動きを追いかけることしかできない。
体の奥が熱くてたまらない。ずきずきとした疼きは今や耐え難いほどになり、無意識のうちにアルトウィン様の体に自分の体を押し付けていた。そのせいで、アルトウィン様の指がずっと深いところまで届く。
ぎゅっと押された場所は、ずきずきと疼いているまさにその場所だった。
脳天を直撃する快感に息が止まる。
「あ……だめ、だめ……っ! アルトウィンさまぁぁっ」
体の内側で何かが弾け飛ぶ。
背中がしなり、両手を拘束している何かが手首に食い込む。たぶん痛いはずだが、それよりも全身を貫いた衝撃の方が大きかった。
目の前が真っ白になり、自分がどこにいるのかわからなくなる。
私は一瞬、気を失ったのかもしれない。
気が付くと大きく呼吸をしながらベッドに沈み込んでいた。全身が汗びっしょりだ。
「素直なエレオノーラは本当にかわいい。大きな抵抗をしないのはあのお香の影響なのかな、直接嗅がせたし……これなら大丈夫そうだな」
そんな私を見て、アルトウィン様が指を引き抜きながら笑う。
「愛しているよ、エレオノーラ。今すぐ俺のものになって」
「……え……?」
息も絶え絶えの私の目の前で、ベルトが抜き取られる音がする。何、と思って目を凝らしても、アルトウィン様のいるあたりはちょうど闇が濃くなっているところなので、よく見えない。
アルトウィン様が私の脚をつかんで大きく開く。
「えっ、あの……っ」
さっきまでアルトウィン様が指を差し込んでいたところに、指よりも大きくて硬いものが押し当てられる。
それは遠慮なく私の中に入り込み、隘路を開いていく。
指では感じなかった体を引き裂かれるような痛みが走り、口から悲鳴がほとばしる。それでもアルトウィン様は動きを止めることはなかった。
「全部入ったよ。俺は今、エレオノーラの中にいる」
アルトウィン様が笑う。その時、窓の外で大きな炸裂音がし、窓の外が昼間のように明るくなった。
驚いて目を向けると、次々と大きな音が響いて花火が夜空に開いていた。
そうだわ、今日は年に一度の花火が上がる日……。
花火は次々と打ち上げられる。
私は視線をアルトウィン様に戻した。その明かりに照らされて、私にのしかかっているアルトウィン様の下半身が、私と重なっているのが見えた。
暗がりだとよくわからなかったが、私たちは今、つながっている。
「……っ!」
さすがに何が起きているのかわかった。逃げ場なんてないのにとっさに体を退こうとした私に気付き、アルトウィン様が私の腰をつかむ。
「逃げるな。頼む……もう逃げないでくれ」
懇願の響きに気付いて私が動きを止めると、アルトウィン様が腰を押し付けてきた。私はつかまっているので動けない。ぐりぐりと最奥を押されると、一度は解放されておさまっていた疼きが再び目を覚ます。
「ぴったり吸い付いてくる……エレオノーラも感じているのか?」
アルトウィン様から生えているモノが私に突き刺さっている。アルトウィン様が体を動かすたびにそれが私の内側をこすりあげて、たまらない愉悦をもたらす。
「あ、あ、あ……」
中を味わうようにゆっくり出し入れされるたびに、ビリビリとそこから強い波が体中に押し寄せる。この波は癖になる。何度でも味わいたい。この波に流されるまま溺れてしまっていいのか、抗うべきなのか、私にはわからない。
「エレオノーラ」
でも抗うのは難しい気がする。波を起こしているのがアルトウィン様だからだ。
想うのがつらいと感じた時期もあった。でもやっぱりこうして私を見つめながら名前を呼ばれると、この方が好きなんだという気持ちが心に広がる。
私たちはイケナイことをしている。でも一緒にいるのはアルトウィン様だ。
アルトウィン様と一緒なら……アルトウィン様となら、禁を犯してもかまわない。
私はこの方が好き。
小さい頃から大好きだった。私の王子様。
でもアルトウィン様のお気持ちがどこにあるのかわからない。コリンナとは仲がいい。
エレオノーラじゃない。君はいらない。そう言われるのが怖かった。
「エレオノーラ……」
アルトウィン様が私の名を呼びながら、膝を抱えて持ち上げる。尻が浮くとつながってる場所がよりはっきりと見える。私を揺さぶりながら、アルトウィン様が秘所の肉の尖りに触れてくる。指先でくるくると撫でられて体がわなないた。
「俺がこういうことをしたいと思うのは、君だけだ」
「あ……あぁ……っ」
「だからエレオノーラも、ほかの男とこういうことをしてはいけない」
「し……しません……っ」
強い刺激に目の前がちかちかする。もう何も考えられない。
「すごい締め付けだ。これは、もたないな……」
アルトウィン様が苦しげに呟いて尖りをさらにこする。送り込まれる強い刺激に私はのけぞった。
「エレオノーラ」
アルトウィン様が体を引く。ずるりと雄芯が動く。内側がこすれて気持ちいい。
「俺は君を愛している。俺から逃げることは許さない」
ぐっと体を押し付けてくる。雄芯が押し込まれて一番奥を突く。疼いてしかたがない場所に当たって目の前で星が散る。
ずきずきと疼く体の奥を突いてほしい。そこに溜まっている熱を解放してほしい。この熱をこのままにされたら、私は正気を失ってしまう。
「絶対に許さない」
アルトウィン様の動きがだんだんと早くなっていく。体の奥で熱が大きくなる。縛られた手首が痛い。
「アルトウィン様……っ」
何度も出し入れるたびに体中に広がる波が、私の意識をどんどん削っていく。
「アルトウィン様、これ、はずして……! 逃げないから!」
私は気力を振り絞ってばたばたと腕を振った。
アルトウィン様が腕を伸ばしてしゅるりと拘束をほどく。
私は自由になった腕をアルトウィン様に向かって伸ばした。アルトウィン様が体を寄せてくる。私の脚をつかんでいた手を離し、私の体に腕を回す。私もアルトウィン様の体に腕を回した。
アルトウィン様の動きが速くなる。その動きに合わせて私自身も高みに追いやられていく。
「アルトウィン様……っ、アルトウィン様ぁ! 私……っ」
「エレオノーラ……!」
「もう……っ、私……っ」
「中に出すぞ……っ!」
そう言ってアルトウィン様が私を強くかき抱く。挿入がより深まり、疼いてしかたがない場所を突かれた瞬間、その疼いてしかたがない場所にたまった熱が弾け飛んだ。
さっきよりも強い衝撃が体を駆け抜ける。このまま心臓が止まって、天国に連れていかれてしまうかもしれない。
そんな気がして怖くなって私は、アルトウィン様の体にしがみついた。
緊張のあまりガチガチになった私に、アルトウィン様が唇を離して告げる。
「お戯れは、おやめください……」
「戯れではない。俺は本気だ」
そう囁いてアルトウィン様が再び口づけてくる。
今度の口づけは、さっきよりも優しいものだった。一方的に押し付けるばかりだった舌先がやわらかく私の舌を絡めとる。
その途端、ゾクゾクと今までに感じたことのないほどの快感が背筋を駆け抜けた。
私の反応に気付いたらしいアルトウィン様が、舌先を動かす。やわらかく、優しく、しつこく、私の舌を追いかける。
「……ッ、……!」
執拗な追撃にこのゾクゾクが止まらない。
それに合わせるかのように、アルトウィン様が私の胸の頂に触れてくる。指先でこすられると今までに感じたことのない甘い痺れが全身に広がる。
突然、アルトウィン様の爪が私の乳嘴をひっかいた。
「う……ふぅ……っ、ん……!」
突然の強い刺激に思わず声が出る。口づけで封じられているので、鼻から抜けるような声だ。
出したこともないようなあまったるい声に、恥ずかしくてたまらない。
「心はともかく、体は素直だな」
私の恥じらいに気付いたのか、アルトウィン様が唇を離してからかうように言う。
「だ……だって……!」
「素直な君はかわいいよ、エレオノーラ」
そう言ってアルトウィン様が体をずらし、ぱくりと私の乳首を咥えこんだ。
指とは違う感触に思わず背中が反ってしまう。そんな私の様子にアルトウィン様が小さく笑った気配があった。私の反応を楽しんでいるようだが、私にはどうすることもできない。だって、体が勝手に反応するのだ。
アルトウィン様が乳首を舌先で舐めたり唇で食んだりするたびに体が震える。ご丁寧に、片方に唇を寄せている間、もう片方は指先で転がされっぱなし。
淫靡な刺激に呼吸も荒くなり、心拍数も上がる。
体の奥がずきずきと疼いて苦しい。
体がどうにかしろと訴えてくるが、体の自由を奪われている私にはどうすることもできない。
その時、スッとアルトウィン様の手が私の腹を撫でて下半身へと伸びる。
胸への刺激に気を取られていて反応が遅れてしまった。はっと思った時にはすでにアルトウィン様の指先は下生えをかきわけ、襞の奥に届いていた。
くい、と指先で襞を広げた瞬間、どろりと何かかが体の奥からあふれるのがわかった。
「すごいな、びしょびしょだ」
そのあふれたものを指先ですくいながらアルトウィン様が胸元で笑う。
「これは君の体が俺に触られて喜んでいる証拠」
吐息が胸にかかる。目の前でアルトウィン様の髪の毛が揺れる。本当は銀色なのに、黒色にしているのは変装のためだろうか。アルトウィン様の銀髪はこの国ではとても珍しいからだ。
本当はまっすぐな髪の毛なのに、癖をつけているのも、きっと、変装のためなのだろう。これに仮面をつけたら瞳の色が隠れて、誰なのかわからなくなる。
「初めてなのにここまで反応してくれて嬉しいよ、エレオノーラ」
すくったぬるつきを襞の内側に塗り広めながら、アルトウィン様が嬉しげに囁く。
「君に嫌われたくなくて自重してきたが、こんなことならもっと早くに君に手を出すべきだった」
アルトウィン様の指がするりと私のもっとも敏感な突起を撫でる。
「……っ」
体が大きく跳ねる。息ができない。
「君を妃に選んだ途端、君は元気をなくしただろう? 心配して、コリンナと共謀した。君がコリンナに連れていかれた占い師、あれの正体はコリンナだ」
「……え……?」
アルトウィン様はしつこく私の尖りを撫で続ける。
「コリンナに占い師のかっこうをしてもらって、君の悩みを聞き出した。とんでもない勘違いに、裏で二人して笑ったよ。そして君をマールバラに導くようコリンナに指示したのは俺だ。思考力が鈍くなるお香まで焚いてね。とても貴重な代物なんだ、王侯貴族の花嫁しか持たせてもらえない。初夜に欠かせない道具らしい……政略結婚は気苦労が多いね」
コリンナ?
占い師?
脳裏にいつぞやの占い師の姿が浮かぶ。
あの人の正体がコリンナ?
老婆にしか見えなかったわ……。
それにあの時の甘い匂いにはそんな作用があったなんて。
「でも、声が……、違っていたわ……」
「お香が効かないようにコリンナは鼻に詰め物をしていたからかな。まあ、もともと彼女はいくつもの声音を使い分けることができる。妙な特技が多いんだよ、知らないだろう?」
「知らない、そんなの……コリンナの、特技なんて……。それに、なぜ……」
「君が俺の言葉を信じてくれなかったこと、俺から逃げ出そうとしたことが許せなかったからだ。君を懲らしめる必要があると思った」
するりとアルトウィン様の指が尖りから離れ、その奥にあるぬかるみの元へ滑り降りた。次は何をする気だろうと思う間もなく、つぷ……と長い指が差し込まれる。
突然の異物の侵入に私は体をこわばらせた。
アルトウィン様は構わずずぶずぶと指を差し込んでいき、ゆっくりと中を撫で始めた。
「俺はエレオノーラのために生きてきたのに、君には何ひとつ伝わっていなかった。それが悔しかった」
体の中で指先がうごめき、何かを探っている。指の腹で内側をこすられていくうちに、尖りをこすられているのと同じような疼きが生まれてくる。
「エレオノーラの中はこうなっているのか。すごいな。吸い付いてくるし、締め付けてもくる。これは本番が楽しみだ」
ぺろりとアルトウィン様が私の胸の頂を舐める。
腰が跳ねる。
それに味を占めたのか、アルトウィン様は私の胸に吸い付きながら差し込んだ指を動かしていく。
最初は違和感が大きかった。痛いことをされるのかもしれないという恐怖もあった。けれどアルトウィン様の動きがわかってくるにつれ、異物感は消え、今はもう指先の動きを追いかけることしかできない。
体の奥が熱くてたまらない。ずきずきとした疼きは今や耐え難いほどになり、無意識のうちにアルトウィン様の体に自分の体を押し付けていた。そのせいで、アルトウィン様の指がずっと深いところまで届く。
ぎゅっと押された場所は、ずきずきと疼いているまさにその場所だった。
脳天を直撃する快感に息が止まる。
「あ……だめ、だめ……っ! アルトウィンさまぁぁっ」
体の内側で何かが弾け飛ぶ。
背中がしなり、両手を拘束している何かが手首に食い込む。たぶん痛いはずだが、それよりも全身を貫いた衝撃の方が大きかった。
目の前が真っ白になり、自分がどこにいるのかわからなくなる。
私は一瞬、気を失ったのかもしれない。
気が付くと大きく呼吸をしながらベッドに沈み込んでいた。全身が汗びっしょりだ。
「素直なエレオノーラは本当にかわいい。大きな抵抗をしないのはあのお香の影響なのかな、直接嗅がせたし……これなら大丈夫そうだな」
そんな私を見て、アルトウィン様が指を引き抜きながら笑う。
「愛しているよ、エレオノーラ。今すぐ俺のものになって」
「……え……?」
息も絶え絶えの私の目の前で、ベルトが抜き取られる音がする。何、と思って目を凝らしても、アルトウィン様のいるあたりはちょうど闇が濃くなっているところなので、よく見えない。
アルトウィン様が私の脚をつかんで大きく開く。
「えっ、あの……っ」
さっきまでアルトウィン様が指を差し込んでいたところに、指よりも大きくて硬いものが押し当てられる。
それは遠慮なく私の中に入り込み、隘路を開いていく。
指では感じなかった体を引き裂かれるような痛みが走り、口から悲鳴がほとばしる。それでもアルトウィン様は動きを止めることはなかった。
「全部入ったよ。俺は今、エレオノーラの中にいる」
アルトウィン様が笑う。その時、窓の外で大きな炸裂音がし、窓の外が昼間のように明るくなった。
驚いて目を向けると、次々と大きな音が響いて花火が夜空に開いていた。
そうだわ、今日は年に一度の花火が上がる日……。
花火は次々と打ち上げられる。
私は視線をアルトウィン様に戻した。その明かりに照らされて、私にのしかかっているアルトウィン様の下半身が、私と重なっているのが見えた。
暗がりだとよくわからなかったが、私たちは今、つながっている。
「……っ!」
さすがに何が起きているのかわかった。逃げ場なんてないのにとっさに体を退こうとした私に気付き、アルトウィン様が私の腰をつかむ。
「逃げるな。頼む……もう逃げないでくれ」
懇願の響きに気付いて私が動きを止めると、アルトウィン様が腰を押し付けてきた。私はつかまっているので動けない。ぐりぐりと最奥を押されると、一度は解放されておさまっていた疼きが再び目を覚ます。
「ぴったり吸い付いてくる……エレオノーラも感じているのか?」
アルトウィン様から生えているモノが私に突き刺さっている。アルトウィン様が体を動かすたびにそれが私の内側をこすりあげて、たまらない愉悦をもたらす。
「あ、あ、あ……」
中を味わうようにゆっくり出し入れされるたびに、ビリビリとそこから強い波が体中に押し寄せる。この波は癖になる。何度でも味わいたい。この波に流されるまま溺れてしまっていいのか、抗うべきなのか、私にはわからない。
「エレオノーラ」
でも抗うのは難しい気がする。波を起こしているのがアルトウィン様だからだ。
想うのがつらいと感じた時期もあった。でもやっぱりこうして私を見つめながら名前を呼ばれると、この方が好きなんだという気持ちが心に広がる。
私たちはイケナイことをしている。でも一緒にいるのはアルトウィン様だ。
アルトウィン様と一緒なら……アルトウィン様となら、禁を犯してもかまわない。
私はこの方が好き。
小さい頃から大好きだった。私の王子様。
でもアルトウィン様のお気持ちがどこにあるのかわからない。コリンナとは仲がいい。
エレオノーラじゃない。君はいらない。そう言われるのが怖かった。
「エレオノーラ……」
アルトウィン様が私の名を呼びながら、膝を抱えて持ち上げる。尻が浮くとつながってる場所がよりはっきりと見える。私を揺さぶりながら、アルトウィン様が秘所の肉の尖りに触れてくる。指先でくるくると撫でられて体がわなないた。
「俺がこういうことをしたいと思うのは、君だけだ」
「あ……あぁ……っ」
「だからエレオノーラも、ほかの男とこういうことをしてはいけない」
「し……しません……っ」
強い刺激に目の前がちかちかする。もう何も考えられない。
「すごい締め付けだ。これは、もたないな……」
アルトウィン様が苦しげに呟いて尖りをさらにこする。送り込まれる強い刺激に私はのけぞった。
「エレオノーラ」
アルトウィン様が体を引く。ずるりと雄芯が動く。内側がこすれて気持ちいい。
「俺は君を愛している。俺から逃げることは許さない」
ぐっと体を押し付けてくる。雄芯が押し込まれて一番奥を突く。疼いてしかたがない場所に当たって目の前で星が散る。
ずきずきと疼く体の奥を突いてほしい。そこに溜まっている熱を解放してほしい。この熱をこのままにされたら、私は正気を失ってしまう。
「絶対に許さない」
アルトウィン様の動きがだんだんと早くなっていく。体の奥で熱が大きくなる。縛られた手首が痛い。
「アルトウィン様……っ」
何度も出し入れるたびに体中に広がる波が、私の意識をどんどん削っていく。
「アルトウィン様、これ、はずして……! 逃げないから!」
私は気力を振り絞ってばたばたと腕を振った。
アルトウィン様が腕を伸ばしてしゅるりと拘束をほどく。
私は自由になった腕をアルトウィン様に向かって伸ばした。アルトウィン様が体を寄せてくる。私の脚をつかんでいた手を離し、私の体に腕を回す。私もアルトウィン様の体に腕を回した。
アルトウィン様の動きが速くなる。その動きに合わせて私自身も高みに追いやられていく。
「アルトウィン様……っ、アルトウィン様ぁ! 私……っ」
「エレオノーラ……!」
「もう……っ、私……っ」
「中に出すぞ……っ!」
そう言ってアルトウィン様が私を強くかき抱く。挿入がより深まり、疼いてしかたがない場所を突かれた瞬間、その疼いてしかたがない場所にたまった熱が弾け飛んだ。
さっきよりも強い衝撃が体を駆け抜ける。このまま心臓が止まって、天国に連れていかれてしまうかもしれない。
そんな気がして怖くなって私は、アルトウィン様の体にしがみついた。
25
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】探さないでください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
私は、貴方と共にした一夜を後悔した事はない。
貴方は私に尊いこの子を与えてくれた。
あの一夜を境に、私の環境は正反対に変わってしまった。
冷たく厳しい人々の中から、温かく優しい人々の中へ私は飛び込んだ。
複雑で高級な物に囲まれる暮らしから、質素で簡素な物に囲まれる暮らしへ移ろいだ。
無関心で疎遠な沢山の親族を捨てて、誰よりも私を必要としてくれる尊いこの子だけを選んだ。
風の噂で貴方が私を探しているという話を聞く。
だけど、誰も私が貴方が探している人物とは思わないはず。
今、私は幸せを感じている。
貴方が側にいなくても、私はこの子と生きていける。
だから、、、
もう、、、
私を、、、
探さないでください。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる