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運命
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ラッセルは複数の敵に囲まれてしまい不利にならないように
素早く動き回る事で、巧みに相手を翻弄し
複数の敵のうち、常に一人ずつと切合いながら
相手の一瞬の隙を見て、次々と敵を突き刺し倒していく
地面に倒れて、息も絶え絶えになりもがいている敵に
止(とど)めを刺していき、敵を睨み付ける。
「運が悪かったな、俺はもう泥棒じゃねえし
ここでは互いに命を盗むのに遠慮はいらねえのさ
なんたって、え~と親衛隊長じゃねえ、副隊長様だからな、へっ」
元隊長らしく、慣れた口調で
戦っている最中の周囲に散らばっている親衛隊の兵士に届くように
号令というよりも、啖呵を切る。
「野朗ども、元隊長ラッセルのお戻りだ、親衛隊は今から副隊長の俺が預かる
作戦は撤退までの時間稼ぎだ。
相手よりは少しはマシな頭(おつむ)を使え、要領よくやるぞ。
ケチケチせず腕の1、2本ぐらいはくれてやれ
身体さえ動きゃ、最後まで時間を稼げる、足掻きまくって、生き延びれば
大手柄確実なのは俺が保障してやる」
ラッセルは大声で続ける。
「王様のお気に入りの俺様と心中なら、お前らはついてるぜ
英雄として、豪華な墓に一緒に入れるからな、残された家族も鼻が高くなるぜ!
生きるも死ぬもどちらにしても、分のいい勝負ってわけだ」
この状況で、家族の事を口走ったのは、家族の事を思えば
逃げる事も考えず、最期まで生き延びるための粘りを強さを
見せるだろうという、ラッセルらしい賭けだ。
状況に屈しないで、とことん強気で減らず口をたたく
元隊長の指揮官としての復帰に、親衛隊の士気は、おのずとあがる。
「まあ、口先で引き伸ばせるとしても多少だな
親衛隊長かあ、処刑されるはずだった大泥棒を
兵士に取り立ててもらって、挙句は平民なのに親衛隊長とはな」
魔道師達が作り出した燃え盛る炎の城壁は
その力を徐々に失い始めつつあるのをラッセルは
冷静に確認はしている。
「そして、今度は貴族になれるか……
いい夢を見させてもらったぜ。
悪人にしちゃあ、案外、悪くねえ最後だぜ」
人は死ぬと思ったときには死なず
ここで死ぬのかという時にはあっさりと死ぬ。
ラッセルは処刑寸前で、王に救われ兵士になり、親衛隊長にまで取り立てられ
人にはどうしようもなく、越えることは決して叶わない
何かがあるとはっきりと感じ取り
自分の思うようにならない、運命とも言える何かを
いつでも受け入れる覚悟で、ずっと戦場に立っている。
「何人でも相手してやる、人生を早々と切り上げたいやつから、かかってきやがれ」
ラッセルに後を任せたベルナルドはソフィアを供に乗せて
逃げ切るために、足元で目を閉じている
ソフィアを抱き起こそうとするが、目を放していた隙に
ベルナルドが思っていたより、ソフィアの顔色はさらに悪くなっている。
精霊の子孫の血を引くだけでなく、シーザリア史上最年少の巫女で
強敵でしかない、風の巫女との対決はソフィアがエリサニア最強の魔道師であっても
万が一を考えると命を削るどころか、命を失う覚悟で
全てを出し切るぐらいの無理を強いるまでの結果になりかねないと言う
目の前の事実に、気づいたベルナルドは自分の迂闊さに愕然とする。
魔法で打ち勝ったように見えても、自分の命を顧(かえり)みずに
相手を倒すという捨て身の互角の戦いにすぎなかったのだ。
「だから自分を置いて逃げろと……」
ソフィアを抱きかかえようとして、そのまま不自然に身動きが取れなくなった
ベルナルドの姿を見て、すぐに異変を感じ
逃げるために既に馬に乗って待機していた
ラスマールと魔道師達が馬で駆け寄り、二人の傍に戻ってくる。
何事かと慌てて、馬から降り、王子と巫女の傍に足早で歩み寄って
傍に来ると、いかなる時も飄々としているはずのラスマールも顔色を変える。
「やはり、そうか…… 風の巫女は加減が出来る相手ではないからな
今は巫女をそっとしておいて、動かさんほうがいいでしょう」
身をかがめ、跪いたラスマールは魔法でソフィアを癒そうとするが
詠唱された決戦魔法の太陽神への呪文は
相手に打ち勝つためなら、神に命さえ捧げる盟約を執行する魔法だ。
風の巫女の魔力が余りにも、強大すぎたため
神はソフィアの命の全てを奪う事によって盟約を成した。
魔道師が魔法を執行するときにはその魔法に見合った
代償を盟約した精霊や神々に支払わなければならない。
「はなから、すべて覚悟の上という事ですかな、巫女よ……
自らの命を投げ出し、皆を救うほどの強き、お気持ちだったとは」
ソフィアが余りにも危険である魔法だと言う事を知らない訳がない。
もしソフィアが全てを、なげうたうたなければ風の巫女の魔法によって
既にラーラント軍は壊滅し、敗れ去っていたのは間違いない。
火の巫女は、風の巫女を打ち倒し、皆を護るため文字通り命の全てを
神にささげ、炎として燃やしつくし犠牲にした。
精霊の上に立つ神々がそれを決めた以上、運命でしかなく
人の力で覆す事は今の世では不可能だとラスマールは当然、理解している。
「どうせ、いつ戦場で死ぬかわからん命だ、
私の命を変わりに精霊や神々に差し出してもいい、ラスマール」
ソフィアの状態を詳しく見たラスマールにベルナルドは問いかけるが
エリサニア4賢者の1人からは良い返事は返ってこない。
「強力な癒し手の水の巫女ならあるいは…… わかりません、
しかし、巫女の状態は正直申し上げまして、相当悪くもはや……
いえーー」
ラスマールは最後までを王子に言う事は出来なかった。
同じく決戦に臨む同盟軍として、ミストラル公国の援軍が来れば必ず
エリサニアに名を知らないものはいない強力な癒し手である
水の巫女が魔道師隊を率いてくるのは間違いないが
それでもラスマールは助かるかどうかは、解からないと言うのだ。
「わからないって…… ソフィア様が死んでいい理由などあるわけが……」
ベルナルドはソフィアを護れると自分を信じていたが
それは只の思いあがりで、護られていたのは自分達だったのだ。
ソフィアはベルナルドのような戦場での死を当然と覚悟するような
軍人ではない、戦場で命を捨ててまで戦う理由はないというのは
ベルナルドの素直な想いだ。
「護られていたというのか…… 私が……」
既にソフィアの意識は無く、ベルナルドが今、ソフィアを抱きしめても
もう何もかもが遅く、どんな言葉も、避ける事はできない運命による
忍び寄る死が邪魔をし、もう届く事はない。
どうして自分は黙っていたのか、素直に気持ちを伝えようとしなかったのか
耳にまだ残っている先ほどのラッセルの言葉を思い出し後悔をするだけだ。
「私は間違っていたのだろうか……
いや、今からでもラッセルの言う事はすべきだ、それが手遅れでも」
ベルナルドの想いに答えるように癒しの魔法に全ての力を使い果たした
ラスマールに続いて、ソフィアの所に集まっていた魔道師達が続々と
敵に囲まれていると言う危険な状況を省みず
持ちうる限界を超えるまでの魔力を使い果たすと
次の魔道師に役割をつないでいき、今にも消えようとしている
命の小さな火を神々が決めた死の運命から強引に奪い返そうとする。
魔道師達が癒しを辞めれば、小さな命の火はいつ消えてしまうかわからない。
「命を全てなげうつ事も厭(いとわ)わなかったからこそ
風の巫女をああも見事に退けたか
なんという気高さ、このまま、むざむざと死なせたくはないが……
せめて、水の巫女が来るまで、持たせて見せると言いたいが…… この状況では……」
先ほど魔道師達が作り出した炎の壁は勢いをさらに弱め始めており
その壁の向こうには圧倒的に多数の敵が邪魔な壁がなくなり次第
手柄を立てるために、飢えて腹をすかして涎をたらした猛獣のように
一斉に襲いかかろうと準備をしている。
魔道師達も疲労しており、再び炎の壁を作り出すことも出来ない。
万策尽き果てたラスマールがベルナルドに非情な選択を迫ろうとしている。
「亡骸になるのを覚悟で癒しを辞め、巫女を連れて逃げ延びるか、それとも……」
若き王子には余りにも残酷な選択に、ベルナルドが力なく天を仰ぐ。
仮に、この状況を奇跡的に切りぬけミストラルの援軍を待つ事ができ
ソフィアを水の巫女に預けたとして、水の巫女が如何に強力な癒し手でも
人にしかすぎないのはわかっているし、ラスマールが判断を見誤るわけも無い。
死の呪いがかかった運命の者を救うという事は
それは人が神々と戦い、勝利し、世の理を変える事だからだ。
死の運命から救えないなら、生き残っている魔道師達と逃げ延びて
ソフィアの亡骸だけでも連れ帰るしかない。
「皆にとっても、失なうことができない方だ、なんとしても、だが……」
出来うる自分の役割を全て終えたかのように最後にベルナルドに話しかけた
後から変わらず、ソフィアは安らかな表情のまま、美しい顔をして目を閉じている。
素早く動き回る事で、巧みに相手を翻弄し
複数の敵のうち、常に一人ずつと切合いながら
相手の一瞬の隙を見て、次々と敵を突き刺し倒していく
地面に倒れて、息も絶え絶えになりもがいている敵に
止(とど)めを刺していき、敵を睨み付ける。
「運が悪かったな、俺はもう泥棒じゃねえし
ここでは互いに命を盗むのに遠慮はいらねえのさ
なんたって、え~と親衛隊長じゃねえ、副隊長様だからな、へっ」
元隊長らしく、慣れた口調で
戦っている最中の周囲に散らばっている親衛隊の兵士に届くように
号令というよりも、啖呵を切る。
「野朗ども、元隊長ラッセルのお戻りだ、親衛隊は今から副隊長の俺が預かる
作戦は撤退までの時間稼ぎだ。
相手よりは少しはマシな頭(おつむ)を使え、要領よくやるぞ。
ケチケチせず腕の1、2本ぐらいはくれてやれ
身体さえ動きゃ、最後まで時間を稼げる、足掻きまくって、生き延びれば
大手柄確実なのは俺が保障してやる」
ラッセルは大声で続ける。
「王様のお気に入りの俺様と心中なら、お前らはついてるぜ
英雄として、豪華な墓に一緒に入れるからな、残された家族も鼻が高くなるぜ!
生きるも死ぬもどちらにしても、分のいい勝負ってわけだ」
この状況で、家族の事を口走ったのは、家族の事を思えば
逃げる事も考えず、最期まで生き延びるための粘りを強さを
見せるだろうという、ラッセルらしい賭けだ。
状況に屈しないで、とことん強気で減らず口をたたく
元隊長の指揮官としての復帰に、親衛隊の士気は、おのずとあがる。
「まあ、口先で引き伸ばせるとしても多少だな
親衛隊長かあ、処刑されるはずだった大泥棒を
兵士に取り立ててもらって、挙句は平民なのに親衛隊長とはな」
魔道師達が作り出した燃え盛る炎の城壁は
その力を徐々に失い始めつつあるのをラッセルは
冷静に確認はしている。
「そして、今度は貴族になれるか……
いい夢を見させてもらったぜ。
悪人にしちゃあ、案外、悪くねえ最後だぜ」
人は死ぬと思ったときには死なず
ここで死ぬのかという時にはあっさりと死ぬ。
ラッセルは処刑寸前で、王に救われ兵士になり、親衛隊長にまで取り立てられ
人にはどうしようもなく、越えることは決して叶わない
何かがあるとはっきりと感じ取り
自分の思うようにならない、運命とも言える何かを
いつでも受け入れる覚悟で、ずっと戦場に立っている。
「何人でも相手してやる、人生を早々と切り上げたいやつから、かかってきやがれ」
ラッセルに後を任せたベルナルドはソフィアを供に乗せて
逃げ切るために、足元で目を閉じている
ソフィアを抱き起こそうとするが、目を放していた隙に
ベルナルドが思っていたより、ソフィアの顔色はさらに悪くなっている。
精霊の子孫の血を引くだけでなく、シーザリア史上最年少の巫女で
強敵でしかない、風の巫女との対決はソフィアがエリサニア最強の魔道師であっても
万が一を考えると命を削るどころか、命を失う覚悟で
全てを出し切るぐらいの無理を強いるまでの結果になりかねないと言う
目の前の事実に、気づいたベルナルドは自分の迂闊さに愕然とする。
魔法で打ち勝ったように見えても、自分の命を顧(かえり)みずに
相手を倒すという捨て身の互角の戦いにすぎなかったのだ。
「だから自分を置いて逃げろと……」
ソフィアを抱きかかえようとして、そのまま不自然に身動きが取れなくなった
ベルナルドの姿を見て、すぐに異変を感じ
逃げるために既に馬に乗って待機していた
ラスマールと魔道師達が馬で駆け寄り、二人の傍に戻ってくる。
何事かと慌てて、馬から降り、王子と巫女の傍に足早で歩み寄って
傍に来ると、いかなる時も飄々としているはずのラスマールも顔色を変える。
「やはり、そうか…… 風の巫女は加減が出来る相手ではないからな
今は巫女をそっとしておいて、動かさんほうがいいでしょう」
身をかがめ、跪いたラスマールは魔法でソフィアを癒そうとするが
詠唱された決戦魔法の太陽神への呪文は
相手に打ち勝つためなら、神に命さえ捧げる盟約を執行する魔法だ。
風の巫女の魔力が余りにも、強大すぎたため
神はソフィアの命の全てを奪う事によって盟約を成した。
魔道師が魔法を執行するときにはその魔法に見合った
代償を盟約した精霊や神々に支払わなければならない。
「はなから、すべて覚悟の上という事ですかな、巫女よ……
自らの命を投げ出し、皆を救うほどの強き、お気持ちだったとは」
ソフィアが余りにも危険である魔法だと言う事を知らない訳がない。
もしソフィアが全てを、なげうたうたなければ風の巫女の魔法によって
既にラーラント軍は壊滅し、敗れ去っていたのは間違いない。
火の巫女は、風の巫女を打ち倒し、皆を護るため文字通り命の全てを
神にささげ、炎として燃やしつくし犠牲にした。
精霊の上に立つ神々がそれを決めた以上、運命でしかなく
人の力で覆す事は今の世では不可能だとラスマールは当然、理解している。
「どうせ、いつ戦場で死ぬかわからん命だ、
私の命を変わりに精霊や神々に差し出してもいい、ラスマール」
ソフィアの状態を詳しく見たラスマールにベルナルドは問いかけるが
エリサニア4賢者の1人からは良い返事は返ってこない。
「強力な癒し手の水の巫女ならあるいは…… わかりません、
しかし、巫女の状態は正直申し上げまして、相当悪くもはや……
いえーー」
ラスマールは最後までを王子に言う事は出来なかった。
同じく決戦に臨む同盟軍として、ミストラル公国の援軍が来れば必ず
エリサニアに名を知らないものはいない強力な癒し手である
水の巫女が魔道師隊を率いてくるのは間違いないが
それでもラスマールは助かるかどうかは、解からないと言うのだ。
「わからないって…… ソフィア様が死んでいい理由などあるわけが……」
ベルナルドはソフィアを護れると自分を信じていたが
それは只の思いあがりで、護られていたのは自分達だったのだ。
ソフィアはベルナルドのような戦場での死を当然と覚悟するような
軍人ではない、戦場で命を捨ててまで戦う理由はないというのは
ベルナルドの素直な想いだ。
「護られていたというのか…… 私が……」
既にソフィアの意識は無く、ベルナルドが今、ソフィアを抱きしめても
もう何もかもが遅く、どんな言葉も、避ける事はできない運命による
忍び寄る死が邪魔をし、もう届く事はない。
どうして自分は黙っていたのか、素直に気持ちを伝えようとしなかったのか
耳にまだ残っている先ほどのラッセルの言葉を思い出し後悔をするだけだ。
「私は間違っていたのだろうか……
いや、今からでもラッセルの言う事はすべきだ、それが手遅れでも」
ベルナルドの想いに答えるように癒しの魔法に全ての力を使い果たした
ラスマールに続いて、ソフィアの所に集まっていた魔道師達が続々と
敵に囲まれていると言う危険な状況を省みず
持ちうる限界を超えるまでの魔力を使い果たすと
次の魔道師に役割をつないでいき、今にも消えようとしている
命の小さな火を神々が決めた死の運命から強引に奪い返そうとする。
魔道師達が癒しを辞めれば、小さな命の火はいつ消えてしまうかわからない。
「命を全てなげうつ事も厭(いとわ)わなかったからこそ
風の巫女をああも見事に退けたか
なんという気高さ、このまま、むざむざと死なせたくはないが……
せめて、水の巫女が来るまで、持たせて見せると言いたいが…… この状況では……」
先ほど魔道師達が作り出した炎の壁は勢いをさらに弱め始めており
その壁の向こうには圧倒的に多数の敵が邪魔な壁がなくなり次第
手柄を立てるために、飢えて腹をすかして涎をたらした猛獣のように
一斉に襲いかかろうと準備をしている。
魔道師達も疲労しており、再び炎の壁を作り出すことも出来ない。
万策尽き果てたラスマールがベルナルドに非情な選択を迫ろうとしている。
「亡骸になるのを覚悟で癒しを辞め、巫女を連れて逃げ延びるか、それとも……」
若き王子には余りにも残酷な選択に、ベルナルドが力なく天を仰ぐ。
仮に、この状況を奇跡的に切りぬけミストラルの援軍を待つ事ができ
ソフィアを水の巫女に預けたとして、水の巫女が如何に強力な癒し手でも
人にしかすぎないのはわかっているし、ラスマールが判断を見誤るわけも無い。
死の呪いがかかった運命の者を救うという事は
それは人が神々と戦い、勝利し、世の理を変える事だからだ。
死の運命から救えないなら、生き残っている魔道師達と逃げ延びて
ソフィアの亡骸だけでも連れ帰るしかない。
「皆にとっても、失なうことができない方だ、なんとしても、だが……」
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