最強の魔道師に成り上がって、人気者のアイドルをやってるんですけど、燃え尽きて死んじゃうぐらいやらないとダメな前のめりな性格なんです。

ちちんぷいぷい

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脚本

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ミストラルの決死隊を率いてきた
リオルドから、ミストラル全軍が
続いて到着するという報告をガリバルドは受けていた。

「はい、我らだけで、先に来ましたが、遅かれ早かれ……」
「デュラン殿がすぐにこられるというなら……」

「こちらは、それで問題ありません、報告をし、準備させます」
「それは、助かる、リオルド殿。兵達は激戦でつかれております」

「援軍としては、当然です」
「うむ」

親衛隊のような王直属の正規兵でもない
兵士達は庶民としての日々の生活もあり
本来、やるべきことがある。

「今年は戦の稼ぎで、なんとか乗り切れるぜ」
「ああ、この金で、来年に向けて準備もできるってもんだ」

「来年こそは、誰も殺さずに、畑仕事で終えたいもんだ」
「このところ、毎年のように不作続きだからな」

「驕り高ぶった人間に、神様の復讐が、はじまったんだってよ」
「1000年続く戦乱の世も、何かの恨みなのかも知れねえな」

「本当だとしたら、おっかねえ話だ」
「まあ、こう争いばかりだと、暗い噂も出まわっちまうだろう」

「でも、あの空を見るとな」
「与太話とも思えなくなっちまうな……」

「全くだ」
「ああ、とにかく、急いで帰らなきゃな」

「かあちゃんと嫁と子供が腹すかせて待ってからな」
「おれもだ」 

敵が去った今、目立った負傷の無い、疲れ果てた
兵士達を無理に留めて、つまらない不満を買うよりも、戦場から離れることを許していた。

「俺は残るぜ、お前はやることがあるだろうし、帰るんだ」
「なんでだ」

「俺はラーラントに、住んで長いからな」
「怪我した奴らを、そのまま放っておけないのだろ」

「まあな、ミストラルの援軍まかせってのもな」
「わかった、先に戻って、お前が生きてるのを伝えといてやるよ」

残っている兵士達は怪我をしているか
自らの意思で、残るのを選択した者達で
人手が不足してしまうのはしょうがない。

「せめて、途中まで一緒に行きたかったが……」
「もう戦場なんかで会わないほうがいいさ」

「気持ちはわかるが、俺にはそんな余裕はない、すまん」
「ああ、ここでお別れだ」

「それもそうだな」
「それじゃ、縁があればまたどこかで会おう」

「短かったが、一緒にやれて、楽しかったぜ」
「もしなんか、あれば訪ねてこい」

「お前もだ、一緒にやるのは戦場だけじゃないからな」
「ああ、頼む、それじゃ」

「あばよ、生きてればまたどこかでな」
「おうよ、じゃ、元気でな!」

デュランがミストラル軍を率いて来たときには
最優先にやるべきことは、わかりきっていた。

「ふう…… あとは……」
「デュラン様っ、そろそろ、ラーラント側に、礼を取りにいきませんと」

「ああ、わかっている」

援軍として、到着してから
指示できることは、全て終えた。

後は渓谷近隣の町や村から
応援の人や物資が届くまでは
待たなければならない。


馬の駆ける音がして、誰かが
近づいてくる気配がしたので
デュランは振り向いて、指示を出そうとする。

「デュラン様」
「リオルドか…… ガリバルド様のご様子はどうだ」

「はい、見た目はお元気そうですが、無理をされておられます……」
「そうか、ガリバルド公らしいな」

礼を取りにいくよりも先に
ミストラル軍が、できることを
最優先するほうが、ガリバルドにとっても助かる話だ。

「どうだった」
「会ってみて、頭が良く、人望の厚い方だと見ました」

「公は実質的には、ラーラント副王だ、良く見ておくんだ」
「ソフィア様に配慮された決断を迷わずされていたのは、我らにとっては救いでした」

「何も、できず、むざむざ死なせていたらと考えるとな」
「はい、立場というものが、なくなります」

デュランは、アリア達が崖の下にある
大河ヴィーズにいることはわかっている。

「アリア様は大丈夫でしょうか」
「リオルド、アリアを信じるんだそれしかあるまい、それに……」

「例の魔道師の少年ですか」
「ああ、何かあるな…… そう考えるのが自然だ」

「偶然にしては全てが、出来すぎていると感じます」
「そうだ、よく理解しておくんだ、我々は、操り人形だ」

「人形が勝手なことをすればどうなるのでしょう」
「人形は芝居のためにあるものだ、壊して、交換されるだろうな」

「即座に撤退した、シーザリアは懸命だったと」
「そうだ、さすがは、ヴェサリウス王というところだな、勘がいい」

ヴェサリウス王は、降る雪の見事さを、見逃してはいなかった。

「それほどまでの力の持ち主なのでしょうか」
「一国の軍の前であれだ、そう見るのが妥当だな」

「立ち向かったなら、我々はどうなっていたのでしょうか」
「アリアがいたので、遠慮はしてくれただろうが、考えたくはないな」

「これが、いつも、おっしゃる道理なのでしょうか……」
「そうだ、リオルド、世を芝居に例えれば、脚本があるのだと、教えたな」

「はい、デュラン様、脚本とは、従うべきだが、従わずともいいものだと」
「そうだ、芝居と同じで、役者次第だ、なぜだ」

「芝居は、道理を理解する者が、書くべきだからです」
「役者が道理を知るなら、役者の芝居、そのものが脚本となる」

「なるほど、よくわかります」
「戦いも含めて、全ては芝居にすぎない」

リオルドは、主であるアレクシスの姿を思い浮かべてしまう。

「アレクシス様が、参ってしまっている顔が目に浮かびました」
「もっと、わかりやすく教えるべきだろうか…… どう思う」

「いえ、わからないほうが好奇心を抱きます、私はそうでした」
「そうか、私もいつどうなるかわからない、それが一番、大事だ」

死の支配者でもある、冥王の怒りを最も受けなければならないのは
神に背くことをアリアに、許したデュランだ。

「そろそろ、いくか、供をするんだ、リオルド」
「いえ、もう、あちらに来られるかと、
それをお伝えに先に」

「では、行くぞ、リオルド…… なんだ!?」
「ガリバルド様のほうから、挨拶に出向かれます、それを伝えに来たのです」

「なるほどな、らしい……」
「はい」
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