最強の魔道師に成り上がって、人気者のアイドルをやってるんですけど、燃え尽きて死んじゃうぐらいやらないとダメな前のめりな性格なんです。

ちちんぷいぷい

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人形(マリオネット)

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デュランが、目先の指示を配下の者に
全て出して、一息ついたところを待っていたように
ガリバルドが、護衛なのか馬に乗った
兵士を供として従えて、駆け寄ってくる。

「デュラン殿~! お待ちしておりましたぞ~~」

供としている兵士は隻眼で
親衛隊の兵士らしい。

背に、精霊の像が刻まれた
白銀の大盾を背負っている。

「公には挨拶が遅れてしまい、非礼をお許しを」
「この状況だ、仕方あるまい、ああっ、礼は、かまわんのだ」

ガリバルドは馬上から降りて、即座に礼をとろうとした
デュランを、慌てて、押し留める。

「国王陛下から、全ての指揮を……」

デュランは、全軍の指揮を、アウグスト王から、命じられていた。

「デュラン殿、王がなされる事は、わかっているつもりです」

兄である、王がデュランを出迎えたなら、傷ついている自分より
デュランに、全てを任せるはずだと、お見通しだ。

「こちらは近隣の町や村からは既に、人や物が続々と到着しております」
「はい、それも、全てミストラル軍の指揮下に引き継ぎます」

「疲れ果ててはおりますが、ラーラントの兵も、デュラン殿の下で」
「はい、安心して、こちらにお任せを」

「使える兵士の大半は自らの意思で、残ってくれておるのです」
「残るものには休息を取らせ、必要のない者から、帰すことに致します」

「皆、良くここまで耐えて抜いてくれたものだ……」
「残っていたもの全てに、我らから特別に褒美を取らせましょう」

「おお、それは気がきいておる、お気遣いありがたい」
「無理をさせているのは、我が軍が遅れてしまったせいでもあるのです」

デュランの頭の中では、シーザリアとの戦いとは、別の大きな戦いが始まっている。

「ところで、一刻も早く、ヴェサリウス王に、使いを出させたいと考えますが……」
「それは、私も考えてはいましたぞ」

「ならば、話は早い、使いはお前だ、交渉は頼むぞリオルド」
「うむ、リオルド殿なら適任だ」

「何をするかわかるな、リオルド」
「はっ、一時休戦の申し入れです、贈り物として、こちらが捕らえた捕虜と負傷兵を引き渡します」
「ああ、無償で返していい、一時的でも休戦を、約束して頂ければ、公国も助かるからな、それだけか」

エリサニアを生き物に例えると、渓谷は大動脈だ。
戦争状態で、封鎖され続けているのは、シーザリアにとっても不利益だ。

経済的な繋がりと国同士の関係は別物で
いつの世も利害関係が絡むと話は複雑だが
今回は、ヴェサリウスに伝えておくべき
別の話もあるのだ。

「少年、いや、かの魔道師らしき者についても、お伝えすべきだと考えます」
「そうだ、しっかり頼むぞ」

「さすがですな、リオルド殿、頼もしい限りだ」
「お褒め頂きなによりです、ガリバルド様」

「いそぎ捕虜の貴族だけでも手土産に連れ、後を追います」
「ああ、急ぎいってくれ、交渉が成功したらお前は本国に戻るんだ」

「私も、残してきた、ご老人の事が、気にかかります……」
「そうだ、お前が、ヴィラルを補佐して、助けてやってくれ」

「はっ、では、早速」

「リオルド殿、ヴェサリウス王は我々への個人的な恨みはないでしょうが
少々、気の荒い者もおりましょうから、気をつけてな」

「ガリバルド様、また、お会いできるのを楽しみにしています」
「ああ、また、必ず会おうぞ」

リオルドが、ヴェサリウスと交渉して、一時的にでも休戦を勝ち取れば
渓谷の警戒を解き、文字通り全軍を撤退させることができる。

ヴェサリウスは一度交わした約束は
重んじるので、当面は、再攻撃はないだろう。

そして、あの魔道師の少年について
さらに詳しく知れば、今後はどうしても
戦いに慎重にならざるをえないのだ。

「正直、ヴェサリウス王の統一への想いは執念すら感じるところです」
「シーザリア前王の御最後については、知っていますぞ」

「ガリバルド様は例の話ついて、ご存知でしょうな」
「ーー知らぬわけがない、1000年の人形劇というやつですな」

トーラルあたりから、流れてきた
旅芸人などが、諸国の王や貴族に
招かれたときに、した話なのだろう。

巡った先で、聞きかじった程度の
作り話や噂程度かもしれず
確かな話かまでは、わからない。

「ネール王は脚本にそむき、人形のように壊されたのでしょうか……」
「暴君ネール王のことですな、勇猛な方でもあったが、余りにも不可解な最後でした」

「私は、この芝居、精霊の巫女を見捨てる判断は、危ういとは感じますが……」
「デュラン殿が、そう、お読みになるなら間違いないですな」

「ネール王は前の、風の巫女サーフィスを邪魔者扱いし、戦いの捨て駒にして、意図的に殺そうとしたとか……」
「王は、民衆と敵対し、風の精霊教会とは関係が悪かったそうですからな」

「前王の死で、若くして王位についた、ヴェサリウス王が、気にかけておられないわけがないと、ここは見ます」
「まあ、そういうことになりますな」

「相手は星を降らせ、国を一夜にして焼き尽くし滅ぼす存在ではないかと」
「もし、そうなら、全ては夢物語の芝居程度とされているに、すぎませぬ」

「道理を読み違えると国さえ、滅ぼします」
「デュラン殿のおっしゃられるとおり、警戒は必要ですな」

すぐ近くを、深く濃い青色の大盾を
裏がえしにした、担架に乗せられて
傷ついて、歩けない兵士が、運ばれていく。

「では」
「ああ~、礼はせずともよい、助けてくださる全軍の指揮官に礼を取るのはこちらだ」

「なるほど、面白い理屈です」
「この場でだけ、通じる理屈こそ大事ではありませんか」

「……わかりました、この先も、慎重に指揮をいたします」
「うむ、後は任せましたぞ…… そうだ! そこで、紹介しておきたい者がおります」

デュランに、全てを引き継いだガリバルドは
ミストラルの指揮官の、さらなる忙がしさを
気にしながらも、どうしても紹介したい相手がいるようだ。

「ラッセル、ここに」
「へえ」

「この者を王に申し上げて、我が配下として、騎士に推挙いたしたいと」
「ご活躍は既に耳にしております、隻眼の盗賊、いや、隻眼のラッセル殿」

ガリバルドは
ソフィアが息を止めてしまったのに
酷く気落ちしてしまい
周囲に悟られないように
我慢していた、傷の痛みを感じ
思わず庇ってしまった。

ラッセルに酒をつかって消毒をする
応急手当をすること申し出られ
あっと言う間に屈強な
親衛隊の兵士達に囲まれて
強引に傷の手当をされていた。

その後、親衛隊の指揮は
配下の貴族に代わらせ
そのまま、ラッセルに
傍にいるように命じていた。
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