夏の魔物

たんぽぽ。

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プロローグ

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 大学3年の夏、私は火照ほてりを持て余していた。

 身体がやたらと熱を持っているのは単に気温の高さが原因なのではなく、身体の内側の感情なり何なりが熱エネルギーに変換されるせいだと自分なりに分析していた。その証拠に水風呂に入っても火照りは消失しなかった。

 これを消すためには、誰かと肌を合わせてその誰かに熱を移さなければならないと本能的に思った。性欲ではないけれど、それに限りなく近い何かだった。多分。

 でもその時私には交際相手がいなくて、早急に対処しないとそこら辺の適当な男を襲ってしまいそうだった。

 吉岡君と出会ったのはそんな時だ。

 大学時代、私はドラッグストアでアルバイトをしていた。講義が終わってからの勤務なので、平日は大抵夕方から閉店までのシフトだ。その日も私は遅番で働いていた。

 私は吉岡君の事を最初SVだと思って、次いで万引き犯だと勘違いした。
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