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101年後
二人の王子☆
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◆
ある日、そんな寝ぼすけなオーロラ姫の元に、馬の蹄とともに、二人の若い男の声が近付いてきた。
「この辺りか。 確かにバラの花だらけだな……以前はもっとひどかったらしい。 コレじゃ中々人が来れなかったわけだ」
「そうだね。 けどさ、いばら城の中には、貴重な絵画や宝飾品ってお宝がたんまりあるとはもっぱらの噂だ」
並んで話している二人は近隣に別の国を構える王子たちであった。
「で、それも美女付きってか……ここのお姫様の呪いを解いたら手に入るって? フン、眉唾物だな」
漆黒の髪に同じ色の瞳。
弟王子からは粗野な言葉使いと、整ってはいるが皮肉めいた表情が垣間見えた。
「先刻走らせた使いが、女性が眠っているのをハッキリ見てきたらしいよ。 しかし、その姫にはどうしようも手が出せないとは、近くの村でも有名な話。 100年の眠りから覚めた美女ってさ。 クロード、お前も興味あるだろ?」
鶯色の髪色と瞳。
柔和な印象の兄王子は薄桃の唇を緩め、上品に微笑んでみせた。
一見真逆な二人だが、どちらも人目を引く美丈夫である。
クロードと呼ばれた弟王子がふと馬の脚を止めた。
「……で、もしかしてアレが噂の鋼鉄の処女か?」
遠くを見ていたクロードが、呆気に取られて兄王子に話しかける。
「んん? ここからじゃよく見えないな」
目を眇めた兄王子にはぼやけた塊しか見えない。
馬を進ませ、二人はその場所へと近付いていった。
「……これは…」
「美女か? 兄貴」
拓けた場所で馬を止めた彼らは眼前の光景に顔を見合わせた。
そこには、花々に囲まれたガラスの棺……に入る前に力尽き、上半身だけ棺に突っ伏している女性がいた。
「確か噂では目覚めたとか。 そういや、報告でも寝てたって言ってたっけ。 えっと……大丈夫なのかな。 この人」
馬を降り、女性の元に歩み寄る兄のアレックを尻目に、クロードはここから見える城を、離れた場所に認めた。
(壁がいばらに覆われて黒く見えるが、立派な城だ)
アレックの話では、ここの王と妃、財宝は呪いとともにあの城に眠っているという。
道中の土地も豊かな様子だった。
「しかし何にしろ、揃って寝過ぎ……兄貴。 それ生きてんのか?」
「うん、まあ。 暖かいし?」
女性は夜着に似た簡素なドレスを身に付けていた。
言葉少なになった兄の傍に行き、クロードもアレックの腕の中を覗き込む。
ふっくらとした薔薇色の頬。 人形のように長い睫毛。
ぽかんと小さな口を開けて眠りこける女性は、確かに噂のオーロラ姫なのだろう。 何とも品が良く可憐な様子が一目で見て取れた。
「何だ、まだガキじゃね? 美女ではないだろ」
「どちらかというと少女だねえ。 ただの童顔かもしれないけど」
オーロラを見ながらクスクス笑う兄王子だった。
クロードは嫌な予感がした。
「……ちょっと身体検査してみようか?」
好色なアレックは異性の許容範囲が広かった。
「兄貴、昔みたいに幼女襲うなんてことは」
「あれは単なる遊びね、遊び。 若気の至り? 今は成人も済んで人目もあるしさ」
(人目が無かったら犯るのかよ……)
話しながらアレックがオーロラの衣服をスルスルと肩から剥いでいく。
「ふーん。 これは、なかなか……」
段々と露わになっていくオーロラ姫の肢体。
手足や腰はまだほっそりしているものの、それは開きかけた蕾に似た美しさだった。 ちょうど辺りにある、咲きかけのバラの花のように。
「これならあと二、三年後にはクロード。 お前にも食べ頃じゃないの?」
意味ありげに見てくるアレックにクロードは無言だった。
「けど普通に触れるし。 あれ? これは何だ」
「アザ……てか、何かの模様か?」
上から脱がせていたドレスを下腹の辺りで止め、二人は首を捻る。
オーロラ姫の腹の上には握り拳大の、赤く複雑に描かれた紋様があった。
「何だか分かんないけど。 なあ、この子本当に処女かな? こんなに容易く剥かれちゃって。 確かめてみるか」
「おい、乱暴には」
「大丈……ツっ!!?」
バチッ!
アレックの手が明るい閃光に弾かれた。
それはアレックが差し込んだスカートの中からだった。
同時に、オーロラの腹の紋様がぼうっと薄く浮かび上がり、間もなく元に戻った。
「……」
何事かといった顔でアレックがクロードを見上げる。
アレックの手は軽い火傷を負ったように赤くなっていた。
「……光った…よな? 大丈夫か、兄貴」
クロードは注意深くオーロラ姫を見据えた。
「ん。 すぐに手を離したから、多少ヒリヒリするぐらいか。 穴確かめようとしただけなんだけど。 ふうん?」
「……これが呪いなのか?」
「らしいね。 こりゃ、手出せないわけね。 そういやさ、姫をこの敷地の外に出そうとしたらしいけど、呪いのせいで無理だったって言ってたっけ」
「さっきのアレか。 黒コゲになるのは御免だな」
すうすう寝入るオーロラ姫を前に、兄弟はしばらく黙っていた。
しかしその後、抱き上げたオーロラを棺の中に座らせたアレックが、突然ズボンのベルトを外し始めるものだから、クロードは慌てて彼を止めようとした。
「兄貴? また頭おかしくなったのか」
「いやー。 確かにまだ熟してはないけど、フツーに収まらないからさ、これ。 お姫様、お口まんこは処女じゃないよねえ?」
やおら勃ちかけた逸物を取り出し、寝ているオーロラの口許に擦り付ける。
そんなアレックを見て呆れたクロードは額を片手で抑えた。
亀頭をぐいと姫の唇の間に押し付け、アレックがオーロラの鼻をつまむ。
呼吸が苦しくなったのかオーロラが眉を寄せた。
さらに開かれたオーロラの口の中に、ズポッと陰茎を差し込んでいく。
「そうそう……上手上手」
ある程度まで収めた所で、アレックがオーロラの頭を前後に動かし始めた。
「……っ……っ」
オーロラは苦しそうな表情で口内奉仕をしている。
(いやコイツも、いい加減起きろよ……)
クロードは心の中で思いつつ、ため息をついた。
性に奔放なアレックはこうなったら止まらない。
得体がしれないし、まがりなりにも姫だろう。 などと、この兄は言うことを聞くまい。
「ん…ちょっ……とあれっ? オーロラちゃん?」
「……今度は何だよ」
「何か舌が……うわ、吸い付いて…気持ち…いいっ」
「あっそう」
アレックを視界の隅にやり、クロードは改めてオーロラの全身を眺めた。
正直、悪くない。そう思った。
「クロード、お前も楽しんだら? これさ、こっちは間違いなく経験済みだし、後ろの方も大丈夫じゃないかな」
クロードは何も答えずオーロラ姫に手を伸ばした。
見た目どおりにすべらかな象牙の肌。
張りのある乳房が微かに揺れている。
薄い肌色の乳輪が、心なしか赤味を帯びてきているようにみえた。
(苦しいから?)
鎖骨から、埋もれてほんの先しか見えなかった乳頭に指の腹で触れてみる。
すると姫の体がピクンと震えた。
ごくごく軽くそこを撫でていると、ややしてふっくらした桃色の乳首が顔を覗かせる。
「オーロラちゃん、敏感だねえっ」
興奮の余り、もはや自分の腰まで振ってるアレックの気持ちも分からないでもない、とクロードは思った。
二人は物心がついた時から女性に不自由したことがなかった。
放っておいても向こうから言い寄ってくるし、タイプらしき女性にアプローチをかけてもすぐに落ちる。
兄弟王子ははっきりいって、ちっとも面白味のない色事に飽き飽きしていたのだ。
目の前の、少女以上大人未満の女性。
歳を置いてもこんな見目の良い者は滅多にいない。
身分の高い女みたいな、高慢さも媚びも感じない。
感度が良さそうのに、肝心な所で男を拒否している。
それは兄弟の興味をそそった。
「しかもうちはそんなに裕福な国でもないしな」
早々に手を引っ込めたクロードがポツリと呟いた。
「あっ…っ出る、出すよ…っ」
兄の射精にさすがにクロードは後ろを向いた。
「ふふ……俺さ、気に入ったな。 この口まんこちゃん」
などと不敬なことを言いながらズボンのベルトを締め直すアレックは満足げだった。
「そう。 この子と結婚したらさ、きっとうちも潤うだろうねえ」
アレックも似たようなことを考えていたらしい。
とはいえ。 クロードは首を横に振り立ち上がった。
「俺はいいや。 やる気にゃなんねえ」
それもクロードの本心だった。
たとえ今、口許から流れ出る白濁をそのままに、目の下をほんのり染めているオーロラが卑猥に見えようとも。
触れた胸に口を付けたい衝動に駆られていたとしても。
オーロラはまだ女になりきってない。
何よりも、意識のない本人をどうこうしようとする気になれなかった。
「いやさ、クロード、だから。 この子、すぐに手に入ると思う?」
オーロラを顎で指したアレックが言った。
「何が言いたいんだ」
いばら城に眠る財宝。
この姫の存在は自国に莫大な利益をもたらすに違いない。
元々、王子たちの国は明確な実力主義である。
「もしも何とかして、オーロラ姫を手に入れたら俺たちのさ、後継者がどっちかって問題も、落ち着くんじゃないかな? ま、お前が降りるんなら止めるけど?」
オーロラにかかった呪いを解く。
兄王子の顔は面白いことを見付けた、とでもいうようにクロードに挑戦的な眼差しを向けていた。
それでもゲームは参加者がいないと、とアレックが肩を竦めてみせる。
しばらくアレックとオーロラを交互に眺めていたクロードの気が変わった。
「降りるなんか冗談。 兄貴こそ、やり過ぎてオーロラ姫を傷付けんなよ」
これも正直、悪くない。
クロードは国の跡継ぎに関し、兄弟間で揉めるのを望まなかった。
もちろん王子として自国の行く末を案じる気持ちはある。
誰も傷付かずに、すべて単純明快に決まれば願ったりだ。
兄弟は頷き合って音を立てて手を打ち合い、いばらの城をあとにした。
◆
しばらくののち、クロードは再びオーロラの棺の元に戻っていた。
腰に両手を当て、人気は無いかと辺りを見回す。
「さて」
あれから町で買い物をしてから帰ると言い、アレックと離れたのである。
「さすがにな。 半裸の姫さんを精液まみれにして帰んのはなあ……」
自分の道徳心からのみでいえば、オーロラをどこか人目に付かない所に運んでおきたいところだった。
(おそらく今までも、ああいう目に遭ってきたんだろうし)
けれどそれは呪いのお陰で叶わないらしい。 ついでにいえば、兄弟間でのルール違反だろう。
相変わらず寝こけている姫に半ば呆れつつ、取りあえずクロードはオーロラの口の中に指をいれた。
ドロリとした精液をかき出し口の周りを拭いてやる。
「ダメだな。 髪や首も……あの兄貴はホントに。 ふう、どこかに水は」
ぱく。
言いかけて、クロードの指が包まれる感触がしたので手元に目を戻した。
オーロラが目を閉じたままクロードの指をくわえてチュウチュウ吸っていた。
「……」
普通の女がやるとなかなかにエロい。
が、いかんせんこれは、乳児がおしゃぶりか何かを咥えて離さないさまに似ている。 アレックにもこんな調子だったんだろうか?
クロードはそれをじっと見詰め、仕舞いに笑いが漏れてきた。
「お前も……そういうの、大概にしろよな」
こんなのに欲情するのは自分には無理だ。
オーロラのなすがままにさせておき、クロードは棺を背にその場に腰かけた。
そうしながら、少しの間笑っていた。
「チュンチュン、王子様。 姫様のために水場をお探しですか?」
ぱたぱた頭上を飛び回る数羽の鳥がクロードに話しかけてきた。
「へ……何。 お前ら」
「ヒンヴイです」
「ポクルです」
「チップデールです」
「マゴルです」
「いや全く分かんねえよ。 つうか、お前らは姫さんの何なんだ?」
「私たちはずっと姫様を見守っております」
「代々の使命なのです」
「100年生きているというわけではありませんが」
「私たちが言葉を話すのもまた」
「おいおい、一気に喋んな。 あーもう、んなのはどうでもいい。 とにかく水場はどこだよ」
クロードがやれやれとオーロラの身体に手を差し入れて立ち上がると、鳥たちが顔を見合わせ、二人の周りを嬉しそうにぐるぐる回った。
「こちらです」
「こちらです」
「こちらです」
「こちらです」
けたたましく囀る鳥たちに案内され、クロードはオーロラの身を清めに泉へ向かった。
ある日、そんな寝ぼすけなオーロラ姫の元に、馬の蹄とともに、二人の若い男の声が近付いてきた。
「この辺りか。 確かにバラの花だらけだな……以前はもっとひどかったらしい。 コレじゃ中々人が来れなかったわけだ」
「そうだね。 けどさ、いばら城の中には、貴重な絵画や宝飾品ってお宝がたんまりあるとはもっぱらの噂だ」
並んで話している二人は近隣に別の国を構える王子たちであった。
「で、それも美女付きってか……ここのお姫様の呪いを解いたら手に入るって? フン、眉唾物だな」
漆黒の髪に同じ色の瞳。
弟王子からは粗野な言葉使いと、整ってはいるが皮肉めいた表情が垣間見えた。
「先刻走らせた使いが、女性が眠っているのをハッキリ見てきたらしいよ。 しかし、その姫にはどうしようも手が出せないとは、近くの村でも有名な話。 100年の眠りから覚めた美女ってさ。 クロード、お前も興味あるだろ?」
鶯色の髪色と瞳。
柔和な印象の兄王子は薄桃の唇を緩め、上品に微笑んでみせた。
一見真逆な二人だが、どちらも人目を引く美丈夫である。
クロードと呼ばれた弟王子がふと馬の脚を止めた。
「……で、もしかしてアレが噂の鋼鉄の処女か?」
遠くを見ていたクロードが、呆気に取られて兄王子に話しかける。
「んん? ここからじゃよく見えないな」
目を眇めた兄王子にはぼやけた塊しか見えない。
馬を進ませ、二人はその場所へと近付いていった。
「……これは…」
「美女か? 兄貴」
拓けた場所で馬を止めた彼らは眼前の光景に顔を見合わせた。
そこには、花々に囲まれたガラスの棺……に入る前に力尽き、上半身だけ棺に突っ伏している女性がいた。
「確か噂では目覚めたとか。 そういや、報告でも寝てたって言ってたっけ。 えっと……大丈夫なのかな。 この人」
馬を降り、女性の元に歩み寄る兄のアレックを尻目に、クロードはここから見える城を、離れた場所に認めた。
(壁がいばらに覆われて黒く見えるが、立派な城だ)
アレックの話では、ここの王と妃、財宝は呪いとともにあの城に眠っているという。
道中の土地も豊かな様子だった。
「しかし何にしろ、揃って寝過ぎ……兄貴。 それ生きてんのか?」
「うん、まあ。 暖かいし?」
女性は夜着に似た簡素なドレスを身に付けていた。
言葉少なになった兄の傍に行き、クロードもアレックの腕の中を覗き込む。
ふっくらとした薔薇色の頬。 人形のように長い睫毛。
ぽかんと小さな口を開けて眠りこける女性は、確かに噂のオーロラ姫なのだろう。 何とも品が良く可憐な様子が一目で見て取れた。
「何だ、まだガキじゃね? 美女ではないだろ」
「どちらかというと少女だねえ。 ただの童顔かもしれないけど」
オーロラを見ながらクスクス笑う兄王子だった。
クロードは嫌な予感がした。
「……ちょっと身体検査してみようか?」
好色なアレックは異性の許容範囲が広かった。
「兄貴、昔みたいに幼女襲うなんてことは」
「あれは単なる遊びね、遊び。 若気の至り? 今は成人も済んで人目もあるしさ」
(人目が無かったら犯るのかよ……)
話しながらアレックがオーロラの衣服をスルスルと肩から剥いでいく。
「ふーん。 これは、なかなか……」
段々と露わになっていくオーロラ姫の肢体。
手足や腰はまだほっそりしているものの、それは開きかけた蕾に似た美しさだった。 ちょうど辺りにある、咲きかけのバラの花のように。
「これならあと二、三年後にはクロード。 お前にも食べ頃じゃないの?」
意味ありげに見てくるアレックにクロードは無言だった。
「けど普通に触れるし。 あれ? これは何だ」
「アザ……てか、何かの模様か?」
上から脱がせていたドレスを下腹の辺りで止め、二人は首を捻る。
オーロラ姫の腹の上には握り拳大の、赤く複雑に描かれた紋様があった。
「何だか分かんないけど。 なあ、この子本当に処女かな? こんなに容易く剥かれちゃって。 確かめてみるか」
「おい、乱暴には」
「大丈……ツっ!!?」
バチッ!
アレックの手が明るい閃光に弾かれた。
それはアレックが差し込んだスカートの中からだった。
同時に、オーロラの腹の紋様がぼうっと薄く浮かび上がり、間もなく元に戻った。
「……」
何事かといった顔でアレックがクロードを見上げる。
アレックの手は軽い火傷を負ったように赤くなっていた。
「……光った…よな? 大丈夫か、兄貴」
クロードは注意深くオーロラ姫を見据えた。
「ん。 すぐに手を離したから、多少ヒリヒリするぐらいか。 穴確かめようとしただけなんだけど。 ふうん?」
「……これが呪いなのか?」
「らしいね。 こりゃ、手出せないわけね。 そういやさ、姫をこの敷地の外に出そうとしたらしいけど、呪いのせいで無理だったって言ってたっけ」
「さっきのアレか。 黒コゲになるのは御免だな」
すうすう寝入るオーロラ姫を前に、兄弟はしばらく黙っていた。
しかしその後、抱き上げたオーロラを棺の中に座らせたアレックが、突然ズボンのベルトを外し始めるものだから、クロードは慌てて彼を止めようとした。
「兄貴? また頭おかしくなったのか」
「いやー。 確かにまだ熟してはないけど、フツーに収まらないからさ、これ。 お姫様、お口まんこは処女じゃないよねえ?」
やおら勃ちかけた逸物を取り出し、寝ているオーロラの口許に擦り付ける。
そんなアレックを見て呆れたクロードは額を片手で抑えた。
亀頭をぐいと姫の唇の間に押し付け、アレックがオーロラの鼻をつまむ。
呼吸が苦しくなったのかオーロラが眉を寄せた。
さらに開かれたオーロラの口の中に、ズポッと陰茎を差し込んでいく。
「そうそう……上手上手」
ある程度まで収めた所で、アレックがオーロラの頭を前後に動かし始めた。
「……っ……っ」
オーロラは苦しそうな表情で口内奉仕をしている。
(いやコイツも、いい加減起きろよ……)
クロードは心の中で思いつつ、ため息をついた。
性に奔放なアレックはこうなったら止まらない。
得体がしれないし、まがりなりにも姫だろう。 などと、この兄は言うことを聞くまい。
「ん…ちょっ……とあれっ? オーロラちゃん?」
「……今度は何だよ」
「何か舌が……うわ、吸い付いて…気持ち…いいっ」
「あっそう」
アレックを視界の隅にやり、クロードは改めてオーロラの全身を眺めた。
正直、悪くない。そう思った。
「クロード、お前も楽しんだら? これさ、こっちは間違いなく経験済みだし、後ろの方も大丈夫じゃないかな」
クロードは何も答えずオーロラ姫に手を伸ばした。
見た目どおりにすべらかな象牙の肌。
張りのある乳房が微かに揺れている。
薄い肌色の乳輪が、心なしか赤味を帯びてきているようにみえた。
(苦しいから?)
鎖骨から、埋もれてほんの先しか見えなかった乳頭に指の腹で触れてみる。
すると姫の体がピクンと震えた。
ごくごく軽くそこを撫でていると、ややしてふっくらした桃色の乳首が顔を覗かせる。
「オーロラちゃん、敏感だねえっ」
興奮の余り、もはや自分の腰まで振ってるアレックの気持ちも分からないでもない、とクロードは思った。
二人は物心がついた時から女性に不自由したことがなかった。
放っておいても向こうから言い寄ってくるし、タイプらしき女性にアプローチをかけてもすぐに落ちる。
兄弟王子ははっきりいって、ちっとも面白味のない色事に飽き飽きしていたのだ。
目の前の、少女以上大人未満の女性。
歳を置いてもこんな見目の良い者は滅多にいない。
身分の高い女みたいな、高慢さも媚びも感じない。
感度が良さそうのに、肝心な所で男を拒否している。
それは兄弟の興味をそそった。
「しかもうちはそんなに裕福な国でもないしな」
早々に手を引っ込めたクロードがポツリと呟いた。
「あっ…っ出る、出すよ…っ」
兄の射精にさすがにクロードは後ろを向いた。
「ふふ……俺さ、気に入ったな。 この口まんこちゃん」
などと不敬なことを言いながらズボンのベルトを締め直すアレックは満足げだった。
「そう。 この子と結婚したらさ、きっとうちも潤うだろうねえ」
アレックも似たようなことを考えていたらしい。
とはいえ。 クロードは首を横に振り立ち上がった。
「俺はいいや。 やる気にゃなんねえ」
それもクロードの本心だった。
たとえ今、口許から流れ出る白濁をそのままに、目の下をほんのり染めているオーロラが卑猥に見えようとも。
触れた胸に口を付けたい衝動に駆られていたとしても。
オーロラはまだ女になりきってない。
何よりも、意識のない本人をどうこうしようとする気になれなかった。
「いやさ、クロード、だから。 この子、すぐに手に入ると思う?」
オーロラを顎で指したアレックが言った。
「何が言いたいんだ」
いばら城に眠る財宝。
この姫の存在は自国に莫大な利益をもたらすに違いない。
元々、王子たちの国は明確な実力主義である。
「もしも何とかして、オーロラ姫を手に入れたら俺たちのさ、後継者がどっちかって問題も、落ち着くんじゃないかな? ま、お前が降りるんなら止めるけど?」
オーロラにかかった呪いを解く。
兄王子の顔は面白いことを見付けた、とでもいうようにクロードに挑戦的な眼差しを向けていた。
それでもゲームは参加者がいないと、とアレックが肩を竦めてみせる。
しばらくアレックとオーロラを交互に眺めていたクロードの気が変わった。
「降りるなんか冗談。 兄貴こそ、やり過ぎてオーロラ姫を傷付けんなよ」
これも正直、悪くない。
クロードは国の跡継ぎに関し、兄弟間で揉めるのを望まなかった。
もちろん王子として自国の行く末を案じる気持ちはある。
誰も傷付かずに、すべて単純明快に決まれば願ったりだ。
兄弟は頷き合って音を立てて手を打ち合い、いばらの城をあとにした。
◆
しばらくののち、クロードは再びオーロラの棺の元に戻っていた。
腰に両手を当て、人気は無いかと辺りを見回す。
「さて」
あれから町で買い物をしてから帰ると言い、アレックと離れたのである。
「さすがにな。 半裸の姫さんを精液まみれにして帰んのはなあ……」
自分の道徳心からのみでいえば、オーロラをどこか人目に付かない所に運んでおきたいところだった。
(おそらく今までも、ああいう目に遭ってきたんだろうし)
けれどそれは呪いのお陰で叶わないらしい。 ついでにいえば、兄弟間でのルール違反だろう。
相変わらず寝こけている姫に半ば呆れつつ、取りあえずクロードはオーロラの口の中に指をいれた。
ドロリとした精液をかき出し口の周りを拭いてやる。
「ダメだな。 髪や首も……あの兄貴はホントに。 ふう、どこかに水は」
ぱく。
言いかけて、クロードの指が包まれる感触がしたので手元に目を戻した。
オーロラが目を閉じたままクロードの指をくわえてチュウチュウ吸っていた。
「……」
普通の女がやるとなかなかにエロい。
が、いかんせんこれは、乳児がおしゃぶりか何かを咥えて離さないさまに似ている。 アレックにもこんな調子だったんだろうか?
クロードはそれをじっと見詰め、仕舞いに笑いが漏れてきた。
「お前も……そういうの、大概にしろよな」
こんなのに欲情するのは自分には無理だ。
オーロラのなすがままにさせておき、クロードは棺を背にその場に腰かけた。
そうしながら、少しの間笑っていた。
「チュンチュン、王子様。 姫様のために水場をお探しですか?」
ぱたぱた頭上を飛び回る数羽の鳥がクロードに話しかけてきた。
「へ……何。 お前ら」
「ヒンヴイです」
「ポクルです」
「チップデールです」
「マゴルです」
「いや全く分かんねえよ。 つうか、お前らは姫さんの何なんだ?」
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「おいおい、一気に喋んな。 あーもう、んなのはどうでもいい。 とにかく水場はどこだよ」
クロードがやれやれとオーロラの身体に手を差し入れて立ち上がると、鳥たちが顔を見合わせ、二人の周りを嬉しそうにぐるぐる回った。
「こちらです」
「こちらです」
「こちらです」
「こちらです」
けたたましく囀る鳥たちに案内され、クロードはオーロラの身を清めに泉へ向かった。
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でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
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