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第一章転生から追放
勅命
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「勅令である。第四王子エラクレス・ネリーキアはは国王陛下から与えられし任地(この国では任地=封土)に早急に赴くべし!一週間後には王都を発つように!」
「ははっ!(いろいろツッコミどころがあるが、返事だけはしておくか。)」
「少々お聞きしたい事があるのですがよろしいですか?宰相殿。」
俺は返事から少し間を置いてから勅令を読み上げた宰相に質問をした。この宰相は第二王子ラントの祖父でザラーフ侯爵家当主ネルキンだ。
「よろしいですとも。」
ネルキンは了解した。
「ありがとうございます。私は任地を戴いた覚えが御座いません。どうか任地が何処か教えていただきとうございます。それに…私はまだ未熟者(成人を迎えてない人)でございます。」
そうなのだ。なんか勅令では俺は任地があるみたいな事を言われているが、そんな物を貰った覚えがない。そもそも、貴族でもない人が土地を持つなどこの国ではおかしい。それに、王族の授爵は成人を迎えてからという決まりだ。
「ご安心を、全てこの勅書に書いておりますので後でお読みください。」
ネルキンはそう言って勅書を差し出した。俺はそれを敬々しく受け取った。
それからすぐに親父が退出したから俺も退出した。
それで、勅書によるとこの一週間で成人の儀やら冊封儀式やらをドタバタとやるらしい。少々強引だが確かにこれなら法律は犯さないな。次に肝心の封土の場所だが、凄く酷い所になったものだ。王国の最北端の直轄地を与えられたらしい。普通の人じゃ知らないだろうな。だってその領地は人口が百人前後でほんの一部を除いて作物の育たない不毛の地が広がっているし、普通の人からしたら最北端はノース辺境伯の領地だからな。俺は知っていたが。
そしてその更に北には森が広がっていて獣人達の集落があるらしい。まあ、この情報が書かれた本は結構昔に書かれたから今も同じとは限らない。それでも行ってみれば分かる。それじゃあ!準備でもするか!俺は自室のベッドとかの家具を空間魔法『収納』に入れて、お小遣いでご飯を買いに行った。本来なら旅に出ることになっているから、まっずい保存食を買うべきだ。だが、この俺は新たに付与魔法『不腐(ふふ)』(保存食があるからオッケーbyアリナ様)を作ったから保存食じゃなくても食べ物を腐らせる事はない。よって旅に出ても宮廷料理並に旨い物を食い続けることができる。
食料調達が終わって自室に戻ると血相を変えたフィリクが居た。いや、俺はちゃんと外に出ることを護衛兵に伝えたから悪くない。
「エラクレス様!どうしますか?!」
フィリクは俺に駆け寄ってきた。
「は?何をだ?ああ、準備なら心配ない。もう俺の『収納』に家具や食料は入っていr…「そうではありません!なんですか?!あの酷い封土?!図書館で調べましたが…流石に酷すぎます!エラクレス様!ここは国王陛下に替え地を要請しましょう!」なんで?あっそっか?!お前は俺の本気を知らないのだったな。まあとにかく落ち着けったら。」
俺はなおも騒ぎ立てるフィリクをふっ飛ばして気絶させて水魔法で水と回復魔法(傷)をかけて起こした。
「落ち着いたか?」
「……はい。申し訳ございません。守役でありながら取り乱してしまい……。で、ですがっ!」
それでも完全には落ち着けなかったらしい。
「まあ、話を聞けったら。ほら、(精神安定剤入りの)水でも飲んで落ち着け。最初に言っておくが別にお前は付いてこなくても良い。俺はいつでもお前をクビにしてやるからな。守役の役目は命令だからよほどのことがない限り拒否できないが、俺が頼めば父上はお前をクビにしてくれると思う。」
まあ、守役をクビになることは結構不名誉なことだが。
「いえ、私はどこまでもエラクレス様についていきます。」
「そうか。それじゃあまず、準備しろ。ほら、物はこれに入れろ。」
そう言って俺は小さめな袋を差し出した。いわゆる魔道具という奴だ。どら焼きが好きな青狸ロボットが持っている袋を参考にした。『魔法袋』とでも名付けようか。
「聞いたことがあるだろう?エルフ達が製造過程を独占して作る不思議な袋だ。まあ、俺は完璧だから作るのは簡単だったな。サイズはこの王都が丸々入るくらいかなぁ。おっと秘密にしておけよ。俺はできるだけ殺生は避けたいからな。」
「わ、ワッております。」
【驚きすぎてまともに喋れないフィリクである。ちなみにエラクレスは既に人を殺したことがある。アメーナ様と一緒に盗賊共を殺し回ったのだ。これはアメーナ様の提案で、「実戦こそ最高の鍛錬!」と言われたのだ。しかし、エラクレスは気が乗らなくて拒んだ。だが、「為政者(公爵)がそれで良いのか!それで自分を守れるのか!」と一喝され覚悟を決めて毎晩王国中の盗賊を空間把握魔法で見つけ次第殺し回った。その結果アメーナ様に自分を守るために戦う根性をこれでもかという程に叩き込まれた。なお討伐された盗賊達の財産はエラクレスの『収納』の中で眠っている。】
「それでは準備してきます。」
フィリクが退出するのを見た俺は馬車の準備に向かう。別に俺は飛行魔法で移動すれば良いと思うのだが、飛行魔法は大魔法使いと呼ばれる人でも少数人しか使えない超凄い魔法だからそれを使ってしまうと目立つ。それに、馬車があると引っ越し感がはっきりと出て権力者(黒幕)から怪しまれにくいのだ。
それで俺が来たのは<チャロース商会>。おふくろの実家(大商人)だ。
「おお!孫よ!よく来てくれた!」
この商会の会長にして俺の祖父であるチャロースが迎えてくれた。白髪が目立つ年齢だが、おふくろと同じ蒼い目はギラギラと輝いている。
「やあ。爺ちゃん。ちょっと頼みたいことがある。封土まで行くのに馬車が欲しい。他の貴族から妬まれない程のデザインの馬車はどれくらい金がかかる?」
「ほっほっほ。そんな5年後の事を考えずにまあ、お菓子でも食べなさい。」
流石国王の寝所に娘をイレ込んだ腹黒だ。宮廷の事情を知り尽くしているから冊封はまだ早いと知っているようだ。
「まあ、これ見てくれよ……。」
そう言って俺が差し出したのは例の勅書だ。ことの重大さに気付いたチャロースの顔は祖父から大商人に変貌した。
「陰謀臭いな……。ならば王都を離れるべきだ。わかった望み通りの馬車を用意しよう。それに護衛も。まあ任せておきなさい。」
と言って俺にお菓子の箱を差し出した。
(儂としてもただの孫に優しい祖父という印象があった方が何かと良いのでな。)
祖父の意図を察した俺はお菓子を受け取り子供みたいに元気な声で……
「ありがとう!!!」
と言った。
「また来てなー!!!」
祖父も元気に応えた。
「ははっ!(いろいろツッコミどころがあるが、返事だけはしておくか。)」
「少々お聞きしたい事があるのですがよろしいですか?宰相殿。」
俺は返事から少し間を置いてから勅令を読み上げた宰相に質問をした。この宰相は第二王子ラントの祖父でザラーフ侯爵家当主ネルキンだ。
「よろしいですとも。」
ネルキンは了解した。
「ありがとうございます。私は任地を戴いた覚えが御座いません。どうか任地が何処か教えていただきとうございます。それに…私はまだ未熟者(成人を迎えてない人)でございます。」
そうなのだ。なんか勅令では俺は任地があるみたいな事を言われているが、そんな物を貰った覚えがない。そもそも、貴族でもない人が土地を持つなどこの国ではおかしい。それに、王族の授爵は成人を迎えてからという決まりだ。
「ご安心を、全てこの勅書に書いておりますので後でお読みください。」
ネルキンはそう言って勅書を差し出した。俺はそれを敬々しく受け取った。
それからすぐに親父が退出したから俺も退出した。
それで、勅書によるとこの一週間で成人の儀やら冊封儀式やらをドタバタとやるらしい。少々強引だが確かにこれなら法律は犯さないな。次に肝心の封土の場所だが、凄く酷い所になったものだ。王国の最北端の直轄地を与えられたらしい。普通の人じゃ知らないだろうな。だってその領地は人口が百人前後でほんの一部を除いて作物の育たない不毛の地が広がっているし、普通の人からしたら最北端はノース辺境伯の領地だからな。俺は知っていたが。
そしてその更に北には森が広がっていて獣人達の集落があるらしい。まあ、この情報が書かれた本は結構昔に書かれたから今も同じとは限らない。それでも行ってみれば分かる。それじゃあ!準備でもするか!俺は自室のベッドとかの家具を空間魔法『収納』に入れて、お小遣いでご飯を買いに行った。本来なら旅に出ることになっているから、まっずい保存食を買うべきだ。だが、この俺は新たに付与魔法『不腐(ふふ)』(保存食があるからオッケーbyアリナ様)を作ったから保存食じゃなくても食べ物を腐らせる事はない。よって旅に出ても宮廷料理並に旨い物を食い続けることができる。
食料調達が終わって自室に戻ると血相を変えたフィリクが居た。いや、俺はちゃんと外に出ることを護衛兵に伝えたから悪くない。
「エラクレス様!どうしますか?!」
フィリクは俺に駆け寄ってきた。
「は?何をだ?ああ、準備なら心配ない。もう俺の『収納』に家具や食料は入っていr…「そうではありません!なんですか?!あの酷い封土?!図書館で調べましたが…流石に酷すぎます!エラクレス様!ここは国王陛下に替え地を要請しましょう!」なんで?あっそっか?!お前は俺の本気を知らないのだったな。まあとにかく落ち着けったら。」
俺はなおも騒ぎ立てるフィリクをふっ飛ばして気絶させて水魔法で水と回復魔法(傷)をかけて起こした。
「落ち着いたか?」
「……はい。申し訳ございません。守役でありながら取り乱してしまい……。で、ですがっ!」
それでも完全には落ち着けなかったらしい。
「まあ、話を聞けったら。ほら、(精神安定剤入りの)水でも飲んで落ち着け。最初に言っておくが別にお前は付いてこなくても良い。俺はいつでもお前をクビにしてやるからな。守役の役目は命令だからよほどのことがない限り拒否できないが、俺が頼めば父上はお前をクビにしてくれると思う。」
まあ、守役をクビになることは結構不名誉なことだが。
「いえ、私はどこまでもエラクレス様についていきます。」
「そうか。それじゃあまず、準備しろ。ほら、物はこれに入れろ。」
そう言って俺は小さめな袋を差し出した。いわゆる魔道具という奴だ。どら焼きが好きな青狸ロボットが持っている袋を参考にした。『魔法袋』とでも名付けようか。
「聞いたことがあるだろう?エルフ達が製造過程を独占して作る不思議な袋だ。まあ、俺は完璧だから作るのは簡単だったな。サイズはこの王都が丸々入るくらいかなぁ。おっと秘密にしておけよ。俺はできるだけ殺生は避けたいからな。」
「わ、ワッております。」
【驚きすぎてまともに喋れないフィリクである。ちなみにエラクレスは既に人を殺したことがある。アメーナ様と一緒に盗賊共を殺し回ったのだ。これはアメーナ様の提案で、「実戦こそ最高の鍛錬!」と言われたのだ。しかし、エラクレスは気が乗らなくて拒んだ。だが、「為政者(公爵)がそれで良いのか!それで自分を守れるのか!」と一喝され覚悟を決めて毎晩王国中の盗賊を空間把握魔法で見つけ次第殺し回った。その結果アメーナ様に自分を守るために戦う根性をこれでもかという程に叩き込まれた。なお討伐された盗賊達の財産はエラクレスの『収納』の中で眠っている。】
「それでは準備してきます。」
フィリクが退出するのを見た俺は馬車の準備に向かう。別に俺は飛行魔法で移動すれば良いと思うのだが、飛行魔法は大魔法使いと呼ばれる人でも少数人しか使えない超凄い魔法だからそれを使ってしまうと目立つ。それに、馬車があると引っ越し感がはっきりと出て権力者(黒幕)から怪しまれにくいのだ。
それで俺が来たのは<チャロース商会>。おふくろの実家(大商人)だ。
「おお!孫よ!よく来てくれた!」
この商会の会長にして俺の祖父であるチャロースが迎えてくれた。白髪が目立つ年齢だが、おふくろと同じ蒼い目はギラギラと輝いている。
「やあ。爺ちゃん。ちょっと頼みたいことがある。封土まで行くのに馬車が欲しい。他の貴族から妬まれない程のデザインの馬車はどれくらい金がかかる?」
「ほっほっほ。そんな5年後の事を考えずにまあ、お菓子でも食べなさい。」
流石国王の寝所に娘をイレ込んだ腹黒だ。宮廷の事情を知り尽くしているから冊封はまだ早いと知っているようだ。
「まあ、これ見てくれよ……。」
そう言って俺が差し出したのは例の勅書だ。ことの重大さに気付いたチャロースの顔は祖父から大商人に変貌した。
「陰謀臭いな……。ならば王都を離れるべきだ。わかった望み通りの馬車を用意しよう。それに護衛も。まあ任せておきなさい。」
と言って俺にお菓子の箱を差し出した。
(儂としてもただの孫に優しい祖父という印象があった方が何かと良いのでな。)
祖父の意図を察した俺はお菓子を受け取り子供みたいに元気な声で……
「ありがとう!!!」
と言った。
「また来てなー!!!」
祖父も元気に応えた。
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