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第二章公爵として
メリア
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「はあ~、やっと帰れる…。」
「お疲れ様でした。旦那様♪」
獅子人に獣王に成ることを認めてもらってから1週間が過ぎた。その間は統治について所々諸々細々とした事をリチャード達と決めていた。リチャードが頑張って(主に腕力)くれたからそこまで苦痛ではなかった。
「それにしても驚きました。あのリチャードがあそこまで旦那様を慕っていたとは…。先代狼王のベルナドット大王は当時王子だった彼を見てかなり警戒心を抱いたとグスタフが言っていましたよ。」
「ハハハ。マジかよ。もし俺が事前にリチャードと会わずにその事を聞いていたら獅子人は後回しにしていたぞ。あ、でもリチャードと会わないという事はあいつは死んでいるのか?」
「そうかもしれませんね♪」
我が愛妻エカとの会話は本当に楽しい。
コンコン
ん?誰かドアをノックしている。
「獣王陛下、少しお時間をいただけるでしょうか?」
何人も逆らえないような重圧を誇る声がした。
「リチャードか入って良いぞ。」
「ありがとうございます。」
リチャードが部屋に入ってくると、その後ろには…俺と同い年くらいの少女が歩いている。
「こちらは我が娘のメリアです。ほら、自己紹介をしなさい。」
「お初にお目にかかります獣王陛下、メリアでございます。」
メリアは優雅にお辞儀をした。赤髪ロングで蒼い目をしているのが特徴的だ。ん?蒼い目?
「この娘は赤獅子族の私と青獅子族の家内との間にできた娘です。」
なるほどね、青獅子族の血もひいているのか。
「本当は私が自ら陛下をお支えしたいのですが、獅子王としての仕事もあるので代わりにこの娘を連れて行ってはもらえないでしょうか!私の子供の中では一番優秀な娘です。武術は勿論、読み書き、算術、周辺諸国の言語も話せます。」
ほお~!それは優秀だな。人材が不足気味だし連れて行こう。このままだとフィリクが一生社畜だ。
「有能な人材を推挙してくれて感謝する。メリアを連れて行こう。」
俺が了承すると…
「「これから宜しくお願いします。」」
親子揃って頭を下げた。いや頭を下げたいのはこっちの方だ。このままだと本拠地で頑張ってくれているフィリクが過労死してしまいそうだった。
「陛下、とお呼びすればよろしいでしょうか?」
メリアが聞いてきた。
常日頃から王としての自覚を持つことも大事だろう。
「そうだな…そう呼んでくれ。」
「…承知しました。」
なんか……不満?メリアは声色や態度を変えずに応えたが、なんか…あれ?
「それじゃ、メリア。テレポートして俺の本拠地に行くよ。」
「承知しました。」
【一瞬後】
「お~い。フィリク、帰ったぞ。」
フィリクの仕事部屋にテレポートした。
「おかえりなさいませ、エラクレス様。」
机に座ってモクモクと仕事をしていたフィリクはすぐに起立して敬々しく頭を下げた。全く、よく働く奴だ。サボろうと思えばいくらでもサボれただろうに…。過労死を心配しているこっちの身にもなって欲しい。それと……
「あ、ああ、俺はエラクレスだったな。」
ヤバイ、一週間も『獣王陛下』と呼ばれていたから危うく忘れかけた。
「獅子王リチャードとは面識があったから上手く取り込むことに成功したぞ。」
「面識があるというレベルではありませんでしたが…。」
エカが呆れながら言う。それを聞いたフィリクは特に驚かなかった。もう完全に慣れたようだ。いや、感覚が狂ったと言った方が正しいかもしれない。
そして俺は背後に佇んでいるメリアを見てフィリクに紹介を始めた。
「で、この子はそのリチャードの娘のメリアだ。彼の話では優秀なようだから連れてきた。我が領土は人材不足だからお前のところでよく使ってくれ。」
「承知しました………ですが、よろしいのでしょうか?一国の王が娘を遣わすという事は…その…深い意味を持つと思われますが…。」
「あ!言われてみれば!」
エカは何かに気づいたようだ。俺も流石に気づいた。メリア本人は頬を赤く染めている。
「忠誠を示すための人質だろう?」
俺は自信を込めて言った。
「「ちょっとだけ違います…。」」
「え?」
どうやら俺の解答は間違っていたらしく、フィリクが正解を言い始めた。メリアにいたっては不機嫌そうだ。
いや、マジでごめんって。
「いや、まあ、確かに間違ってはいませんが、それだけではありません。それは獅子王女殿下(メリア)にエラクレス様の御手がつく事を期待しておられるのでしょう。そして、もし本当に獅子王殿がそれを期待しておいでなら致さねば獅子王殿の面目を潰しかねません。」
フィリクが説明すると…
「はい、父からは陛下の御心のままにその身を尽くせ、と言われております。」
メリアが言った。
手がつくって何だっけ?
「な、なんと卑怯な…」
一方でエカはわかっているみたいだ…。
ニコッ!
そしてメリアは我が意を得たりと言いたげに笑っていた。
「えっと…手がつくというのがわからないのは…俺だけ?」
「「「あ……れ?」」」
場の空気が固まった。
「「立場が下の者と情交関係ができることですよ!」」
じょ、情交…あっ(察し)
流石の流石に気づいた。エカが憤っていた理由、メリアが頬を赤く染めた理由。
こ、これは…マズイ。
「え、エカ…その…ごめん。」
俺は怒られる前に謝った。
ネリーキア王国の貴族では、側室や愛人を持つ人も多いが…獣人や狼人は大丈夫…かわからない。
「何がですか?」
エカは突然謝った俺が不思議そうだった。
お、怒って…ないのか…。
エラクレスはビビリながらもなんとか続けた。
「そ、その…お前という妻を持ちながら新たに……別の女を持つことになってしまって…」
そこから一段と声を大きくして言った。
「ほ…」
「本当に申し訳ない!!!」
言い切った勢いそのまま頭を下げた。
「お疲れ様でした。旦那様♪」
獅子人に獣王に成ることを認めてもらってから1週間が過ぎた。その間は統治について所々諸々細々とした事をリチャード達と決めていた。リチャードが頑張って(主に腕力)くれたからそこまで苦痛ではなかった。
「それにしても驚きました。あのリチャードがあそこまで旦那様を慕っていたとは…。先代狼王のベルナドット大王は当時王子だった彼を見てかなり警戒心を抱いたとグスタフが言っていましたよ。」
「ハハハ。マジかよ。もし俺が事前にリチャードと会わずにその事を聞いていたら獅子人は後回しにしていたぞ。あ、でもリチャードと会わないという事はあいつは死んでいるのか?」
「そうかもしれませんね♪」
我が愛妻エカとの会話は本当に楽しい。
コンコン
ん?誰かドアをノックしている。
「獣王陛下、少しお時間をいただけるでしょうか?」
何人も逆らえないような重圧を誇る声がした。
「リチャードか入って良いぞ。」
「ありがとうございます。」
リチャードが部屋に入ってくると、その後ろには…俺と同い年くらいの少女が歩いている。
「こちらは我が娘のメリアです。ほら、自己紹介をしなさい。」
「お初にお目にかかります獣王陛下、メリアでございます。」
メリアは優雅にお辞儀をした。赤髪ロングで蒼い目をしているのが特徴的だ。ん?蒼い目?
「この娘は赤獅子族の私と青獅子族の家内との間にできた娘です。」
なるほどね、青獅子族の血もひいているのか。
「本当は私が自ら陛下をお支えしたいのですが、獅子王としての仕事もあるので代わりにこの娘を連れて行ってはもらえないでしょうか!私の子供の中では一番優秀な娘です。武術は勿論、読み書き、算術、周辺諸国の言語も話せます。」
ほお~!それは優秀だな。人材が不足気味だし連れて行こう。このままだとフィリクが一生社畜だ。
「有能な人材を推挙してくれて感謝する。メリアを連れて行こう。」
俺が了承すると…
「「これから宜しくお願いします。」」
親子揃って頭を下げた。いや頭を下げたいのはこっちの方だ。このままだと本拠地で頑張ってくれているフィリクが過労死してしまいそうだった。
「陛下、とお呼びすればよろしいでしょうか?」
メリアが聞いてきた。
常日頃から王としての自覚を持つことも大事だろう。
「そうだな…そう呼んでくれ。」
「…承知しました。」
なんか……不満?メリアは声色や態度を変えずに応えたが、なんか…あれ?
「それじゃ、メリア。テレポートして俺の本拠地に行くよ。」
「承知しました。」
【一瞬後】
「お~い。フィリク、帰ったぞ。」
フィリクの仕事部屋にテレポートした。
「おかえりなさいませ、エラクレス様。」
机に座ってモクモクと仕事をしていたフィリクはすぐに起立して敬々しく頭を下げた。全く、よく働く奴だ。サボろうと思えばいくらでもサボれただろうに…。過労死を心配しているこっちの身にもなって欲しい。それと……
「あ、ああ、俺はエラクレスだったな。」
ヤバイ、一週間も『獣王陛下』と呼ばれていたから危うく忘れかけた。
「獅子王リチャードとは面識があったから上手く取り込むことに成功したぞ。」
「面識があるというレベルではありませんでしたが…。」
エカが呆れながら言う。それを聞いたフィリクは特に驚かなかった。もう完全に慣れたようだ。いや、感覚が狂ったと言った方が正しいかもしれない。
そして俺は背後に佇んでいるメリアを見てフィリクに紹介を始めた。
「で、この子はそのリチャードの娘のメリアだ。彼の話では優秀なようだから連れてきた。我が領土は人材不足だからお前のところでよく使ってくれ。」
「承知しました………ですが、よろしいのでしょうか?一国の王が娘を遣わすという事は…その…深い意味を持つと思われますが…。」
「あ!言われてみれば!」
エカは何かに気づいたようだ。俺も流石に気づいた。メリア本人は頬を赤く染めている。
「忠誠を示すための人質だろう?」
俺は自信を込めて言った。
「「ちょっとだけ違います…。」」
「え?」
どうやら俺の解答は間違っていたらしく、フィリクが正解を言い始めた。メリアにいたっては不機嫌そうだ。
いや、マジでごめんって。
「いや、まあ、確かに間違ってはいませんが、それだけではありません。それは獅子王女殿下(メリア)にエラクレス様の御手がつく事を期待しておられるのでしょう。そして、もし本当に獅子王殿がそれを期待しておいでなら致さねば獅子王殿の面目を潰しかねません。」
フィリクが説明すると…
「はい、父からは陛下の御心のままにその身を尽くせ、と言われております。」
メリアが言った。
手がつくって何だっけ?
「な、なんと卑怯な…」
一方でエカはわかっているみたいだ…。
ニコッ!
そしてメリアは我が意を得たりと言いたげに笑っていた。
「えっと…手がつくというのがわからないのは…俺だけ?」
「「「あ……れ?」」」
場の空気が固まった。
「「立場が下の者と情交関係ができることですよ!」」
じょ、情交…あっ(察し)
流石の流石に気づいた。エカが憤っていた理由、メリアが頬を赤く染めた理由。
こ、これは…マズイ。
「え、エカ…その…ごめん。」
俺は怒られる前に謝った。
ネリーキア王国の貴族では、側室や愛人を持つ人も多いが…獣人や狼人は大丈夫…かわからない。
「何がですか?」
エカは突然謝った俺が不思議そうだった。
お、怒って…ないのか…。
エラクレスはビビリながらもなんとか続けた。
「そ、その…お前という妻を持ちながら新たに……別の女を持つことになってしまって…」
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「ほ…」
「本当に申し訳ない!!!」
言い切った勢いそのまま頭を下げた。
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