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自分を労ろうと思います

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 小鳥の鳴き声と共に起きて、ささっと身繕いを終えたところで、小屋の戸がノックされた。


「おはようございます、お嬢様。本日の朝食をお持ちしました。」


 メイドのハンナがまだ湯気の立つ野菜とオートミールの粥を運んでくれる。

「ありがとう。いただくわ。」

 中に入っているのは野菜の端切れだけれど、暖かくて滋養のあるスープをたっぷり吸ったオートミールは香ばしくて美味しい。味付けは塩だけでなく高価な胡椒も使われていて、料理長の心遣いが感じられる。

「お嬢様。本当にこんな食事でよろしいのですか?」

「いいのよ。またあなた達がお義母様に叱られたら困るもの」

 以前はもっと豪華な食事を運んできてくれていたのだが、一度義母に見つかって手酷く叱られて以来、粗末な食事を運ぶようにお願いしている。女主人としての権力を振りかざす義母に逆らえないだけで、使用人までもが敵に回った訳ではない。心配してくれている使用人達が鞭打たれるのは防ぎたかった。

 それに、義母を警戒して見た目は粗末にしてあるけれど、料理理長が丁寧に作ってくれているので味は美味しいから全然問題ないのだ。

「それより、お願いしていたものは入手できて?」

「はい。本日ルドがお持ちする予定です」

 ルドは通いの庭師だ。かつてはこの小屋に住み込みの庭師が住んでいたが、その人が田舎に帰ってしまったので、今は通いのルドとその弟子が手入れしてくれている。

 私は彼に頼んで、いくつかの薬草ハーブを注文した。夜会に行かなくてよくなったとはいえ、未だに金属アレルギーでかぶれた皮膚炎は治りきっていない。だからといって医者を呼びつけたりしたら義母に目をつけられるだけだ。幸い以前から私の名義で投資を行なっていたので、ささやかながら不労所得はある。薬草だけを買うなら目立つこともなく治療ができるだろう。
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