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1章
古楽器屋
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「うーん。どこ行こうかなぁ」
あわてて家を出たものの、メイちゃんと約束してるっていうのは嘘だし、別に用事もない。
おやつも食べてないから、腹ペコだ。
よしっ、こんな時は……駄菓子屋さんへ行こう!
ひとくちチョコとか、綿菓子とか食べたいし!
財布の中身を考えながら、近道の路地裏にまわって、てくてく歩く。
むっと湿気がこもったアスファルトのにおい。
さすが六月だなぁ。いつもはまだまだ明るいんだけど、今日は曇っていて暗い。
山の向こうにある雲は真っ黒だ。
しまった。傘持ってきてないなぁ。雨、降らなきゃいいけど。
民家が並ぶ道を歩いて、さらに細い道へと曲がる。
この先の一番奥にある公園の向かいに、駄菓子屋さんがあるんだよね。
今日は、ちょっと高めのチョコパンを買っちゃおうか。いや、クリームパンにしようかな。
ぽつっ。肩の上に冷たい雨粒が落ちてきた。
うわ? もう降ってきた?
足を速めて空き地の前を通り過ぎようとした時、
「あれ?」
なんだか変な感じがして、立ち止まった。
ここ、何もない空き地だったのに、今日は木の小屋が建ってる。
三角屋根はオレンジで、壁の色が水色。外国の可愛い建物みたいで、なんだかおしゃれ。
こんなところにお店なんかあったっけ?
不思議に思った時、雨粒が大きくなってきた。
「うわ。本格的に降ってきた!」
見上げると、真っ黒な雲からどんどん大粒の雨が降ってくる!
「ひえええ!」
仕方なく、お店の軒先へかけこんで、ハンカチでぬれた腕をふいていると、立てかけてある看板が目に入った。
(古楽器屋 コハク)って書いてある。
楽器屋さん? しかも古い楽器? どんなの売ってるんだろ?
ついでにお菓子も売ってないかなぁ?
……入ってみようか?
ドアには、色とりどりの貝がらがぶら下がってる。
金色のドアノブをまわすと、貝がらがカチャカチャと面白い音を立てた。
そっと開けると、ミカンみたいな優しい香り。
「こんにちは……」
声をかけてみたけど、返事はない。
しんとした薄暗い店内は、ごちゃごちゃと物であふれかえってる。
棚には、物が無造作に突っ込まれて、カウンターらしき所は本が山積み。
ちょんって押したら、今にも崩れてきそう。
床に楽器らしきものがたくさん置いてある。
ラッパみたいなくすんだ金色の楽器、和太鼓、ギター? 小さな木琴もある。
うーん。これ、店っていうか、ガラクタが置かれてるだけみたい。
でも、よく見てみると、一つ一つにちゃんと値札が貼ってある。
「あ、これ、かわいい」
手のひらサイズの丸い楽器がカウンターの隅に置いてあって、思わず手に取ってみた。
カスタネットみたいだけど、全部が透明!
中に色とりどりのビー玉みたいなものが入ってる。
横に持ってゆらしてみると、青や黄色、緑やピンクの玉がいったりきたり。
ぷくぷくした虹色の泡も動いて、とってもきれい。これ、たたいたらどんな音が出るんだろ?
「それは、いい音が出るぞ~」
「ひゃっ!」
急に背後から声がして、飛び上がった。
あわてて家を出たものの、メイちゃんと約束してるっていうのは嘘だし、別に用事もない。
おやつも食べてないから、腹ペコだ。
よしっ、こんな時は……駄菓子屋さんへ行こう!
ひとくちチョコとか、綿菓子とか食べたいし!
財布の中身を考えながら、近道の路地裏にまわって、てくてく歩く。
むっと湿気がこもったアスファルトのにおい。
さすが六月だなぁ。いつもはまだまだ明るいんだけど、今日は曇っていて暗い。
山の向こうにある雲は真っ黒だ。
しまった。傘持ってきてないなぁ。雨、降らなきゃいいけど。
民家が並ぶ道を歩いて、さらに細い道へと曲がる。
この先の一番奥にある公園の向かいに、駄菓子屋さんがあるんだよね。
今日は、ちょっと高めのチョコパンを買っちゃおうか。いや、クリームパンにしようかな。
ぽつっ。肩の上に冷たい雨粒が落ちてきた。
うわ? もう降ってきた?
足を速めて空き地の前を通り過ぎようとした時、
「あれ?」
なんだか変な感じがして、立ち止まった。
ここ、何もない空き地だったのに、今日は木の小屋が建ってる。
三角屋根はオレンジで、壁の色が水色。外国の可愛い建物みたいで、なんだかおしゃれ。
こんなところにお店なんかあったっけ?
不思議に思った時、雨粒が大きくなってきた。
「うわ。本格的に降ってきた!」
見上げると、真っ黒な雲からどんどん大粒の雨が降ってくる!
「ひえええ!」
仕方なく、お店の軒先へかけこんで、ハンカチでぬれた腕をふいていると、立てかけてある看板が目に入った。
(古楽器屋 コハク)って書いてある。
楽器屋さん? しかも古い楽器? どんなの売ってるんだろ?
ついでにお菓子も売ってないかなぁ?
……入ってみようか?
ドアには、色とりどりの貝がらがぶら下がってる。
金色のドアノブをまわすと、貝がらがカチャカチャと面白い音を立てた。
そっと開けると、ミカンみたいな優しい香り。
「こんにちは……」
声をかけてみたけど、返事はない。
しんとした薄暗い店内は、ごちゃごちゃと物であふれかえってる。
棚には、物が無造作に突っ込まれて、カウンターらしき所は本が山積み。
ちょんって押したら、今にも崩れてきそう。
床に楽器らしきものがたくさん置いてある。
ラッパみたいなくすんだ金色の楽器、和太鼓、ギター? 小さな木琴もある。
うーん。これ、店っていうか、ガラクタが置かれてるだけみたい。
でも、よく見てみると、一つ一つにちゃんと値札が貼ってある。
「あ、これ、かわいい」
手のひらサイズの丸い楽器がカウンターの隅に置いてあって、思わず手に取ってみた。
カスタネットみたいだけど、全部が透明!
中に色とりどりのビー玉みたいなものが入ってる。
横に持ってゆらしてみると、青や黄色、緑やピンクの玉がいったりきたり。
ぷくぷくした虹色の泡も動いて、とってもきれい。これ、たたいたらどんな音が出るんだろ?
「それは、いい音が出るぞ~」
「ひゃっ!」
急に背後から声がして、飛び上がった。
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