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2章
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三味線の音がきこえる。
こまやかだけど、わたしの音を引っ張ってくれる力強い音。
かっこいいな。早玖の音はほんとにキレ味がある。
早玖って、うまくなるのが本当に早くてうらやましい。
きのうは止まってたところがもう弾けるようになってるんだもん。
「ねぇ、一緒に合わそうよ。早玖が練習してた三小節目から」
三味線をかまえてる早玖の背中に言ったら、ゆっくり振り向いた。
「悪いけど、それはできない」
大きくなった早玖。見下ろしてくる視線。
「もう弾いてない」
氷みたいな冷えた言葉をなんでもないように言う。
そんなこと言わないでよ、早玖。昔はもっと……
あ、あれ。鼻がムズムズする。
ふぁっ……
「くしゅん!」
くしゃみで目が覚めたら、鼻先からちょうちょが飛び立った。
「あ、わたし寝てたんだ……」
草がぼうぼうに茂ってる中庭の片隅にあるベンチ。
座って空を見上げてたら、いつの間にかウトウトして……眠っちゃってたんだ。
「あー。嫌な夢みちゃったな」
きのう、早玖と会ったこと。
自分にとってはけっこうショーゲキ的だったから、夢までみちゃったのか。
そうだそうだ。お昼休み、外の空気が吸いたくなって中庭に来たんだった。
入学してから一週間。午前中の授業も長く感じて、すごくしんどい。
みんながさわいで授業にならないし、先生もあきらめてるのか、淡々と授業をするだけ。
一年生のはじめなのに、先が思いやられるよね。
昔、ちょっと授業をのぞいたことがあったけど、こんなのじゃなかった。
お兄さんとお姉さんは輝いた目で先生の話を聞いていて、かっこいいって思ったのに。
……って、昔のこと、思い出してもしょうがないか。
毛虫がいそうな雑草地帯を見ながら、ため息をつく。
「よしっ。掃除するぞ」
ポンポンとスカートのゴミを払って、立ち上がった。
最近、休み時間は、草むしりをしたり、ゴミ拾いをしてるんだ。
お掃除セットをポケットに入れてて、すぐ使えるようにしてる。
セットって言っても大したことなくて、ナイロン袋とビニール手袋。
少しでもきれいになったら、前の学園に一歩近づく気がして、毎日やってる。
でも、すぐにだれかがポイ捨てするのか、汚くなるんだけどね。
(空鏡学園はやめた方がいいと思う)
マイちゃんの心配したような声を思い出した。
そう言えば、ここに来てまだ一人も友達ができてないな。
ビニール手袋をしてから、お菓子の空袋を拾った。
卒業パーティーでみんなで食べた(にんにくたっぷりトロピカルバーベキュー味)の袋だ。
はぁ。マイちゃんやヒナちゃんと同じ中学校に行ってれば、こんな思いしなくてよかったのかな。
休み時間は、みんなとわいわい話したり、お絵かきしたり。
楽しかったなぁ。あの時に戻りたい。でも、今は……。
って、弱気になっちゃダメだ! 何のために空鏡学園に入ったの!
自分の心をしかりつけて、空を見上げる。
ゴミ拾いだけじゃ、何も進まない。動かなきゃ!
実はきのう、いっぱい考えたんだ。
一人じゃできることは限られてる。やっぱり協力者が必要だよね。
それも、力を持った協力者が!
こまやかだけど、わたしの音を引っ張ってくれる力強い音。
かっこいいな。早玖の音はほんとにキレ味がある。
早玖って、うまくなるのが本当に早くてうらやましい。
きのうは止まってたところがもう弾けるようになってるんだもん。
「ねぇ、一緒に合わそうよ。早玖が練習してた三小節目から」
三味線をかまえてる早玖の背中に言ったら、ゆっくり振り向いた。
「悪いけど、それはできない」
大きくなった早玖。見下ろしてくる視線。
「もう弾いてない」
氷みたいな冷えた言葉をなんでもないように言う。
そんなこと言わないでよ、早玖。昔はもっと……
あ、あれ。鼻がムズムズする。
ふぁっ……
「くしゅん!」
くしゃみで目が覚めたら、鼻先からちょうちょが飛び立った。
「あ、わたし寝てたんだ……」
草がぼうぼうに茂ってる中庭の片隅にあるベンチ。
座って空を見上げてたら、いつの間にかウトウトして……眠っちゃってたんだ。
「あー。嫌な夢みちゃったな」
きのう、早玖と会ったこと。
自分にとってはけっこうショーゲキ的だったから、夢までみちゃったのか。
そうだそうだ。お昼休み、外の空気が吸いたくなって中庭に来たんだった。
入学してから一週間。午前中の授業も長く感じて、すごくしんどい。
みんながさわいで授業にならないし、先生もあきらめてるのか、淡々と授業をするだけ。
一年生のはじめなのに、先が思いやられるよね。
昔、ちょっと授業をのぞいたことがあったけど、こんなのじゃなかった。
お兄さんとお姉さんは輝いた目で先生の話を聞いていて、かっこいいって思ったのに。
……って、昔のこと、思い出してもしょうがないか。
毛虫がいそうな雑草地帯を見ながら、ため息をつく。
「よしっ。掃除するぞ」
ポンポンとスカートのゴミを払って、立ち上がった。
最近、休み時間は、草むしりをしたり、ゴミ拾いをしてるんだ。
お掃除セットをポケットに入れてて、すぐ使えるようにしてる。
セットって言っても大したことなくて、ナイロン袋とビニール手袋。
少しでもきれいになったら、前の学園に一歩近づく気がして、毎日やってる。
でも、すぐにだれかがポイ捨てするのか、汚くなるんだけどね。
(空鏡学園はやめた方がいいと思う)
マイちゃんの心配したような声を思い出した。
そう言えば、ここに来てまだ一人も友達ができてないな。
ビニール手袋をしてから、お菓子の空袋を拾った。
卒業パーティーでみんなで食べた(にんにくたっぷりトロピカルバーベキュー味)の袋だ。
はぁ。マイちゃんやヒナちゃんと同じ中学校に行ってれば、こんな思いしなくてよかったのかな。
休み時間は、みんなとわいわい話したり、お絵かきしたり。
楽しかったなぁ。あの時に戻りたい。でも、今は……。
って、弱気になっちゃダメだ! 何のために空鏡学園に入ったの!
自分の心をしかりつけて、空を見上げる。
ゴミ拾いだけじゃ、何も進まない。動かなきゃ!
実はきのう、いっぱい考えたんだ。
一人じゃできることは限られてる。やっぱり協力者が必要だよね。
それも、力を持った協力者が!
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