和ごころシンフォニー

森野ゆら

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7章

マイペースな桜宮さん

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 窓に雨の水滴がいっぱいついていて、風がしずくを流していく。
 最近、雨の日が多くなって、梅雨らしくなってきたなぁ。
 そんなことを思いながらほおづえをついていたら、
 どさーっ! いきなり色とりどりの花が机の上に落ちてきた。

「北川さん、これ、作ってきたんですけど、どうですか?」 

 びっくりして顔を上げると、桜宮さんが紙袋を逆さにしてにっこりしてる。

「かわいい! でもいきなり花が降ってきてびっくりしたよ」

「ごめんなさい。ちょっとおどろかせようと思って」

 そう言って、桜宮さんがいたずらっこみたいに舌を出す。

「お花が作れるやわらかいペーパーがあって、作ってみたんです。かわいいでしょ?」

「うんうん。すごくかわいい」

 文化祭まであともう少し。
 体育館に飾るものを考えてたら、桜宮さんが「作りますよ」って言ってくれたんだ。

「これをもっとたくさん作りますね。華やかになるように!」

「ありがとう、桜宮さん!」

「いえいえ。これくらいしかできませんけど。北川さんは練習どうですか?」

「がんばってるよ。まだちょこちょこ音をまちがえちゃうけど」

 早玖と練習を始めてから二週間。
 二週間っていっても、早玖は生徒会の方にも行かないといけないから、練習できない日もたくさんある。
 だいたい弾けるようになったんだけど、まちがえる所は絶対にあって、どうしても完璧に弾けない。
 早玖と一緒に弾ける! って、うれしかったのもつかの間。
 早玖の三味線と全然合わない所がわりとあって、テンポも間も微妙にずれるんだ。
 昔はそんなことなかったのに。小さな頃のわたしたちの方がうまかった?
 ダメだ。このままじゃ。学園長の前で弾くなら、完璧じゃないと。

「はぁ。お箏かぁ。きいてみたいです~」

 お花を紙袋に片付けながら、桜宮さんがつぶやいた。

「そうだ。桜宮さん、ききにくる?」

「えっ? いいんですか?」

 桜宮さんがぴょんとその場で跳ねた。
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