スパイラル・ワープ!

森野ゆら

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4章

7 瑞希の妹

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「あ、お客さんかな? 誰だろ」

 ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。

「はぁい、ちょっと待ってくださーい」

 インターホンの画面を見ると、ツインテールの女の子が小さな箱を抱えて立ってる。

亜希あきちゃんだ」

「亜希ちゃん? 近所の子?」

 リゼが後ろからきいてきた。

「うん。瑞希の妹だよ」

 玄関のドアを開けると、亜希ちゃんが笑顔で箱を突き出してきた。

「こんにちはっ。ひなりちゃん。これクッキー。おすそわけ」

「ありがとう。うわぁ、もらっちゃっていいの?」

「うん。いっぱい焼いたから」

 亜希ちゃんはツインテールをぶんっとゆらしてうなずいた後、私の背後をいぶかしげに見た。

「そのお兄ちゃん、だれ?」

「えっ?」

 振り向くと、リゼがじーっと亜希ちゃんを見てる。
 うわっ。いつのまに私の背後にいたの⁈

「ひなりちゃんのお友達?」

「あ、えーと。私のいとこだよ。うちに遊びにきてるんだ」

 あははっとごまかし笑いをしたけど、亜希ちゃんは怪しい人を見るような目。

「それより、亜希ちゃん、あがってく? いちごプリンがあるんだ」

「いちごプリン? やった! おじゃまします」

 亜希ちゃんは目をキラキラさせて、靴を脱ぎ始めた。
 リビングに入ってもらうと、亜希ちゃんは慣れたようにソファに座った。
 リゼはさっきいた場所に座って、ニコニコ亜希ちゃんを見つめてる。

「プリン取ってくるね。リゼのお茶のおかわりも」

 キッチンに入って、お茶とプリンを用意してたら、楽しそうな話し声が聞こえてきた。
 あれ? 亜希ちゃん、リゼのこと警戒してたけど、もう仲良くなったのかな?
 リビングに戻ると、二人は向かい合って話してる。

「その時ね~、背中にカメムシついてたんだって!」

 亜希ちゃんが言うと、リゼが大笑いした。
 亜希ちゃんも一緒になって笑い出す。
 ……すごい。もう仲良くなってる。
 リゼのコミュ力に感心しながら、テーブルにお茶を置く。

「はい。プリンどうぞ」

 いちごプリンを前に置くと、亜希ちゃんがぱちんと胸の前で手をたたいた。

「わー! やったぁ。いただきまーす」

「クッキー、たくさんだね。亜希ちゃんのお母さんが焼いたの?」

 リゼがきくと、亜希ちゃんが首を横に振った。

「ううん、お兄ちゃんが焼いたんだよ。お兄ちゃん、帰ってくるなり、すぐにクッキー焼き始めたの。まだ熱いのに急いで箱に入れて、ひなりちゃん家に持ってけって言ったの。お兄ちゃんが持っていけばいいのにね」

「へぇ。そうなんだ。なるほどね」

 リゼがフハッと笑いながら、クッキーを一つつまんだ。
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