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5章
9 帰還
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グルグルとまわる感覚がゆるやかになってきた。
回転が完全に止まってから、ゆっくり目を開ける。
山肌の前。雑草だらけの地面。
フルーツ公園の奥。スパイラルがあった場所だ。
「はー。二人とも、おつかれさま」
リゼがほっとしたように、私たちに笑みを浮かべた。
「すごい。ちゃんと元の場所に戻ってきた」
まだめまいが残る頭を押さえながら感心してると、瑞希がコツンと私の頭を小突いた。
「それにしても、なんでまたスパイラルに入ろうとしたんだよ」
瑞希があきれたような目を私に向けてくる。
「ごめん。今回は好奇心とかじゃなくて……これがスパイラルに吸い込まれそうだったから」
ポシェットから写真を取り出して見せると、瑞希は少し目を大きくした後、小さく笑った。
「覚えてる?」
「うん。覚えてる。確かひなりがぶどう食べすぎて腹をこわして……」
「ちょっ……やめてよっ」
「ははっ。悪い悪い。ちゃんと覚えてるよ。おれたち、背が低くてなかなかとれなかったから、むつ子さんがとってくれたよなぁ」
写真のぶどうを指さしながら、懐かしそうに瑞希が目を細める。
「それにしても、ひなり、よく分かったな。ここにスパイラルがあるって」
リゼが銀色の髪をかきあげながら、目を丸くした。
「うん。果樹園の地図記号を見たらピーンときて、フルーツ公園にすぐ来ちゃったよ……そう言えば、なんで瑞希もここに来たの?」
「おれは……その、むつ子さん家から出てきたひなりの様子がおかしかったから、後をつけて……」
ゴニョゴニョと言いにくそうに瑞希が下を向く。
「瑞希はひなりのことが心配でたまらないんだね。この前のスパイラル探しの時もついてきてたもんなぁ。電気屋の看板に隠れてまで」
「なっ……」
笑いながら言うリゼに、瑞希は顔を真っ赤にして口をパクパクさせた。
……また心配させちゃったな。
なんだか、瑞希に申し訳ない気持ちになる。
「とにかく、サイリのメモデータは信ぴょう性があるってことだな。他のデータもどういう意味を持つか分かったら、サイリが次にどこにスパイラルを作るか分かるな」
リゼがスパイラルがあった場所に視線を落とした。
「メモデータってなんのことだ?」
瑞希がきいて、リゼがタブレットを出してきた。
そっか。瑞希にサイリのメモデータのことは話してなかったっけ。
「実はサイリが残していたメモが見つかったんだ。それで……」
リゼがタブレットの画面を指さしながら説明する。
興味深げに見る瑞希に、ふと思った。
瑞希だったら、すぐに果樹園の記号なら分かったかもしれないなぁ。
「スパイラルのデータからして、三日前後に作られたもの。サイリがこの場所にスパイラルの状態を頻繁に見に来ていた可能性もある……」
リゼが考えるようにつぶやいた。
「ひなり、だれか怪しいヤツ見なかったか?」
瑞希に言われて、あらためてここに来てからを思い出す。
「……怪しいヤツ……」
怪しいって言えば……あの人しかいないよね。でも……
口にするのをためらってると、瑞希が眉を上げた。
「ひなり、心当たりあるのか?」
「実は……大地先生が周りをキョロキョロしながら歩いてて、私と目が合ったら逃げていったの」
「大地先生が⁈」
「だれ? 大地先生って?」
驚く瑞希にリゼが首を傾けた。
「私と瑞希の担任の先生だよ。でも、確かに先生、挙動不審だった」
大地先生が偶然ここに来てたとしても、私を見て逃げるのはおかしい。
まさか、大地先生がサイリってことは……ないよね⁈
回転が完全に止まってから、ゆっくり目を開ける。
山肌の前。雑草だらけの地面。
フルーツ公園の奥。スパイラルがあった場所だ。
「はー。二人とも、おつかれさま」
リゼがほっとしたように、私たちに笑みを浮かべた。
「すごい。ちゃんと元の場所に戻ってきた」
まだめまいが残る頭を押さえながら感心してると、瑞希がコツンと私の頭を小突いた。
「それにしても、なんでまたスパイラルに入ろうとしたんだよ」
瑞希があきれたような目を私に向けてくる。
「ごめん。今回は好奇心とかじゃなくて……これがスパイラルに吸い込まれそうだったから」
ポシェットから写真を取り出して見せると、瑞希は少し目を大きくした後、小さく笑った。
「覚えてる?」
「うん。覚えてる。確かひなりがぶどう食べすぎて腹をこわして……」
「ちょっ……やめてよっ」
「ははっ。悪い悪い。ちゃんと覚えてるよ。おれたち、背が低くてなかなかとれなかったから、むつ子さんがとってくれたよなぁ」
写真のぶどうを指さしながら、懐かしそうに瑞希が目を細める。
「それにしても、ひなり、よく分かったな。ここにスパイラルがあるって」
リゼが銀色の髪をかきあげながら、目を丸くした。
「うん。果樹園の地図記号を見たらピーンときて、フルーツ公園にすぐ来ちゃったよ……そう言えば、なんで瑞希もここに来たの?」
「おれは……その、むつ子さん家から出てきたひなりの様子がおかしかったから、後をつけて……」
ゴニョゴニョと言いにくそうに瑞希が下を向く。
「瑞希はひなりのことが心配でたまらないんだね。この前のスパイラル探しの時もついてきてたもんなぁ。電気屋の看板に隠れてまで」
「なっ……」
笑いながら言うリゼに、瑞希は顔を真っ赤にして口をパクパクさせた。
……また心配させちゃったな。
なんだか、瑞希に申し訳ない気持ちになる。
「とにかく、サイリのメモデータは信ぴょう性があるってことだな。他のデータもどういう意味を持つか分かったら、サイリが次にどこにスパイラルを作るか分かるな」
リゼがスパイラルがあった場所に視線を落とした。
「メモデータってなんのことだ?」
瑞希がきいて、リゼがタブレットを出してきた。
そっか。瑞希にサイリのメモデータのことは話してなかったっけ。
「実はサイリが残していたメモが見つかったんだ。それで……」
リゼがタブレットの画面を指さしながら説明する。
興味深げに見る瑞希に、ふと思った。
瑞希だったら、すぐに果樹園の記号なら分かったかもしれないなぁ。
「スパイラルのデータからして、三日前後に作られたもの。サイリがこの場所にスパイラルの状態を頻繁に見に来ていた可能性もある……」
リゼが考えるようにつぶやいた。
「ひなり、だれか怪しいヤツ見なかったか?」
瑞希に言われて、あらためてここに来てからを思い出す。
「……怪しいヤツ……」
怪しいって言えば……あの人しかいないよね。でも……
口にするのをためらってると、瑞希が眉を上げた。
「ひなり、心当たりあるのか?」
「実は……大地先生が周りをキョロキョロしながら歩いてて、私と目が合ったら逃げていったの」
「大地先生が⁈」
「だれ? 大地先生って?」
驚く瑞希にリゼが首を傾けた。
「私と瑞希の担任の先生だよ。でも、確かに先生、挙動不審だった」
大地先生が偶然ここに来てたとしても、私を見て逃げるのはおかしい。
まさか、大地先生がサイリってことは……ないよね⁈
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