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7章
1 土曜日の水族館
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さすが土曜日の水族館!
朝一で来たのに、もうチケット売り場の前に行列ができてる。
「へぇ。きれいな建物だね」
入口の前でリゼが手でひさしを作り、建物を見上げた。
「そうでしょ? 小さい時はよく来たなぁ」
今日は電車とバスを乗り継いで、水族館へやってきた。
前はお父さんとお母さんに連れてきてもらったけど、私たちだけで来るなんて初めてだから、ちょっとドキドキしちゃった。
チケットを係の人へ渡して、水族館の中へ入ると、目の前に現れたのは大きな水槽!
たくさんの魚に、悠然と泳ぐウミガメ。
うわぁ。まるで海の中にいるみたい。
「おおっ、魚の群れ!」
リゼがイワシの大群に声をあげて、水槽近くへかけよった。
「リゼ、見て! エイが来たよ!」
「本当だ。泳ぎ方、カッコイイな」
「あ、こっちの黄色い魚、かわいい~」
「おおっ、ひなり! あっちにすっごくおっきな魚が……」
リゼが目をキラキラさせて、私の腕を引っ張った。
「おいおい。普通に楽しんでるけど、今日はスパイラルとサイリを探しに来たんだろ?」
瑞希の声に私とリゼはびくりと動きを止める。
「そ、そうだった」
「スパイラルの音は……聞こえないなぁ」
あははと私とリゼがごまかし笑いをしたら、瑞希がハアッと息をはいた。
「じゃあ、サイリはこの場所にまだ作ってないってことか」
「そうだね。でも、サイリってどんな人か分かんないから、見つけようがないよね」
今のところ、大地先生が有力候補だけど。
大きな水槽を後にして、奥の展示へと足を進めた。
そう言えば、サイリが男か女か、どれくらいの背でどんな顔かも聞いてなかった。
「ねぇねぇ、リゼ。サイリってどんな雰囲気の人?」
前を歩くリゼの袖を引っ張ってきく。
「うーん。ぼくもあまり知らないんだ。サイリに関する情報が少なくてね。たぶん、こっちの時代の人間のフリして溶けこんでるんじゃないかとは思うけど」
こっちの時代に溶けこんで……かぁ。
宇宙人ならすぐにちがうって分かるかもしれないけど、同じ地球人だし、時代がちがうだけなら分かんないかも。
……と、急に瑞希が立ち止まった。
「……あれ? あの人……」
瑞希の視線を追うと、大きな柱の前にツンツン頭が見えた。
「だっ……」
叫びそうになって、あわてて口を押える。
いた! 大地先生だ!
朝一で来たのに、もうチケット売り場の前に行列ができてる。
「へぇ。きれいな建物だね」
入口の前でリゼが手でひさしを作り、建物を見上げた。
「そうでしょ? 小さい時はよく来たなぁ」
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前はお父さんとお母さんに連れてきてもらったけど、私たちだけで来るなんて初めてだから、ちょっとドキドキしちゃった。
チケットを係の人へ渡して、水族館の中へ入ると、目の前に現れたのは大きな水槽!
たくさんの魚に、悠然と泳ぐウミガメ。
うわぁ。まるで海の中にいるみたい。
「おおっ、魚の群れ!」
リゼがイワシの大群に声をあげて、水槽近くへかけよった。
「リゼ、見て! エイが来たよ!」
「本当だ。泳ぎ方、カッコイイな」
「あ、こっちの黄色い魚、かわいい~」
「おおっ、ひなり! あっちにすっごくおっきな魚が……」
リゼが目をキラキラさせて、私の腕を引っ張った。
「おいおい。普通に楽しんでるけど、今日はスパイラルとサイリを探しに来たんだろ?」
瑞希の声に私とリゼはびくりと動きを止める。
「そ、そうだった」
「スパイラルの音は……聞こえないなぁ」
あははと私とリゼがごまかし笑いをしたら、瑞希がハアッと息をはいた。
「じゃあ、サイリはこの場所にまだ作ってないってことか」
「そうだね。でも、サイリってどんな人か分かんないから、見つけようがないよね」
今のところ、大地先生が有力候補だけど。
大きな水槽を後にして、奥の展示へと足を進めた。
そう言えば、サイリが男か女か、どれくらいの背でどんな顔かも聞いてなかった。
「ねぇねぇ、リゼ。サイリってどんな雰囲気の人?」
前を歩くリゼの袖を引っ張ってきく。
「うーん。ぼくもあまり知らないんだ。サイリに関する情報が少なくてね。たぶん、こっちの時代の人間のフリして溶けこんでるんじゃないかとは思うけど」
こっちの時代に溶けこんで……かぁ。
宇宙人ならすぐにちがうって分かるかもしれないけど、同じ地球人だし、時代がちがうだけなら分かんないかも。
……と、急に瑞希が立ち止まった。
「……あれ? あの人……」
瑞希の視線を追うと、大きな柱の前にツンツン頭が見えた。
「だっ……」
叫びそうになって、あわてて口を押える。
いた! 大地先生だ!
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