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夏の終わりに
桃と穂高と筋トレ(3/3)※
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「ここ、結構凄い事になってる」
とんとん、と指先でお臍の下あたりを軽く叩かれた時だった。
そこを中心に走った甘い疼きに自分の中が穂高さんの事を締め出そうとしてしまい、耐える。
「っ、余裕見せてるつもりだったんだけど……駄目だな」
最初は撫でるだけだった穂高さんの手が私のお腹の上を探るように、さっき感じてしまった場所を――彼が入っている先の方を探られて、そっと押される。
「んうッ!!」
漏れ出る声に自分で口を塞ぐ。
く、く、と拍動するように彼の手で何度も上から押されてその圧迫されるリズムと一緒に感じた事のない疼きが全身に響いていくようだった。
それ駄目、やめて、と片手を伸ばしても手首を掴まれてしまう。
口元は押さえていないと多分、とんでもない声が出る。
「桃さん可愛い」
私が“それ”に弱いのだと学習された。
真っ直ぐな視線で「可愛い」と言われてしまう、と。
「い、や…あ」
「そう、その猫ちゃんみたいな細い声」
俺は好きだよ、と耳元で囁かれた。
いっぱいする、と言っても。
「ひ、っう、んんんッ」
穂高さんがソファーから引きずり下ろしたクッションを抱かされ、私はひたすらに声を我慢して揺れていたけれどいよいよ、クッションを抱き締めている力も入らなくなりそうになる。
「これだと桃さんの顔が見えないのが、」
ず、とお腹に響く刺激。
「今度の夜、出掛けようか」
ね?と約束をされてしまう。
その約束の行き先はきっと、私が声を出しても大丈夫な場所だと知って汗をかいているのにもっと、頬が熱くなる。
このままずっとしてたらのぼせちゃう。
頭の芯がぼーっとしてきて、もう出して、と足で穂高さんの事を挟む。
本当にこのまま続けていたら体がへとへとにくたびれてしまう。
まだ旅行の計画を練っている最中だったのに。
「もう、や……ッ」
「うん」
私のお腹を軽く撫でる指先がそのまま降りて、ずっと腫れあがっている敏感な部分を優しく撫でる。
「は、う」
「びっしょりだ」
汗の事なのか、それとも。
後者なのだろうな、と滑りの良い指先で弄られて身震いをするといよいよ彼も終わらせてくれるらしく、奥の方を……私のイイトコロを知っている腰つきで攻められてそれはまあ、本当に呆気なく、いってしまった。
クッションを抱く腕が落ちてしまえば必然的にそれは傍らに転がっていく。反らせて曝け出している胸元のちょうど真上。私を下にして汗を滲ませながら顔を赤らめている穂高さんの表情を目の当たりにしてしまえば、いってしまったばかりなのにびくびくと自分でも分かるくらいに締め付けてしまい、彼ももう耐えられずに爆ぜてくれた。
肩で息をする私にキスをしてくれる人も、びっしょり。
「桃さん、大丈夫……?」
冷たいタオルの方がいいかな、と心配してくれる優しい人。
お願いします、と頷いてテーブルの上の二つ並んだノートパソコンを見上げる。
後日、金曜日。
仕事終わりの夜の居酒屋チェーン。
ある程度まとまった所で秋の行楽の草案を夏帆に提出した。
「梨狩り……?そのままいけちゃう感じ?」
「そう、そのままいけちゃう感じ」
その場で剥いて食べられるの、と教えればグラスビールを傾けていた夏帆はうんうん頷く。夏はバーベキューだったので秋と言えば、の味覚狩り体験。凡庸かもしれないけれどやっぱりこればかりは外せないと決めた。なんなら葡萄狩りと言うプランも用意してある。
「両方行くのは……」
「言うと思った。勿論、一日目と二日目それぞれに組み込めるようにしてあるから豪勢に両方行こっか」
「さっすがモモ!!好き!!」
ぐふふ、と妙な声で笑う夏帆が楽しみにしてくれている事が分かってひと安心。穂高さんも昼休みの合間にでもくまさんにプレゼンしていると思うので持ち帰って二人でプランを吟味してもらって……私も、四人で行く旅行がとても楽しみだった。
「やっぱりモモ、綺麗になったわ」
「そう?パウダーちょっといいやつ奮発したからじゃない?」
「いいや違うね、絶対に穂高さんのお陰だわ」
ああ……汗、かいたから、とか?とは言えない。
しょっちゅう、ってわけじゃないしね。
でも今夜、このあと。
私と穂高さんはこの繁華街のどこかで、お泊りを約束している。
おしまい。
とんとん、と指先でお臍の下あたりを軽く叩かれた時だった。
そこを中心に走った甘い疼きに自分の中が穂高さんの事を締め出そうとしてしまい、耐える。
「っ、余裕見せてるつもりだったんだけど……駄目だな」
最初は撫でるだけだった穂高さんの手が私のお腹の上を探るように、さっき感じてしまった場所を――彼が入っている先の方を探られて、そっと押される。
「んうッ!!」
漏れ出る声に自分で口を塞ぐ。
く、く、と拍動するように彼の手で何度も上から押されてその圧迫されるリズムと一緒に感じた事のない疼きが全身に響いていくようだった。
それ駄目、やめて、と片手を伸ばしても手首を掴まれてしまう。
口元は押さえていないと多分、とんでもない声が出る。
「桃さん可愛い」
私が“それ”に弱いのだと学習された。
真っ直ぐな視線で「可愛い」と言われてしまう、と。
「い、や…あ」
「そう、その猫ちゃんみたいな細い声」
俺は好きだよ、と耳元で囁かれた。
いっぱいする、と言っても。
「ひ、っう、んんんッ」
穂高さんがソファーから引きずり下ろしたクッションを抱かされ、私はひたすらに声を我慢して揺れていたけれどいよいよ、クッションを抱き締めている力も入らなくなりそうになる。
「これだと桃さんの顔が見えないのが、」
ず、とお腹に響く刺激。
「今度の夜、出掛けようか」
ね?と約束をされてしまう。
その約束の行き先はきっと、私が声を出しても大丈夫な場所だと知って汗をかいているのにもっと、頬が熱くなる。
このままずっとしてたらのぼせちゃう。
頭の芯がぼーっとしてきて、もう出して、と足で穂高さんの事を挟む。
本当にこのまま続けていたら体がへとへとにくたびれてしまう。
まだ旅行の計画を練っている最中だったのに。
「もう、や……ッ」
「うん」
私のお腹を軽く撫でる指先がそのまま降りて、ずっと腫れあがっている敏感な部分を優しく撫でる。
「は、う」
「びっしょりだ」
汗の事なのか、それとも。
後者なのだろうな、と滑りの良い指先で弄られて身震いをするといよいよ彼も終わらせてくれるらしく、奥の方を……私のイイトコロを知っている腰つきで攻められてそれはまあ、本当に呆気なく、いってしまった。
クッションを抱く腕が落ちてしまえば必然的にそれは傍らに転がっていく。反らせて曝け出している胸元のちょうど真上。私を下にして汗を滲ませながら顔を赤らめている穂高さんの表情を目の当たりにしてしまえば、いってしまったばかりなのにびくびくと自分でも分かるくらいに締め付けてしまい、彼ももう耐えられずに爆ぜてくれた。
肩で息をする私にキスをしてくれる人も、びっしょり。
「桃さん、大丈夫……?」
冷たいタオルの方がいいかな、と心配してくれる優しい人。
お願いします、と頷いてテーブルの上の二つ並んだノートパソコンを見上げる。
後日、金曜日。
仕事終わりの夜の居酒屋チェーン。
ある程度まとまった所で秋の行楽の草案を夏帆に提出した。
「梨狩り……?そのままいけちゃう感じ?」
「そう、そのままいけちゃう感じ」
その場で剥いて食べられるの、と教えればグラスビールを傾けていた夏帆はうんうん頷く。夏はバーベキューだったので秋と言えば、の味覚狩り体験。凡庸かもしれないけれどやっぱりこればかりは外せないと決めた。なんなら葡萄狩りと言うプランも用意してある。
「両方行くのは……」
「言うと思った。勿論、一日目と二日目それぞれに組み込めるようにしてあるから豪勢に両方行こっか」
「さっすがモモ!!好き!!」
ぐふふ、と妙な声で笑う夏帆が楽しみにしてくれている事が分かってひと安心。穂高さんも昼休みの合間にでもくまさんにプレゼンしていると思うので持ち帰って二人でプランを吟味してもらって……私も、四人で行く旅行がとても楽しみだった。
「やっぱりモモ、綺麗になったわ」
「そう?パウダーちょっといいやつ奮発したからじゃない?」
「いいや違うね、絶対に穂高さんのお陰だわ」
ああ……汗、かいたから、とか?とは言えない。
しょっちゅう、ってわけじゃないしね。
でも今夜、このあと。
私と穂高さんはこの繁華街のどこかで、お泊りを約束している。
おしまい。
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