R18『サマーネイビーブルー』

緑野かえる

文字の大きさ
7 / 10
夏の終わりに

桃と穂高と筋トレ(3/3)※

しおりを挟む
「ここ、結構凄い事になってる」

 とんとん、と指先でお臍の下あたりを軽く叩かれた時だった。
 そこを中心に走った甘い疼きに自分の中が穂高さんの事を締め出そうとしてしまい、耐える。

「っ、余裕見せてるつもりだったんだけど……駄目だな」

 最初は撫でるだけだった穂高さんの手が私のお腹の上を探るように、さっき感じてしまった場所を――彼が入っている先の方を探られて、そっと押される。

「んうッ!!」

 漏れ出る声に自分で口を塞ぐ。
 く、く、と拍動するように彼の手で何度も上から押されてその圧迫されるリズムと一緒に感じた事のない疼きが全身に響いていくようだった。

 それ駄目、やめて、と片手を伸ばしても手首を掴まれてしまう。
 口元は押さえていないと多分、とんでもない声が出る。

「桃さん可愛い」

 私が“それ”に弱いのだと学習された。
 真っ直ぐな視線で「可愛い」と言われてしまう、と。

「い、や…あ」
「そう、その猫ちゃんみたいな細い声」

 俺は好きだよ、と耳元で囁かれた。


 いっぱいする、と言っても。

「ひ、っう、んんんッ」

 穂高さんがソファーから引きずり下ろしたクッションを抱かされ、私はひたすらに声を我慢して揺れていたけれどいよいよ、クッションを抱き締めている力も入らなくなりそうになる。

「これだと桃さんの顔が見えないのが、」

 ず、とお腹に響く刺激。

「今度の夜、出掛けようか」

 ね?と約束をされてしまう。
 その約束の行き先はきっと、私が声を出しても大丈夫な場所だと知って汗をかいているのにもっと、頬が熱くなる。

 このままずっとしてたらのぼせちゃう。
 頭の芯がぼーっとしてきて、もう出して、と足で穂高さんの事を挟む。
 本当にこのまま続けていたら体がへとへとにくたびれてしまう。
 まだ旅行の計画を練っている最中だったのに。

「もう、や……ッ」
「うん」

 私のお腹を軽く撫でる指先がそのまま降りて、ずっと腫れあがっている敏感な部分を優しく撫でる。

「は、う」
「びっしょりだ」

 汗の事なのか、それとも。
 後者なのだろうな、と滑りの良い指先で弄られて身震いをするといよいよ彼も終わらせてくれるらしく、奥の方を……私のイイトコロを知っている腰つきで攻められてそれはまあ、本当に呆気なく、いってしまった。

 クッションを抱く腕が落ちてしまえば必然的にそれは傍らに転がっていく。反らせて曝け出している胸元のちょうど真上。私を下にして汗を滲ませながら顔を赤らめている穂高さんの表情を目の当たりにしてしまえば、いってしまったばかりなのにびくびくと自分でも分かるくらいに締め付けてしまい、彼ももう耐えられずに爆ぜてくれた。

 肩で息をする私にキスをしてくれる人も、びっしょり。

「桃さん、大丈夫……?」

 冷たいタオルの方がいいかな、と心配してくれる優しい人。
 お願いします、と頷いてテーブルの上の二つ並んだノートパソコンを見上げる。


 後日、金曜日。
 仕事終わりの夜の居酒屋チェーン。
 ある程度まとまった所で秋の行楽の草案を夏帆に提出した。

「梨狩り……?そのままいけちゃう感じ?」
「そう、そのままいけちゃう感じ」

 その場で剥いて食べられるの、と教えればグラスビールを傾けていた夏帆はうんうん頷く。夏はバーベキューだったので秋と言えば、の味覚狩り体験。凡庸かもしれないけれどやっぱりこればかりは外せないと決めた。なんなら葡萄狩りと言うプランも用意してある。

「両方行くのは……」
「言うと思った。勿論、一日目と二日目それぞれに組み込めるようにしてあるから豪勢に両方行こっか」
「さっすがモモ!!好き!!」

 ぐふふ、と妙な声で笑う夏帆が楽しみにしてくれている事が分かってひと安心。穂高さんも昼休みの合間にでもくまさんにプレゼンしていると思うので持ち帰って二人でプランを吟味してもらって……私も、四人で行く旅行がとても楽しみだった。

「やっぱりモモ、綺麗になったわ」
「そう?パウダーちょっといいやつ奮発したからじゃない?」
「いいや違うね、絶対に穂高さんのお陰だわ」

 ああ……汗、かいたから、とか?とは言えない。
 しょっちゅう、ってわけじゃないしね。

 でも今夜、このあと。
 私と穂高さんはこの繁華街のどこかで、お泊りを約束している。


 おしまい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...