1,034 / 1,039
SS(書き下ろし)
生まれ変わったらαだったんだが、思ったより生きづらくて探してしまうのは止められなかった 3
しおりを挟む
学園祭が明日に迫ったせいか、校内はどこもかしこも浮き足立ってる。
放課後、生徒会室にずらずら歩きながら、キャッキャッ騒いでる生徒を遠い目で眺めてしまう。
いやぁ、皆わっかいなぁ。
ミカサは、年齢がハッキリしないけど最期は20代とか下手したら30代だったかもなんだよね。
しかも、学校なんて行ったこと無かったからさ。
こう言う雰囲気は、いつにも増して俯瞰して見ちゃう。
ここに居るのに、まるで居ない感じ。
溶け込めてないというか、溶け込める気が全くしない。
まぁ、毎日コイツら見てても慣れないのに通じるな。
時代が変われば、人も変わる。
俺と松野の前を、恋人繋ぎで色がついたら間違いなくドピンクのフェロモンを纏って歩く菊川桜宮御両人を咎める人間は誰一人居ないのもなぁ。
αは、菊川を恐れ。
βやその中に紛れるΩは、結構好意的に見守っている。
周囲の価値観さえ捩じ伏せる菊川の力にも驚くけど、そんな菊川を完全に手懐けてる桜宮の存在はミカサにとったら理解出来る次元に無い。
いくらこの時代がΩに前向きになってるとはいえ。
こんなに堂々と番の隣をΩが歩いてんのがなぁ。
だから、ついつい桜宮には菊川を立てるよう求めちゃうんだよ。
「アレ、どーにかなんねぇのかな?
明日、外部からも人がくんだろ?」
隣を歩く松野に話し掛ける。
松野は、明日の進行表を生真面目に確認していた視線を上げ御両人の姿を、おい、見たよな?
見たのに、見なかったことにして何手元に戻ってんだよ!
「をぃっ」
「俺がなんとか出来るわけないだろう」
悟ったような顔すんな!
ジジィか!
お前に出来なきゃ、俺だったらもっと出来ないんだからな!
ミカサの時には、αになれば幸せになれると憧れてたしそれになれて万々歳な筈だったんだけどさ。
αになれたくらいじゃ、全然無理。
まず、αは行動に移す前から無理だとわかること多すぎる。
わかるってのは、漠然と感じるとかじゃないんだよな。
明白に事実として目の前にあるの。
それの基準になるのが、αの格付け。
生まれ持った資質に左右され過ぎ。
俺なんか、αの中でも医者一家に生まれてんのに個体としては中の下とかになるから四方八方に無理看板が散らばってる。
無知なミカサだった時の方が、フラットに見える。
菊川の群れに入ってから、外れた看板はあるけどゼロにはならない。
放課後、生徒会室にずらずら歩きながら、キャッキャッ騒いでる生徒を遠い目で眺めてしまう。
いやぁ、皆わっかいなぁ。
ミカサは、年齢がハッキリしないけど最期は20代とか下手したら30代だったかもなんだよね。
しかも、学校なんて行ったこと無かったからさ。
こう言う雰囲気は、いつにも増して俯瞰して見ちゃう。
ここに居るのに、まるで居ない感じ。
溶け込めてないというか、溶け込める気が全くしない。
まぁ、毎日コイツら見てても慣れないのに通じるな。
時代が変われば、人も変わる。
俺と松野の前を、恋人繋ぎで色がついたら間違いなくドピンクのフェロモンを纏って歩く菊川桜宮御両人を咎める人間は誰一人居ないのもなぁ。
αは、菊川を恐れ。
βやその中に紛れるΩは、結構好意的に見守っている。
周囲の価値観さえ捩じ伏せる菊川の力にも驚くけど、そんな菊川を完全に手懐けてる桜宮の存在はミカサにとったら理解出来る次元に無い。
いくらこの時代がΩに前向きになってるとはいえ。
こんなに堂々と番の隣をΩが歩いてんのがなぁ。
だから、ついつい桜宮には菊川を立てるよう求めちゃうんだよ。
「アレ、どーにかなんねぇのかな?
明日、外部からも人がくんだろ?」
隣を歩く松野に話し掛ける。
松野は、明日の進行表を生真面目に確認していた視線を上げ御両人の姿を、おい、見たよな?
見たのに、見なかったことにして何手元に戻ってんだよ!
「をぃっ」
「俺がなんとか出来るわけないだろう」
悟ったような顔すんな!
ジジィか!
お前に出来なきゃ、俺だったらもっと出来ないんだからな!
ミカサの時には、αになれば幸せになれると憧れてたしそれになれて万々歳な筈だったんだけどさ。
αになれたくらいじゃ、全然無理。
まず、αは行動に移す前から無理だとわかること多すぎる。
わかるってのは、漠然と感じるとかじゃないんだよな。
明白に事実として目の前にあるの。
それの基準になるのが、αの格付け。
生まれ持った資質に左右され過ぎ。
俺なんか、αの中でも医者一家に生まれてんのに個体としては中の下とかになるから四方八方に無理看板が散らばってる。
無知なミカサだった時の方が、フラットに見える。
菊川の群れに入ってから、外れた看板はあるけどゼロにはならない。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
【運命】に捨てられ捨てたΩ
あまやどり
BL
「拓海さん、ごめんなさい」
秀也は白磁の肌を青く染め、瞼に陰影をつけている。
「お前が決めたことだろう、こっちはそれに従うさ」
秀也の安堵する声を聞きたくなく、逃げるように拓海は音を立ててカップを置いた。
【運命】に翻弄された両親を持ち、【運命】なんて言葉を信じなくなった医大生の拓海。大学で入学式が行われた日、「一目惚れしました」と眉目秀麗、頭脳明晰なインテリ眼鏡風な新入生、秀也に突然告白された。
なんと、彼は有名な大病院の院長の一人息子でαだった。
右往左往ありながらも番を前提に恋人となった二人。卒業後、二人の前に、秀也の幼馴染で元婚約者であるαの女が突然現れて……。
前から拓海を狙っていた先輩は傷ついた拓海を慰め、ここぞとばかりに自分と同居することを提案する。
※オメガバース独自解釈です。合わない人は危険です。
縦読みを推奨します。
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる