ヘタレαにつかまりまして

11 保健室

7

｢三枝って、番信仰なのか？
さっきから、俺と倭人さんを見る目が怖いんだけど｣

｢わかっちゃう？
βには無い絆に憧れるっていうか。
うちのおかん、βやねんけど、その愛読書が番中心の恋愛小説でな。
こっそり見てたら、激はまりしてもうて。
今までβしかいてへん学校に通っとったから、こんな近くに実物とか、もぅ・・・｣


うわぁー、親子二代に渡るΩ向け恋愛読書中毒か。
輝く瞳は二次元世界に飛んでるな。
竹居はその様子を鼻で嗤う。


｢ったく、βは気楽でいいよな、所詮他人事だし。
まぁ、その分菊川とかなちゃんを好意的に受け止めてるからいいけどさ。
これからどうするつもりなんだ？
クラス内もだけど、学校中がザワザワしてる。
誰のものでもなかった菊川に番が出来てし、こんだけ見せつけることされたらな。
空席の恋人、つまりは未来の結婚相手争奪戦がますますヤバくなるぞ｣