例えβに生まれても

9 脅迫の王子様

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見られているだけなのに、恥ずかしくなって。
清人様の胸に顔を埋める。
清人様はクスクス笑いながら、頭を撫で続けてくれた。


｢今すぐに変わる訳じゃないからね。
ハルがΩに、俺の番になりたくないなら、高熱を出して倒れる前に俺を拒んで。
ハルに会いたくないって言われたら、俺は二度とハルに近付かないから｣


優しい掌の動きと語りかけに、思わず頷いていた。
｢会いたくない｣....なんて、言えるかな。
でも、Ωとか、考えられないし。
それに、清人様が俺と離れたくないから番にって言われてるけど、番ってアンナコトとかしちゃう関係だし。　

清人様が俺を相手にとか、きっとならないよ。　
なんか、色っぽい清人様を見た気がするけど、気のせいだよ。
だって、今俺の前にいる清人様は、優しい清人様のままだもの。

きっと、そうだよ。
このまま清人様と会っていても、熱なんか出ないんだよ。