例えβに生まれても

30 脅威の王子様

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なんて.......思えなくて。

久しぶりの清人様が、俺を変わらずに番にしたいと思えるくらい好きでいてくださってる実感が.....凄いんですっ

もう、凄く、凄く、凄いんですっ
お面越しの甘い声を聞いちゃうと、陽太様みたいに笑えなくて。
耳も頭もふわふわしちゃって。
だから、ギュゥゥゥゥって、抱き締められて苦しいのさえ........嬉しさが勝っちゃうんですよっ
俺、どうしたらいいんだろうっ

兄ちゃんと父さんから、俺が忘れていた昔の話を聞いたのもあってね。
それまでは、俺にだけ何故か優しい清人様っていう認識だったのに。

初め、追いかけていたのは俺で。
清人様が、小さい俺がたまたましたことを特別に感じて下さって。
遊び相手に選んでくださった時には、もう特別だって思って下さっていて。
今なんて、βで男なのに好きで番にまでなって欲しいって言われちゃって！
御自身の進路だって、俺の考える時間を作るために変わっちゃって！

なんだか、いろいろグルグル考えちゃって。
いろんな先に、今こうして隣同士で座れてるんだなぁって。
本当に、清人様に選ばれたのが俺なんだなぁって。

そう、今更過ぎるんだけど。
お別れした時に、好きだって言われたりもしていたんだけど、まだ半信半疑だったし.....
こんなに、ちゃんと清人様の気持ちを、ご本人を前に受け止めるのは初めてだから、いろいろ追い付かない！