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33 興奮の王子様
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まるで、お伽話の魔法使いみたいだよ!
ふあぁぁと、口を開けて感動していたら。
「好きに動いて、話して?
音録りは後日だから、なんでも大丈夫。
でも、さっきみたいな二人の秘密は静かにね」
微笑まない清人様に言われると、迫力がありすぎてちょっと怖いから咄嗟にうつ向いちゃったよ。
でも、二人の秘密何て言われただけで嬉しいのがそれより増える。
ヒョイッと。
軽々俺の腰をつかんで持ち上げる清人様。
す、好きに動いてって言われても、こんな状態じゃ...
清人様に返事をしようとして、逸らし続けていた目が合ってしまった。
「好きに、俺に触って?」
まるで、鷹とか梟とかみたいに片腕に俺をのせて。
見下ろす俺を覗きこみ、頭の中まで突き刺さる清人様の鋭い視線。
離れていても、耳に直接吹き込まれたくらいに、ブルッと震える悩ましい声。
清人様が歩けば、清人様の向こう側で花が咲いて、床一面にさざ波のように広がって消えていく。
現実とバーチャルの狭間で、冷たい無表情の清人様は危うくて。
まるで、花や蝶々のように、消えてしまいそうで。
俺を捕まえている手は力強くて現実に有るものだとわかるのに、不安になってしまう。
だから、なのかな。
俺は迷わず、清人様の頬に触れていた。
ふあぁぁと、口を開けて感動していたら。
「好きに動いて、話して?
音録りは後日だから、なんでも大丈夫。
でも、さっきみたいな二人の秘密は静かにね」
微笑まない清人様に言われると、迫力がありすぎてちょっと怖いから咄嗟にうつ向いちゃったよ。
でも、二人の秘密何て言われただけで嬉しいのがそれより増える。
ヒョイッと。
軽々俺の腰をつかんで持ち上げる清人様。
す、好きに動いてって言われても、こんな状態じゃ...
清人様に返事をしようとして、逸らし続けていた目が合ってしまった。
「好きに、俺に触って?」
まるで、鷹とか梟とかみたいに片腕に俺をのせて。
見下ろす俺を覗きこみ、頭の中まで突き刺さる清人様の鋭い視線。
離れていても、耳に直接吹き込まれたくらいに、ブルッと震える悩ましい声。
清人様が歩けば、清人様の向こう側で花が咲いて、床一面にさざ波のように広がって消えていく。
現実とバーチャルの狭間で、冷たい無表情の清人様は危うくて。
まるで、花や蝶々のように、消えてしまいそうで。
俺を捕まえている手は力強くて現実に有るものだとわかるのに、不安になってしまう。
だから、なのかな。
俺は迷わず、清人様の頬に触れていた。
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