例えβに生まれても

三日月

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1 送迎の王子様

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強張った身体を、清人様は優しく肩に触れて緩めてくれる。
そのまま車の中に入るよう背中を押されて、俺は流されるまま車のシートに座ると扉を音もなく外側から閉じられた。

清人様は、車の後部を開けて俺の鞄を入れると、彼女や周りの視線を気にせず運転席へ。
その間も、俺は彼女から睨まれるのが怖くて、膝ばかり見て溜め息。

清人様は何も言わず、腕を伸ばして俺のシートベルトをセット。
自分のシートベルトも締めて車を発進させてしまった。

あぁ、今日も俺は清人様に流されてしまう...
そっと伺った清人様の横顔は、とてもにこやか。
鼻唄混じりで自動車を操縦している。

菊川物産のα御曹司が、どうしてβの俺のために車を運転してくれるんだろう。
運転だけじゃなくて、他にもあるんだけど。

答えは清人様しか知らないのに、俺は小学校のときから一度も聞けずにいた。
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