可愛いΩのナカセカタ

三日月

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 このまま由良が真柴の番になるか、それとも俺が買い取らずにアンダーグラウンドに戻すか。そのどちらでも、俺以外にこの求愛フェロモンが向かうことに繋がるからな。ムカつきは変わらない。由良をこの手で殺した方がまだマシだ。

 ただ、マシなだけで、仕事だとしても由良は殺したくは無いと思う自分にも気付いた。俺は、俺を受け止めることが出来る由良に完全に執着してしまっている。

 誰も噛む予定なんてなかったこの牙で、由良の一生を縛り付けたくなるくらいに。自分でも、萩野に生まれた身で一人のΩに固執するとかどうかしていると思うけど。


「あのさ、泣きすぎ」


 俺から番を求められ、声も無く泣き崩れてしまった由良に近づきその広い背中を抱きしめる。もう、由良が可愛くて仕方ないんだよな、俺は。


「う、うわ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ーーーーー」


 抱きしめた途端、声を上げて泣きじゃくる由良に俺の感情も揺れ動く。どんな時も、冷静に。それが萩野家のはずなんだけど。俺の目から流れる涙は、絶対に由良には見せられないな。由良を抱き寄せるふりをして、そのシャツで涙を消してしまおう。
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