可愛いΩのナカセカタ

三日月

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 りっちゃんの運転するワンボックスカーに乗り込み、由良が拉致されている場所へ向かう。運転席のりっちゃんは、緊張の面持ちで助手席に座る俺をチラチラ気にしているが、そんな暇があったら一秒でも早く現場に迎えるルートを走れ。
 通勤ラッシュ時間帯なのか、渋滞まではいかなくても車の流れが遅い。


「あぁ、無理だわ、りっちゃん」


 出発前に渡されたタブレットを起動させ、りっちゃんから聞いたサイトに接続した途端、目に飛び込んできた映像に顔がひきつる。乾いた声に含まれた殺気が、りっちゃんの身体を強張らせるには十分だったようだ。


「偉いさんの息子だろうが、萩野家が駒にしたかろうが、知ったことか。
 俺の由良に、ここまでしておいて楽に死ねると思うなよ」


 りっちゃんが相手について色々説明はしてくれたが、無理。萩野にとって、この先恩を売って損はない相手だとか、そんなことは俺にとってどうでも良い。
 血みどろの由良に馬乗りになる馬鹿に、殺意を抱くなという方が無理だ。
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