227 / 461
224 α
しおりを挟む
「殺っちゃった・・・ん?
間に、合った、のか?」
息切れしているりっちゃんの到着に、上げていた足を顔ではなく床に下ろした。りっちゃんは、俺のことをよく知っているからな。すでに殺しているんだろうと諦めていたようだ。虫の息ながらも、壁に写されたαが生きていることに驚きすぎ。目を見開き、出入り口の壁にへばりつくように立つ姿は間抜けの一言につきる。
映像がリアルタイムなのか信じられず、αの様子を慌てて見に走ってきた。アングラ仕事ばかりしてるからって、体力落ちすぎだ。
俺は、仕方なく、仕方なく、由良を抱えて地上に向かう。りっちゃん、αの状態を確認する暇があるなら車を出せっ!腹いせに、しゃがんだりっちゃんの背中を足の甲で軽く押して舌打ち。仕事じゃなく、俺がここまで殺したいと思った相手をみすみす見逃さなくちゃならないのか。
不機嫌な俺を見上げる由良の口角は、こんな状態なのに上がっていた。
「由良、後悔するぞ」
「しない。
自分が原因で、命を奪う方が、後悔する」
由良の掠れた声には、力強い意志が宿っていた。俺には理解不可能だな。由良がここまでされて、相手を殺さない理由が思い付かない。ここで殺さない方が後悔する・・・そうわかっていても。
自分の腕に取り戻した由良が、怪我だらけの顔を歪ませて笑うのを見てしまうとどうでも良いかと思えてきた。由良は、感情のコントロールをはずしたり、知らない感情を教えてくれたり・・・俺にとって、どれくらい大切な存在なのか自覚して欲しい。
番を拉致した相手を赦すとか、知りたくもなかったが。アレに時間を割くより、由良の治療が先だな。ボロボロの身体に少しでも負担がかからないよう注意しながら、俺は階段を登った。
間に、合った、のか?」
息切れしているりっちゃんの到着に、上げていた足を顔ではなく床に下ろした。りっちゃんは、俺のことをよく知っているからな。すでに殺しているんだろうと諦めていたようだ。虫の息ながらも、壁に写されたαが生きていることに驚きすぎ。目を見開き、出入り口の壁にへばりつくように立つ姿は間抜けの一言につきる。
映像がリアルタイムなのか信じられず、αの様子を慌てて見に走ってきた。アングラ仕事ばかりしてるからって、体力落ちすぎだ。
俺は、仕方なく、仕方なく、由良を抱えて地上に向かう。りっちゃん、αの状態を確認する暇があるなら車を出せっ!腹いせに、しゃがんだりっちゃんの背中を足の甲で軽く押して舌打ち。仕事じゃなく、俺がここまで殺したいと思った相手をみすみす見逃さなくちゃならないのか。
不機嫌な俺を見上げる由良の口角は、こんな状態なのに上がっていた。
「由良、後悔するぞ」
「しない。
自分が原因で、命を奪う方が、後悔する」
由良の掠れた声には、力強い意志が宿っていた。俺には理解不可能だな。由良がここまでされて、相手を殺さない理由が思い付かない。ここで殺さない方が後悔する・・・そうわかっていても。
自分の腕に取り戻した由良が、怪我だらけの顔を歪ませて笑うのを見てしまうとどうでも良いかと思えてきた。由良は、感情のコントロールをはずしたり、知らない感情を教えてくれたり・・・俺にとって、どれくらい大切な存在なのか自覚して欲しい。
番を拉致した相手を赦すとか、知りたくもなかったが。アレに時間を割くより、由良の治療が先だな。ボロボロの身体に少しでも負担がかからないよう注意しながら、俺は階段を登った。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる