228 / 461
225 Ω
しおりを挟む
自分の不注意で芹沢に拉致され、監禁され。それでも、自分は疾風の番なんだと、それだけは絶対に譲れず気を張っていた。だから、だろうな。あの場所で疾風の姿を見て、抱き上げられて・・・助け出されている途中で意識を失ってしまった。
自分は、疾風に助けに来てくれてありがとうと言っただろうか?
もしかすると、都合の良い夢を見ていただけだろうか?
あの場から助けられたなら、負傷した度合いも重いし、次に目が覚めればどこか病院には運び込まれるだろうとは思っていたが。そこには、思いがけない再会まで待っていた。
「由良っ、気付いたかっっ」
聞きなれない男性の声。涙声のやや高い声が疾風じゃないことに戸惑うが、芹沢でも無いことにまず安堵する。緩く呼吸すると血生臭くもなく、頬に風を感じる。あの場所は、窓もなくて空気が澱んでいた。場所が変わっているんだな。じゃあ、あれは夢じゃくて疾風が来てくれたのか。
誰かわからず、声の主を確認しようとしたんだが瞼は張り付いたように開かない。手も、足も、首さえも。自由にならないし、動けない。自分に、何が起こったんだ?ほかの場所で違う人間に、拘束されてるのか?
自分の名前を呼ぶ声には、親しみが込もって聞こえていても、他に思い当たる真柴の声でもないし・・・
「椿頭の病院にいる。
俺が判るか?」
「わかるわけないでしょ・・・20年会ってないって、アンタが言ったんだよ?」
「あぁ、そうだった!
輝良(きら)だぞ、お前の双子の兄だぞっ」
・・・え?
自分は、疾風に助けに来てくれてありがとうと言っただろうか?
もしかすると、都合の良い夢を見ていただけだろうか?
あの場から助けられたなら、負傷した度合いも重いし、次に目が覚めればどこか病院には運び込まれるだろうとは思っていたが。そこには、思いがけない再会まで待っていた。
「由良っ、気付いたかっっ」
聞きなれない男性の声。涙声のやや高い声が疾風じゃないことに戸惑うが、芹沢でも無いことにまず安堵する。緩く呼吸すると血生臭くもなく、頬に風を感じる。あの場所は、窓もなくて空気が澱んでいた。場所が変わっているんだな。じゃあ、あれは夢じゃくて疾風が来てくれたのか。
誰かわからず、声の主を確認しようとしたんだが瞼は張り付いたように開かない。手も、足も、首さえも。自由にならないし、動けない。自分に、何が起こったんだ?ほかの場所で違う人間に、拘束されてるのか?
自分の名前を呼ぶ声には、親しみが込もって聞こえていても、他に思い当たる真柴の声でもないし・・・
「椿頭の病院にいる。
俺が判るか?」
「わかるわけないでしょ・・・20年会ってないって、アンタが言ったんだよ?」
「あぁ、そうだった!
輝良(きら)だぞ、お前の双子の兄だぞっ」
・・・え?
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる