可愛いΩのナカセカタ

三日月

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255 Ω

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「輝良、疾風は自分が選んだ番だから、もう少し、気を使ってくれないか?」


 はぁ、と軽いため息をついて輝良に頼んでみる。多分、無理かもしれないけれど。
 輝良、昔から自分と一緒で空気読むの苦手だったしな。自分は、Ωだと周りに気付かれたくなくて壁を作っていたからだが。輝良は、αとして優秀で周りを気にする必要もなかった。思うままに行動して、それが許されるのが輝良だった。

 包帯を取って初めて見た輝良は、自分が知っている頃より、年月が経過した分背も伸びて大人になっていた。昔は、双子だとすぐにわかるくらい背格好も似ていたのに。鍛えていた分、自分の方が一回り大きいかもしれないな。
 想像では、もっとエリートαらしくなっていると思っていたんだが、そんな雰囲気は全くない。柔らかくて、優しい、そこは昔の輝良のままだ。


「何を言うんだ、由良。
 こっちはちゃんと気を使って、わざわざ新学期開始日に合わせて来たんだぞ。
 新学期が始まっているのに、何故いるんだ?
 まさか・・・大学生だったのか?
 だいたいこの部屋はなんだ。
 まさか、寝泊まりしているのか?」


 ・・・新学期?そう言えば、この部屋に疾風がいることが当たり前すぎて失念していたな。春休みはもう終わっていたのか?カレンダーも無いし、日付は食事のトレイについてくるメニュー表くらいしかない。それも疾風が食べさせてくれるから、自分の目には届かない。
 アンダーグラウンドのりっちゃん支配人は、自分が意識を取り戻す前に衣類を持ってきてくれたらしいが、疾風の学校に関するものは何も運ばれてきていない。
 
 何故か、ランドセルはあるが。
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