可愛いΩのナカセカタ

三日月

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256 Ω

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 輝良は、自分の視線の先に気づいたらしい。ベットの柵に引っ掻けていた黒のランドセルに驚愕。目を見開いて、ビシッと今度は迷いなくランドセルを指差した。


「なんだ、そのランドセルはっ
 ま、まさか、由良、子持ちなのか?
 俺が知らない間に、番ばかりか子どもまでいたとはっっ
 やはり、父上の命令なぞ無視して、俺が探すべきだったんだぁっ
 くっ、一体何が由良に起こっていたのか、今日は泊まり込んででも聞くぞっ」


 荒ぶる輝良を見ていると、自分のことをずっと心配してくれていたのがよくわかる。あと、寂しかったのも。まるで拗ねた子どものようだ。自分だけ蚊帳の外にいたのを悔しがっているようにも見える。
 自分が家を飛び出すまで、輝良は一番側に居てくれた。輝良に比べて勉強が出来ない自分に、一生懸命考えて合わせて分かりやすく教えてくれた。
 Ωの自分を否定せず、無視せず、弟として受け入れて支えてくれていた、たった一人の自分の兄だ。

 ただ・・・気持ちは嬉しいんだが、落ち着いてくれ。部屋に充満した疾風のフェロモンを本当に感じていないんだな。感じていたら、他人の入る隙間がないほどの疾風のフェロモンにそんなことは言えないと思う。
 看護士の人達から、毎回測定で入室する前に扉の外からフェロモンを弱めて欲しいとお願いされるくらいだ。何も言わずに突撃してきた輝良の周りにも、フェロモンがあるままじゃないのか?


「由良、あのバカ、泊まるとかふざけたこと言い出したぞ?」


 あぁ、疾風の顔が笑っているように見えて目が笑ってないっ!早く輝良を黙らせないと!
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