可愛いΩのナカセカタ

三日月

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 由良の身体を、より旨そうに彩っていた求愛フェロモンが。ゆらゆら水面のように揺れ。俺に向かって触手を幾筋も伸ばしてくる。由良の身体から完全には離れず、密着していた俺と繋ぎ、絡み付き、二人を纏めて繭のようにくるんでくる。

 それは、不思議な感覚だった。
 
 もしかすると、錯覚、なのかもしれない。そう疑りたくなるほど、求愛フェロモンにすっぽりくるまれた途端、今まで感じたことがない充足感が俺の飢えた気持ちを一瞬で凪いでみせた。
 
 陽向に居るような暖かい気配が、気持ちの凝り固まった場所を雪が解けるような自然の摂理で溶かして消してしまった。由良が拉致られてから、ずっと心のしこりとして残っていたあの石屑へのイラつき・・・それが元で産まれた不安や恐怖。
 俺の深い場所で、一生燻り続けると思っていたそれを。由良の求愛フェロモンが消していた。常に冷静であるために、感情をコントロールすることには慣れていたけれど。それとは、違う。肩の力を抜くような楽な気持ちでその状態になっていた。
 
 俺だけを欲しがる由良が、この腕の中にいる。傷つけられたプライドなど、取るに足らない。どうでも良い。今は、由良が俺の側にいることをもっと確かめたい。
 凪いだ心の奥から、俺の根っこ、源から。隠れて見えないでいた気持ちが浮き上がってきた。
 
 俺の番。

 俺の由良。

 グチュグチュ淫らな音をたて、後孔から泡立ち溢れてボタボタ落ちる濃厚な精液を指に絡め、由良の尻や背中にベッタリ塗り付けてやる。僅かな動きに焦らされ、喘えぐ由良。濡れた瞳で俺を見下ろし、声より雄弁に俺が欲しいと語っていた。

 求愛フェロモンの繭の上から、俺のフェロモンと匂いをたっぷり注いで、由良を浸して閉じ込めてやりたい。

 先程までの、狂ったような飢餓からじゃない。自然に、由良を求めていた。


「は、やて?」


 由良を一度突いてから、動かず。今までしたこともないおかしなことをしたからだな。由良は、不安そうに瞳を揺らして名前を呼んでくる。あぁ、こんなに由良に嵌まるなんて、予想してなかったな。まるで息するのと同じだ。由良が俺には必要だ。
 由良を閉じ込めてやりたいと思うのと同じくらいに。俺は・・・


「ずっと由良に埋もれていたい」
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