可愛いΩのナカセカタ

三日月

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「未成年の子ども放り出したのは、このためか?
 リア充、爆発しろーーーっ」


 疾風そっくりの狐目を見開き、襖の向こう側で吠えているのは自分達の息子だ。けれど、疾風はまるでそこに誰も居ないように振る舞う。睨まれても見向きもせず、さっさと押入れから出てしまった。その冷たい態度に、息子の方が怯えて立っていた場所を疾風に譲る。
 自分も疾風から差し伸べられた手を借りて、続いて押し入れから出た。

 息子は疾風に無視され、標的を自分に絞り直したようだ。こちらを睨んでくるが、疾風に無視されたことに傷付いているらしく随分弱気な表情だ。
 疾風に一番似ているが、疾風はこんな顔を見せることはない。それに、こんがり日焼けした肌に無地の白シャツと緑の作業着ズボン。疾風がこんな格好をすることもないから、いくら似ていても後ろ姿でさえ見間違うことがない。
 子ども達と別々に暮らすことになったのは、疾風の職場と学区が離れたから。二人きりの生活は確かに楽しみだと思ってしまう自分がいるが、それがメインじゃない。誤解を解こうとする前に、疾風が息子を一瞥。


「お前がモテないのをこっちに当たるなよ?
 見てくれだけは俺に似たのに、なんで未だに番も結婚相手も見つからないんだ?
 だいたい、ちびっこも小学生なんだしなんとでもなるだろ?」

「特殊な実家と一緒にするなっ」


 疾風は独り立ち出来ない息子に飽きれ顔だが、何度も萩野家へお仕置きがわりに体験修業させられている息子達に取って萩野家は鬼門だ。そこを基準にされると本気で嫌がる。
 疾風は、小学生の頃から独り立ち出来ていたからな。ずっと前から、子どもと別れて住もうとしていたのをやっと実現出来たくらいの認識なのかもしれない。
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