可愛いΩのナカセカタ

三日月

文字の大きさ
282 / 461

279 Ω 現在

しおりを挟む
「疾風、さすがに、その・・・」

「別に誰も見てないし、いいでしょ?」


 恥ずかしがると、頭を撫でていた掌が下に移動。頬を包みこまれ、瞳を優しい眼差しで覗き込まれると言葉が出なくなる。疾風の暖かい掌が、自分など足元にも及ばない力を秘めたものだとわかっている。本来なら、この手はもっと違ったことに使われるもので、自分が独占できるようなものじゃない。でも、今は自分に触れてくれていて。今日からこの家に二人きりだ。
 もっと、撫でて、それ以上のことも周りを気にせずして貰える。

 自分は、きっと物欲しそうにしてしまったんだろうな。見透かした疾風は、眼鏡を外し、シャツの胸ポケットにそれを収めた。その仕草、全部が絵になっていて。自分の番の格好良さに何度だって見惚れてしまう。出会った頃も、年齢に似合わず大人びていて格好良くて強くて凄かったんだが。年齢を重ねて、その格好良さに落ち着きと余裕が加味されてしまい人目を惹き付けすぎる。見慣れるとか、見飽きるとか、そんなふうに思えたことがない。


「由良、見とれすぎ」

「・・・っ」


 ニヤリと嗤われ反論できない。疾風を前にして、見とれない方が無理だ。
 疾風から顔を近付けられ、自然と目を閉じて・・・


「いつまで新婚気分だーーーーーっ」


 あと少しでキスして貰えると、期待していた気持ちは叶わなかった。聞き馴染んだ声と同時に、襖がパンっと軽い音をたて開け放たれる。一気に光が視界に入り、眩しさに目を瞬き。襖の向こう側で仁王立ちしていた人物からの視線が痛い。
 あぁ、来てたのか・・・キスをしそびれ、ガッカリしてしまった自分に新婚気分は否定できない。
しおりを挟む
感想 103

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

上司と俺のSM関係

雫@不定期更新
BL
タイトルの通りです。読む前に注意!誤字脱字あり。受けが外面は一人称私ですが、砕けると僕になります。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...