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番外編
真似っこ、お揃い、あのひとと 10
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「あ、茜君、大丈夫だった?」
ノックする間も惜しんで保健室に滑り込んできたのは、可愛い可愛い我が家の末っ子、世良ちゃん。手には、今朝一緒に作った二人分のお弁当とステンレスボトル。それに、きちんと世良ちゃんがたたみ直したんであろうバカザルの制服に体操服を入れてきたであろうどこかのテナントの袋。
四時間目の体育が終わって、着替えてすぐに走ってきたのね。肩が上下しているわ。
「大丈夫。
世良、運んでくれてありがとなっ」
お礼を言われただけで、「はわわぁ~」とキュンキュン世良ちゃんが胸を高鳴らせているのが、こんなに私にはわかる、のに。
「わぁ、世良のお弁当楽しみにしてんだ。
さっきから腹の虫が煩くてさぁ~」
先に制服を手渡されたバカザルは、ベットの上で豪快に脱ぎ散らかしながら着替えている。恥ずかしがって目を伏せた世良ちゃんの、照れてポッと染まった横顔の可愛さなんか気付いてないわね。
世良ちゃんが背を向けてそっとベットの上に置いたテナントの袋に、バカザルは体操服を丸めて突っ込むと、すっかり元気を取り戻した笑顔で呼びかけている。
「世良、天気良いしさ。
今日も屋上に食べに行こうぜ!」
でも、バカザルの目はお弁当箱しか見てないのよね!もっと上を見なさい、上をっっ!軽度の熱中症でふらついたあんたを、体育館からお姫様だっこで軽々運んできた学校のアイドルにもっと興味を持ちなさいっ
回復してさっさと出ていこうとするバカザルに、「屋上は暑いんだから他の物陰見つけて食べるのよ」と注意して、塩飴も握らせ見送る。あぁ、もぅ、バカザルの後を追う世良ちゃんの背中には真っ白な翼、お尻からは隣にいるだけでブンブン喜びに揺れているフサフサの尻尾が見えちゃうわっ
すっかり乱れたベットを整えていたら。
トントントン・・・
閉まったばかりの引き戸に、遠慮がちなノック。
「はい、どうぞ」
ノックする間も惜しんで保健室に滑り込んできたのは、可愛い可愛い我が家の末っ子、世良ちゃん。手には、今朝一緒に作った二人分のお弁当とステンレスボトル。それに、きちんと世良ちゃんがたたみ直したんであろうバカザルの制服に体操服を入れてきたであろうどこかのテナントの袋。
四時間目の体育が終わって、着替えてすぐに走ってきたのね。肩が上下しているわ。
「大丈夫。
世良、運んでくれてありがとなっ」
お礼を言われただけで、「はわわぁ~」とキュンキュン世良ちゃんが胸を高鳴らせているのが、こんなに私にはわかる、のに。
「わぁ、世良のお弁当楽しみにしてんだ。
さっきから腹の虫が煩くてさぁ~」
先に制服を手渡されたバカザルは、ベットの上で豪快に脱ぎ散らかしながら着替えている。恥ずかしがって目を伏せた世良ちゃんの、照れてポッと染まった横顔の可愛さなんか気付いてないわね。
世良ちゃんが背を向けてそっとベットの上に置いたテナントの袋に、バカザルは体操服を丸めて突っ込むと、すっかり元気を取り戻した笑顔で呼びかけている。
「世良、天気良いしさ。
今日も屋上に食べに行こうぜ!」
でも、バカザルの目はお弁当箱しか見てないのよね!もっと上を見なさい、上をっっ!軽度の熱中症でふらついたあんたを、体育館からお姫様だっこで軽々運んできた学校のアイドルにもっと興味を持ちなさいっ
回復してさっさと出ていこうとするバカザルに、「屋上は暑いんだから他の物陰見つけて食べるのよ」と注意して、塩飴も握らせ見送る。あぁ、もぅ、バカザルの後を追う世良ちゃんの背中には真っ白な翼、お尻からは隣にいるだけでブンブン喜びに揺れているフサフサの尻尾が見えちゃうわっ
すっかり乱れたベットを整えていたら。
トントントン・・・
閉まったばかりの引き戸に、遠慮がちなノック。
「はい、どうぞ」
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